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ナンパしてくる外国人って何を考えているんだ

海外旅行で外国人にナンパされたことのある女性は多いと思う。

私は外国人に声をかけられるのは好きだ。動機は何であれ、人と会話するのは楽しいし、その会話や出会いを通じて、自分とはまったく違う国で生まれ育った人の人生を垣間見ることができるからだ。

そのため、来るものは拒まずの精神でいろいろな国の人とコミュニケーションを重ねてきたのだが、私の価値観では理解しかねる展開を迎えたものも多い。

なんで会ったばかりの人と一緒にお茶をして楽しめると思えるんだ?なんで5分に一回How are youとメッセージを送ることが失礼だと思わないんだ?なんで10分程度会話しただけの人にYou're so sweetって言いたくなるんだ?なんでどうみてもバックパッカーの旅行者にまた会えると思えるんだ?

まったく理解できない。

あまりに理解できないので、私は、なぜ海外でナンパされることが多いのか徹底的に考えることにした。

はじめに

まず前提条件としてナンパの定義を決める。ナンパとは、(私の恋愛対象である)男性が声をかけてきて、その場で、または後日に、また一緒に過ごすことを提案される行為である。

具体的なイメージを持ってもらうために、自分の経験したナンパをいくつか紹介しようと思う。

①ドバイのインド人事件

ドバイを一人で旅行していたときの話だ。ドバイモールに行きたかったのだが、どの電車に乗ればよいのか分からなかったので、近くにいた男性に質問した。すると、彼は私と同じく方向に向かっているから、ドバイモールまで連れて行ってあげるよ、と提案してくれた。

彼はインドからドバイに出てきた、いわゆる出稼ぎ労働者だった。

ドバイモールに無事到着しお別れかと思いきや、モールを案内してあげるよ、と彼は言い出した。彼は仕事に向かうために電車に乗っていたのだが、なんと、適当な理由をつけてボスをだまして、私と回る時間を作ったのだ。ちなみに電話でカズンと連呼していたので、「親戚が来ている」みたいな嘘を言っていたのだと思う。

モールの中では犯罪を犯しようが無いだろうと考え、おとなしく案内してもらった。時折混じる不穏なボディタッチを耐えつつも、モールの観光が終わり、彼は(やっと)仕事へ。私は次の観光地へと向かった。

このとき、私たちは一つの約束をした。彼の仕事が終わったら再会して、一緒に海に行こう。そのあとホテルでゆっくりおしゃべりしよう。だから4時くらいに連絡して。とのことだった。

内心、海!?ホテル!?はぁ!?きも!と思っていたがOK, OKとごまかして、苦笑いで彼を仕事へ送り出した。その後連絡を取らなかったことは言うまでもない。

しかし彼と別れてからもひっきりなしにテキストメッセージと電話が入り、その夜はまったく快眠できなかった。

②モロッコ人タクシードライバー事件

これは私にとっては悲しい話だ。

今年の夏、友達と4人でモロッコを訪ねた。そのときに、丸一日タクシードライバーを勤めてくれた男性と仲良くなった。お互いの近況報告ができるようにSNSを交換した。

連絡は1週間に一回くらいのペースで来た。いつもHow are you?と質問してきた。私がGood.と返して終了。これの繰り返しだった。もうおそらく二度と再会しない人間が元気にしているか、こんなにも高い頻度で気になるものなのか。私にはとても不可解だった。

今考えると、ナンパしてきた男性は全員頻繁にHow are you?と聞いてきていた。おそらく、How are youは「やっほ~」くらいの挨拶に過ぎなくて、彼らはそこから会話がはじまることを期待していたのかな、と思う。

そんなある日、このタクシードライバーからセクハラまがいのメッセージが送られてきた。私は純粋にモロッコ人の友達ができたことがうれしくて彼とSNSを交換したのに、意図が異なっていたことを知り、大変悲しく思った。

これ以降彼との連絡は断ち切った。

③韓国の空港でアフリカ人ミュージシャンにナンパされた事件

友達と数人で韓国旅行に行ったときの話である。入国審査の列に並んでいると、後にいた黒人男性に話しかけられた。彼は英語が書けないので、入国用の書類を書いてくれないかという依頼だった。

書類の記入を手伝ってあげながら、彼はフランス語を混ぜながら自分の身の上を話してくれた。アフリカ音楽のミュージシャンとして韓国で活動しているらしい。安定して仕事は入っているようで、きらびやかなインスタグラムのページを見せてくれた。

せっかくの出会いなのでSNSを交換。アフリカンミュージシャンの知り合いは始めてだ。そして連絡が来た。出だしは、恒例のHow are you?さらに、今夜一緒に会わない?と誘ってきた。英語でも会話ができないのに会ってどうするんだ?どう考えても友達といるだろって思わないのか?当然断る。

私が日本に帰って以降も時折How are youが来るのだった。

さて、本題に戻る。自分の経験を振り返ってみて顕著なのは、イスラーム教またはヒンドゥー教を文化のバックグラウンドに持つような国や人のみからアプローチされているということだ。

他の文化圏ではアプローチされないか、されても私の定義した「ナンパ」程にはいたらないのである。

偏見が入っていることは認めるが、私はイスラム教やヒンドゥー教の文化が男性たちの行動に影響を及ぼしていると考えた。そこで、これらの宗教に基づく文化が男性たちの恋愛観をどう形作るのか、私の解釈を記す。

彼らが私(日本人女性と一般化する)をナンパする理由は、男性側に2つの理由、そして私側に2つの理由があると思う。

①彼らは恋愛に不慣れであるから

調べてみると、イスラーム教においてもヒンドゥー教においても、男性と女性は隔離されて育てられる文化だということが分かった。

実際旅行していてもそれは感じた。モロッコではカフェの店員も客も男性ばかりだったり。ドバイでは電車に女性専用車両があり、女性は大半がそこに乗っていた。日本と同じ感覚で普通の車両に乗った私は、車両で唯一の女性となり、奇異の目で見られた。

結婚前の性交渉は宗教上固く禁じられていたり、出版物における恋愛表現にも規制が設けられていたりと、かなり性や恋愛にたいして抑圧的な文化なようだ。実際、ドバイでは結婚前に性交渉を行った外国人が法律違反として刑罰をくらっている。

そのような場所で育った彼らは恋愛に不慣れであるがゆえに小さなきっかけで恋愛感情を抱きやすかったり、出会って間もない人を恋愛対象にできてしまうのではないだろうか。

②恋愛表現の価値観が異なる

インド映画について調べていたら、このような記事を見つけた。

「インドは何かと濃い国。映画の中でも、主人公にひとたび“好きかも”と思った子ができると、天を仰いで小鳥と戯れたり、花畑を転がりまわったり、片膝ついて絶望したり、素手でコンクリートをパンチしたりと、舞い上がり方や落ち込み方が半端ではありません。
お目当ての女の子の座っていたイスに頬ずりしたり、彼女の通ったあとの風を嗅いだり、電信柱の影に隠れて彼女の跡を追ったり、100回ミスコールしたり、彼女の連絡先をどこかから盗んだり……。

メディアが人の価値観に与える影響は大きい。日本人の私からしたらあまりに激しくて後ずさりしたくなるような愛情表現も、インド映画のような表現が受け入れられる国・文化だと常識的な範囲での表現なのかもしれない。

加えて、彼らが恋愛下手で、相手のペースに合わせたり、駆け引きをしたりする力がないことも、拍車をかけているのだと思う。

③私の愛想が良すぎる

イスラム圏、ヒンドゥー圏の男女関係について調べる中で、これらの文化圏の女性たちは、見知らぬ男性に対してかなり強い警戒心を抱いていることが分かった。

どうやらイスラム圏の女性は家族以外の男性とは極力接点を持たないし、その他の男性には話しかけられても冷たくあしらうのだそう。

そのような女性に囲まれて日々すごしていると、礼儀正しくて人懐こい日本人女性がSweetに見えてしまうのかもしれない。

④日本人は魅力的に見える

アジアやアフリカのイスラーム圏においては、日本人は「お金持ち」というイメージをもたれているらしい。この人と仲良くしたら自分もお金持ちな経験ができるかもしれない、と考えてアプローチする男性もいるのかもしれない。かわいそうに、私はマルタ島で食費一週間1000円で生活している貧乏学生なのに・・・。

また、イスラーム圏、ヒンドゥー圏の「美」の価値観についても調べていた。分かったのは、これらの文化圏でも日本同様、色白であることを美しいととらえているということだ。

例えばミス・インディアいおいては出場者が全員が色白で、つややかな黒髪をしていることが話題になっていた。

色白。黒髪。寄寓にも日本人に当てはまる。だから、日本人の見た目を好意的に感じる人が多いのかもしれない。

最後に

これらの解釈は私が経験した数少ない症例を参考に、自分なりに納得できる論理を組み立てただけである。例外もあるだろうし、正しいとも限らない。このように人を枠に当てはめて一般化して語るのを疑問に思う人もいるかもしれない。

でも、私自身が納得できたので、今日はこれでおしまいにする。

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