三角靭帯の解剖
本日は三角靭帯の解剖についてです.
◎この記事の要点
・三角靭帯は前脛距部,脛舟部,脛踵部,後脛距部に分けられる.
・三角靭帯の強度は強靭ゆえに靭帯損傷よりも内果の裂離骨折の形態をとることが多い.
・三角靭帯のなかで最も強靭な靭帯は脛踵部であり,脛踵部の損傷後は靭帯の伸長(Elongation)により外反扁平足が続発する場合がある.
◎はじめに
足関節捻挫の合併症として,三角靭帯損傷が挙げられます.
脛腓間の不安定性には遠位脛腓靭帯のみならず,三角靭帯が関与すると
報告されています.
三角靭帯は
1.脛舟部:内果の前方より舟状骨粗面のやや上方に付着する.
3.脛踵部:内果の遠位より載距突起に付着する.脛舟部の一部を覆う.
4.後脛距部:内果後方から距骨後突起の内側結節に付着する.
※上記の図には記載されていませんが,前脛距部を合わせて三角靭帯と呼ばれています.前脛距部は脛舟部の深層に位置するため,体表から観察できないため記載されていません.
◎機能
足関節底屈にて緊張:前脛距部,脛舟部
足関節背屈にて緊張:後脛距部
足関節底屈・背屈ともに緊張:脛踵部 距骨下関節回内のPrimary Stabilizer.
◎解剖学的特徴
☑︎三角靭帯損傷は一般的には足関節の回内強制にて発症するが,靭帯の強靭さゆえに単独損傷は稀であり,内果の裂離骨折の形態をとることが多い.
(林 典雄 ほか:運動療法のための機能解剖学的触診技術 改訂第2版.MEDICAL VIEW社.2012)
☑︎三角靭帯のなかで最も強靭なのは,脛踵部であり荷重による踵骨の外反強制に抗する上で重要な靭帯である.脛踵部の損傷後は靭帯の伸長(Elongation)により,
外反扁平足が続発する場合がある.
(林 典雄 ほか:運動療法のための機能解剖学的触診技術 改訂第2版.MEDICAL VIEW社.2012)
以上になります.最後までご覧いただきありがとうございました.
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