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笑顔になれないコンビニ。


前回のお話はコチラ↓


またまた、ボクが4番目に働いたコンビニでの話。

ボクより、ちょっとだけ後に入ってきたアルバイトで、
M君とN君という男の子がいた。

M君はいわゆるイケメンというやつで、
ボクが隣でレジを打っていると、客のオバサマが、

「あら! ワタシ、あっちのレジがいいわ♪」

と言って移動するほどだ(笑)

朝のラッシュ時なので、並び直すとなると、
時間的にはかなりのロス。

それをいとわないというのだから、
M君のイケメンぶりが分かるだろう。

ちなみに、このとき、
ボクの中の「死にたいケージ」が1ポイントだけ増加する(笑)

1ポイントだけで済むのは、
M君はイケメンであるために、日々努力していたからである。

ボクたちイケてない組からすると、何も考えずに妬んでしまうけれど、
イケメンがイケメンでいるのには、キチンとした理由があるのだ。

そんな努力に、世界がちょっとだけ優しくなっても良いではないか。

と、この頃のボクは思っていたのだった。

それに、きっと、ボクが客の立場でもそうするだろうから。

まー、さすがに並び直しはしないかもだけれど、
イケメンと普通のヤツが並んでいたら、
そりゃあイケメンにレジを打ってもらいたいと思うのが人間だ(笑)

そんなM君にN君を加えた、ボクたち3人は、
同じ時間に勤務することもあったので、同時にレジに立つこともあった。

そんなとき、もう一方のN君はというと――


「テメェ! ナメてんじゃねぇぞ!!」(ドカッ!)


客に、めっちゃキレられているのである。

ちなみに、
「ドカッ!」っという効果音は、殴られたワケではなく。

【他のレジにお並び下さい】

という、
よく店員が立っていないレジのカウンターに置いてある、
立て札を投げつけられた音だ。

お客さんが帰ったあと、「なにがあったの?」と訊くと、

「お箸お付けしますかって……聞いただけなんですけど……
ボク、なんか悪いことしたんですかね……」

という、衝撃の回答。

なんとN君、
お客さんが並んだときに、待たせないように空いてるレジを開け、
袋詰の際、箸がいるかどうか確認しただけなのに、キレられたというのだ。

いやいやいや……
悪いことをしたというより、普通の行動だよね。

っていうか、
客が並んでいるのに平気でレジを開けなかったり、
箸がいるか確認しない店員もいることを考えると、むしろ良いことだよね。

そう。
普段からN君は、普通に良いヤツなのだ。

でも、だいたい1日に1回は、
同じような理由でキレられている場面を目撃する(笑)

このN君、イケメンM君と比べても遜色ないくらい、
割と整ったほうの顔立ちなのだけれど、
なぜ、客のリアクションに、これほどまでの差がでてしまうのか――

実は、ボクには心当たりがあった。

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