絶対に喋ってはいけないコンビニ。

これは、ボクが2番目に働いたコンビニの話。

この店は、ボクのコンビニバイト人生の中でも、
ぶっちぎりにヤバい店だったのだけれど(笑)

全てを語ると非常に長い話になってしまうので、
今回は、その中のひとつのエピソードに絞って書きたいと思う。

一体何が「ヤバい」のか。

ひと言で言ってしまうなら、
それは「オーナー」という暴君による統治だった(笑)

もちろん、アルバイトとして働かせてもらっている以上、
経営者の指示には従わなければならない。

でも、その指示というのが、
なんというか、アレなのである。

経営という面からみても、明らかにおかしなことを言っているし。
(当時のボクのような、ちょっとアルバイトを経験しただけの、
20歳そこそこの若造でも分かるようなレベルで)

アルバイトの人間性にもダメ出しをしてくるような、
今で言う「パワハラ」「セクハラ」は当たり前。

これで時給650円(もちろん、当時の最低賃金)なのだから、
ほぼ、奴隷のような扱いである(笑)

当時は「ブラック企業」なんて言葉はなかったけれど、
今の世の中では、完全にアウト。

そんな、時代に見逃されていたような店だった。

まー、そんな店だったので、
店員に課せられたルールは山ほどあったのだけれど――

ああ、いや、違うな。

「これをやったらシバくぞリスト」
が、山ほどあったのだけれど(笑)

その中のひとつに、
「勤務中の私語禁止」
というのがあった。

うん、まあ、
字面だけ見れば普通だよね。

客商売なのだから、当然という気もするよね。

でもさ、
限度というものがあると思うんですよ。

マジで "ひと言も" 喋っちゃダメって、異常じゃないですか?

ホントの本気で、「ひと言」もダメなんです。
例え、店内に客がひとりもいなくても、です。

「あ? 髪切りました?」

はい、これでもうアウト(笑)
バレたら数十分の説教(という名の人格否定)が始まります。

いやいやいや、
高級フレンチの店じゃないんだぞ?

コンビニだぞ、コンビニ?
しかも、大手3メーカー以外の!(そこはほっとけw)

で、まあルールですし、
説教されるのもイヤなので、当然ボクらも――

「からあげ棒、何本作ります?」
「5本にしとこうか?」

以外のことは、喋らなくなるわけですよ(笑)

いや、まあ、
たまに「からあげ棒」が「竜田揚げ棒」に変わったりはしますが、
(結局、鶏ばっかり!)

業務上、必要なこと以外は喋らなくなるワケです。

すると、どうでしょう。
このオーナー、非番中であるにも関わらず、

「店員同士が喋っていて不快だというクレームが入ったぞ!」

と言って、
店に殴り込みにくるわけです。

もうどうすりゃいいの(笑)

こんなの、ただの妄想癖じゃないですか(笑)

仮に、本当にそういうクレームがあったとしても、
客の勘違いということもありますよね?

それのに、当然のように身内を疑うという無神経さ!

ああ、なんだか、
書いているうちに、当時を思い出してきて、
だんだん、ただの愚痴になってきてしまったけれど(笑)

とにかく、アルバイト同士は、
自衛のために、お互いに話しかけないことを徹底していたのでした。

この、
「ひと言も私語を喋ってはいけない」
というルール。

これがあることで、様々な弊害が起こりまして。

それが、
今回の本題(驚きの前置きの長さ!)でもあるのですが――

アルバイト同士、お互いがどんな人なのか、
全く分からないんですね。

休憩時間なし、シフトの入りも終わりもバラバラ。
当然、勤務時間以外に会うこともなく――

誇張なしに、
相手のパーソナリティが、全く分からないのです。

分かるのは、
「顔」と「名字」と「レジ打ちの早さ」くらいなもので(笑)

本当に、
ロボと一緒に仕事をしてるんじゃないかという感じでした。
(もちろん、こちらもロボですが)

でも、ボクたちは人間です。

毎日毎日、顔を合わせていれば、
お互いのことが気になりますよね?

こうなるのは、もう時間の問題でした。

ボクは、いつもシフトの時間が重なる、
ある女の子のことが気になり出したのです。

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