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スモプリ。


たびたび書いているように、
ボクは、声優の専門学校に通っていたことがある。

声優の専門学校なのだから、
そこでは当然、アニメアテレコの授業があるワケで――

うん……まあ……
なんか、年に4回くらしかなかったような記憶もあるし、

「あの有名声優が講師にやってくる!」

って、入学案内に書いてあったのに、
全く有名声優がやってこなかったような気もするし、

元・理事長が資金を横領して、
その穴埋めのために、余計な授業料を払わされたような気もするけれど、
それはまた別のお話。(そっちのが気になるわ)

まあ、ともあれ。
アニメアテレコの話である。

教材となる作品はいろいろあったのだけれど、
その中で特に印象深かったのは、

テニプリこと「テニスの王子様」だ。

当時、
「このアニメの映像を授業で使うのって、権利的なものはクリアしてるのかな?」と、不安になったりもしたのだけれど、
(当時の)最新の人気作を教材に使えるということで、
クラスはちょっとだけ盛り上がっていた。(ちょっとだけ?)

話数的には、けっこう序盤。
リョーマと桃城が、初めてダブルスを組むエピソードだったと記憶している。

「テニスの王子様」を全く知らないという人に、簡単に説明すると、
リョーマは主人公の男の子で、桃城は同じテニス部の先輩。

ふたりとも、シングルスでは無類の強さ誇るテニスプレイヤーなのだけれど、
ダブルスを組むと凸凹コンビになってしまって、上手く行かない。

はてさて、試合はどうなる!?

――みたいな話だ。

そんな感じで、
話自体は、スポーツモノのアニメでは良くある展開。

じゃあ、なんでボクの印象に残っているのかというと、
それは、リョーマが対戦相手に言うセリフ――

「相手の土俵で戦うほうが面白いからね!」

これが、強烈に印象に残っているから。

敵のチームに、
「凸凹コンビが、ダブルスだとよ!」
と、嘲笑された後に返したセリフなのだけれど、

ボクがリョーマ役で授業を受けていたとき、
ありえない噛み方をしてしまったのだ。

「相手 "と" 土俵で戦うほうが面白いからね!」

その瞬間、即座に映像は停止し、
ミキサールームにいる講師から、ダメ出しが飛んでくる。

「それじゃあ……相撲の王子様だろうがぁぁぁぁ!」

まさかの競技変更。
「スモプリ」の誕生である。

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