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『峨眉山月歌』李白より『白髪山蛙歌』

今月は、はじめて七言に挑戦したいと思います。
いろいろ心境の変化もあって、中国語の勉強をここ最近全くしていません。
しかし、漢詩に憧れてはじめたことなので、こちらだけは月いちで続けられるだけ、続けたいと思います。

『峨眉山月歌』李白

【原文】
峨眉山月半輪秋
影入平羌江水流
夜発清溪向三峡
思君不見下渝州

【書き下し文】
峨眉山月 半輪の秋
影は 平羌江の水に入りて流る
夜 清溪を発して 三峡に向かう
君を思えど見えず 渝州に下る

【現代語訳】
峨眉山の上に見える秋の月は半月
月の光が平羌江の水に映って流れる
夜清溪から船出して三峡に向かう
君を思っても君は見えず 船は渝州に下っていく

『白髪山蛙歌』猫様とごはん


【原文】
白髪山引雲雨愁
昼白月曇水無流
白朝雨騒然蛙多
思国不見覆蛙臭

【書き下し文】
白髪山に雲が長く引き雨を愁う
昼の白き月が曇り水無し川が流れる
白き朝に雨で騒然とする蛙多し
国思えど見えず蛙臭が覆う

【現代語訳】
白髪という名のついた山に雲が長く引き、雨の季節の訪れを愁う
昼の白い月が普段は清流の川の流れに映らず水無しという名の川すら増水して水が多く流れている
雨で視界の悪い白い朝にカエルが騒然と鳴いている
(そのカエルの姿が民衆の姿で月と白髪の山が年老いて国を統べる者の姿であるとすれば)
国を思っても雨で煙ったように国の姿が判然とせず、雨で集ったカエルのように鳴き声を上げる民にも何かきな臭いものが漂い、その臭さがこの国の見通しをより暗くするように覆っている


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