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ジェットコースターより

ジェットコースターよりスカイダイビングで死にたい。
事故のニュースを聞くたびに思う。

ジェットコースターに乗るのが子ども頃は嫌だった。怖いから嫌はもちろんだが、ジェットコースターで死んでニュースになりたくないと子どもながらに思ったのだ。

修学旅行とか部活のお疲れ様会とか行事で遊園地に行くたびにジェットコースターは断った。しつこく誘われたのは一回だけで、他はまあ付き合いで誘ったけど乗らないだろうなと思われたか、すぐに引いてくれた。

しかし、私は親と一緒だとジェットコースターに乗った。弟は身長が足りなくて、父は怖がり、母は身体が弱く、自分だけ乗れますよというのはなんだか嬉しかったのだ。

とはいえ、家族だけで遊園地に行ったのは数えるほどしかない。

その数回ではジェットコースターに必ず乗った。記憶に残っているのは福岡県の北九州市にあったスペースワールドのジェットコースターだ。

タイタンだっただろうか。名前が定かではないが、当時世界で一番スピードが出るというジェットコースターを謳っていた。かれこれ20年前以上だ。

私が一人でそれに乗りたくなったのは身長がたりていたことと(私は今でも150センチしかなく、150センチか140センチ以上必要なジェットコースターが当時多かったような印象がある)、そのコースターに命の危険を感じなかったからだった。

後にも先にも一日に二回もジェットコースターに乗ったのはそれだけである。そもそも絶叫系のジェットコースターに乗ったのかそれが最後だ。

そのジェットコースターはくるんと回る回転部分がなかった。そのために加速が付いたのだろう。

ジェットコースターにはお決まりの最初にどんどんせり上がっていってストンと落ちて加速する、その山が何度も来るタイプのものだった。

ただくるんと回転する部分がない。
最初は1人で目をつぶって乗り、次に弟と父と一緒に乗った覚えがある。
得意げに目をつぶって乗れば怖くないなどといったが、最初に目をつぶってみたが、見えない方が怖かったと言われた。
私も実際そうして見えない方が強かったなと思ったが、弟に言い負かされるのは好きじゃなかったので自分の発言を取り消すことはしなかった。

回転部分があると、逆さまになってそのまま止まってしまったら、死んでしまうことがある。振り落とされなくても、頭に血が上って死んでしまうなんて嫌だと思った。
激昂して血管が切れて死んでしまうより嫌だった。

なんでそういう考えに至ったかわからないが、今私の感覚が変わったか確かめる術は無い。独身だし、もう一生遊園地に行く事はないと思う行っても絶叫系のジェットコースターには乗らない。

お化け屋敷も好きではない。大人として、遊園地より水族館や動物園に行きたい。夫婦やカップルばっかりでも気にしない。
ただ、あのジェットコースターがなくなったと思うと、もう一度乗りたかったと思うから不思議だ。

なんで、1月にジェットコースターのことを思い出したのだろう。
正月休みに寒い最中ジェットコースターに乗る人たちがいるんだろうなと思ったのだろうか。

人は、なぜジェットコースターに乗るのだろうか。スカイダイビングなら鳥のように空を飛びたいという目的があるような気がするから、それで死んでも構わない。
凧揚げでもいい。
宇宙飛行士は窒息しそうだから嫌だ。

でも、やっぱりジェットコースターが1番嫌なのに、遊園地と言ったら、怖かったジェットコースターが1番思い出に残るから不思議だ。

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