我が家の庭の風景 part.68
ヘリクリサムと呼んでみたかった。
ヘリクリサム、ヘリクリサム。
何だか魔法の呪文みたいで響きがいい。
どこの国で名付けられた植物か知らないが、このまま知らなくていい。
もしも不吉だったり、下品な意味だったりしたら、がっかりしてしまう。
ヘリクリサムを手に入れた。代表的な品種なのかわからないが、葉っぱに小さな白い毛が生えていて、もこもこしてかわいい。
白い花が似合いそうな葉っぱの色と枝ぶりだが、ネットで見たのは黄色い花だったから、黄色い花が咲くのかもしれない。
買った苗に花芽はまだついていない。
一緒にピンクの葉っぱの植物と斑入りのツタ、ローズゼラニウムを一苗ずつ買った。買ったときに名前を確認しそびれて、一つ名前がわからない。
名前も知らないのに斑入りの葉っぱを買っただけで、ガーデニングする人の仲間入りをした気分だ。
日本人は白や黄色の斑入りの葉っぱが好きらしい。
寄せ植えしたり、花壇を作るときに斑入りの葉っぱが一つあるとそれだけでおしゃれに見えるそうだ。
そんな簡単なものではないと思うが、斑入りの葉っぱは確かに魅力的だ。三毛猫の模様のように唯一無二という気がする。規則性のない模様の入り方には生々流転、生きとし生けるもののその命の儚さと不確かさを表しているようである。
まだら模様の植物たちに癒される。たとえ花が咲かずとも。
ギボウシが欲しいと思ったが、値段で怖気づいてしまった。
ギボウシも斑入りがある大きな葉っぱが庭に風情を添えてくれる植物だ。飲食店やホテルの玄関先によく植えてあるイメージがある。
葉っぱだけで落ち着いた高級感を与えてくれる植物なのだろう。
私には縁がなさそうだ。
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