変形性股関節症に関する知見

本日は股関節OAに関する知見を記載していきます.

◎はじめに

☑︎股関節OAにおける関節可動域制限は相関を認め,特に股関節屈曲可動域制限が,股関節OAの診断における一貫した特徴である.
(Altman R et al:The American College of Rheumatology cri- teria for the classification and reporting of osteoarthritis of the hip. Arthritis Rheum 1991;34:505–14.)

☑︎股関節包の病理学的変化における関節液貯留は,股関節内圧の上昇により疼痛を惹起する.
(Wingstrand H et al:Biomechanics of the hip joint capsule: a mathematical model and clinical implications. Clin Biomech (Bristol, Avon) 1997;12:273–80.)

☑︎OAが進行すると,股関節包は線維化し,短縮を伴い,伸張性を失う.
(Lloyd-Roberts GC et al:The role of capsular changes in osteoar- thritis of the hip joint. J Bone Joint Surg Br 1953;35B:627– 42.)

以上の知見から,股関節OAが進行すると関節包の線維化による可動域制限が生じうることが示唆されます.なかでも股関節屈曲の可動域制限が生じやすいとされています.

◎股関節屈曲可動域制限について

YONG-HAO PUA et al:Hip Flexion Range of Motion and Physical Function in Hip Osteoarthritis :Mediating Effcts of Hip Extensor Strength and Pain.Arthritis&Rheumatism.2009より引用

☑︎股関節屈曲可動域と身体機能に正の相関が認められた.

☑︎股関節屈曲可動域と股関節伸展筋力に正の相関が認められた.

日常生活において,座位姿勢やしゃがみ込みなど,股関節の屈曲可動域が必要とされる場面は多いです.股関節屈曲可動域制限が日常生活動作の制限や身体機能に影響を与えるため,セラピストとしては着目すべき可動域のひとつかと考えています.

以上になります.最後までご覧いただきありがとうございました.

※論文を読んだ上での個人的な見解を多分に含んでいます.詳細が気になる方は是非論文を読んで理解を深めて頂ければと思います.