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ありがたいコンビニ。


前回のお話はコチラ↓


これは、ボクが3番目に働いたコンビニの話。

前のコンビニが、あまりにも過酷な環境だったため、
心と身体を休めるために1ヶ月の休息期間をとり(笑)

冷静さを取り戻したところで、慎重に次の職場を探すことにしたボク。
(貯金に余裕があって良かった……!)

すると、家からそんなに遠くないところに、
一番最初に働いたコンビニと同じ大手チェーン店があり、

ちょうどアルバイトの募集が出ていたので、
早速面接の約束を取り付けました。

しかし、
面接と言えば、必ず訊かれるのが、
「前の職場を辞めた理由」です。

前のコンビニを辞めた理由は、店のオーナーと揉めたから。

まあ、有り体に言ってしまえば「クビ」なので。
(人生、後にも先にもクビになったのはこのときだけ!)

ここをどう乗り切るかが悩みどころだったのですが――

そこは、面接優等生のボク(知らんがな)

「劇団に所属している舞台役者なので、接客には自信を持っている」
というアピールで押し切ったところ、
向こうから「是非働いて欲しい!」との返事をもらうことができました。

まー、実際は、
ただ単に即戦力が欲しかっただけかもしれません(笑)

さて、無事に採用が決まったところで、
さっそく研修が始まりました。

希望通り夜勤での採用でしたが、
研修は昼間、店長の居るときに行います。
(まー、これは、どこもそうだよね)

そのチェーン店の経験者でも、
「その店舗ごとのルール」
というのがあるので、研修は必須なのです。

ひと通り研修を終え、ボクが思ったのは――

「やっぱり、大手チェーン店は働きやすい!」

ということ(笑)

初めて触ったときは当たり前だった「レジのシステム」が、
こんなに使いやすかったなんて!

と、感動しました(笑)

やっぱり人間、比較対象がないと、
それが良いのか悪いのか判断できないものですね〜。

しかも、
仕事内容は遥かに軽く、時給も高い!

いや、これもこのくらいが普通で、
前のコンビニが異常なだけだったのだけれど(笑)

これは良い職場に巡り会えたものだと、
天のお導きに感謝したものでした。

そう……

このときまでは。



少しずつ、

「あれ? ここもヤバいんじゃあ……?」

と、思い始めたのは、
初めて夜勤のシフトに入ったとき。

ひと通りの研修は終えたものの、夜勤の時間帯で働くのは初めてなので、
新人には教育係的な人がつくのですが……

ボクの教育係りとして、その日紹介されたのは――

「チィーっす! ヨロシクお願いしまーっス☆」

ビックリするぐらいのギャル男だったのです。

「ギャル男」と聞くと、

今の時代だと、
お笑い芸人の「EXIT」のようなキャラを想像するかもしれません。

ちょっと昔だと、
オリラジの藤森さんを想像する人も多いんじゃないでしょうか。

でも、
これはそれよりも、もっと昔の話。

ボクの目の前に現れたのは、
ガングロヤマンバのギャル男だったのです。

いや、正直、
このタイプの「ギャル男」が流行ったのは、もっと前の時代ですよ?(笑)

だからこそ、ボクは2重の衝撃を受けたのでした。

「うわー! ヤバそうなのがキター!」

という衝撃と、

「うわー! 絶滅したと思ったら、ここに居たんだー!」

という、2重の衝撃です(笑)

これは、また一筋縄ではいかないぞ、
と、気合を入れるボクでしたが――

しかし、意外や意外、

この「ギャル男」
めちゃめちゃ仕事ができる男でした。

品出しは、素早く丁寧!
接客するときは、めちゃめちゃ良い笑顔!

「菊池さん! モップはこう使った方がキレイに床が拭けるんスよ!」

教え方もすごく上手!

「あ、オレ品出ししながらレジ見とくんで、休憩しててください!」

同僚にも、めっちゃ優しいーー!

いや、正直、
ギャップにやられたところも、あるにはありますけど(笑)

伊達に新人の教育を任されてはいない、ということですね!

「え? 菊池さん◯◯年生まれっスか? タメじゃないッスか〜!」

と、衝撃の事実も判明し(笑)

前のコンビニで、コミュニケーションに飢えていたこともあり、
ボクたちは急速に仲良くなったのでした。



ボクが晴れて「新人」を卒業し、
シフトの正規の人数として数えられるようになると、
ボクとギャル男と、もうひとりで組むことが多くなりました。

そのもうひとりは、
坊主で恰幅が良く、お笑い芸人の「三瓶さん」に似ていたので、
仮に「サンペーさん」としますが(笑)

このサンペーさんも、めちゃめちゃ仕事ができるタイプ。

レジ打ちがあまり好きではないそうで、ギャル男ほどの愛想はないのですが、
品出し業務になると、鬼神のごとき速さを発揮します(笑)

まあ、だからこそ、
経験の浅いボクとこの2人が組むことになったのでしょうが、
仕事はかなりラクでしたね〜。

ついつい前のコンビニと比べてしまうけれど、
もう天国と地獄ほどの差です(笑)

さて、ボクとギャル男とサンペーさん。

全くタイプの違う3人が揃ったワケなのですが、
ある日、ボクがこのコンビニで働いていた期間の中で、
一番と言っても差し支えないほどの事件が起こります。

それが、今回のタイトルにもある、
「ありがたいコンビニ」事件でした。

ということで、
ここまでが前置きです(笑)

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