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前十字靱帯損傷のRisk factor〜性差〜

本日は,前十字靭帯損傷のRisk factorについての記事を書こうと思います.
今回は性差に着目します.


◎はじめに

☑︎女性は,男性に比較してACL損傷リスクが3倍である.
(Kevin Rodriguez et al:Anterior Cruciate Ligament Injury: Conservative Versus Surgical Treatment.Cureus 13.2021より)

☑︎スポーツ活動において,女性選手の方が男性選手に比較して多い.
(Bassam Moses et al:Systematic Review: Annual Incidence of ACL Injury and Surgery in Various Populations.Research in Sports Medicine, 20:157–179, 2012より)

以下は以前のnote記事より抜粋.
スポーツ障害の性差
<男性>
1.外側半月板損傷(n=215)
2.前十字靱帯損傷(n=159)
3.内側半月板損傷(n=136)
女性
1.前十字靱帯損傷(n=204)
2.外側半月板損傷(n=152)
3.内側半月板損傷(n=94) の順に多かった.
(萩野 哲男 ほか:外来統計からみた小児のスポーツ傷害患者の検討.日小整会誌.30(1):25-29,2021より引用)

以上より,前十字靱帯損傷は女性に多いスポーツ障害であることが分かります.


◎外的要因と内的要因

ACL損傷のRisk factorとして,外的要因と内的要因に分けられるとしています.
○外的要因:Cutting動作,減速動作,ターンなどの動作特性によるもの
○内的要因:解剖学的構造の性差,ハムストリングスの柔軟性,足関節の過回内,
                   性ホルモンの影響,筋力
などが報告されています.
(Karen M. Sutton et al:Anterior cruciate ligament rupture: differences between males and females.Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons.2013,21:41-50より)

この要因のなかで性差が関与しそうなのは,解剖学的構造の性差,性ホルモン,筋力かと個人的には考えます.

次回の記事は,なぜ女性にACL損傷が多いのかを記載しようと思います.
本日の記事は以上になります.最後まで読んでいただきありがとうございました.
リクエストや質問等お受けしております.

※論文を読んだ上での個人的な見解を多分に含んでいます.
興味のある方は是非論文をお読みいただき,理解を深めて頂ければと思います.

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