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【九州の秘境】椎葉村の紅葉が見頃です


昨日は祝日なので、出かけないようにしようと前日から家族で言っていました。

ところが、それを忘れて郵便局に母達が用事があるというので、出かけたがっていた飼い猫と一緒についていきました。ハーネスやおやつやらはいつも車に常備しています。

けれども、「今度から猫のごはんも乗せておかなきゃね」という事態になってしまいました。

朝の10時過ぎに出かけて、家に帰りついたのは、夜の9時前でした。

なぜそんなことになったのか、ちょっと怖いお話をしたいと思います。

1.本当に怖い猫寺の話

出かけ先で用事がなくなったものの、天気も良いしちょっとどっかを見学しに行こうと言う話になりました。

そこで、話題になったのが地元の球磨郡地域にある猫寺です。

猫がいる寺なら、「猫を連れていってはいけないんじゃないの」と言って気が乗りませんでした。しかし、そういう寺ではありませんでした。

結構、新しめの猫の銅像です。これはこの寺のいわれに関係する玉垂という猫を模したものです。

生善寺、通称猫寺にはこんな伝説があります。

「天正十年(1512年)、相良藩(当時その地域を治めていた)への謀反を企てているという嘘の訴えにより、湯山佐渡守宗昌とその弟で普門寺の盛誉法印が殺されることになりました。その話を聞いた宗昌は日向へ逃げましたが、寺に残った法印は殺され、寺も焼かれてしまいます。

無実の罪でわが子を殺された法印の母、玖月善女は愛猫の玉垂を連れて市房神社に参詣し、自分の指をかみ切ってその血を神像に塗り付け、玉垂にも舐めさせて、末代までも怨霊になってたたるように言い含めて身を投げて死んでしまいました。

以来、相良藩では猫の怨霊や美女が夜叉に化けるという奇々怪々なことが次々と起こるようになりました。藩では、霊を鎮めるために普門寺の跡に生善院という寺を建てました。」

寺の焼き討ちというと信長の比叡山の焼き討ちを思い出しますが、それは1571年。それよりも、何十年も前に起こっているので、寺の焼き討ちと言う手段はもしかしたら、権力争いの中で、小藩では当時結構あったのかもしれませんね。

現在の本堂も観音堂もその当時建てられたものです。500年以上になるんですね。観音堂の方は、法印の命日である三月十六日(旧暦のひな祭りとお寺の方に説明されました)にお祭りがあり、その時にだけみられるそうです。

この猫の写真も、すごくたたりそうですよね!市房神社に参詣するようなことも立て看板に説明が書かれていましたが、お祭りに行ったことがないので、よく知りません。市房神社も物心つかない子どもの頃にしか行ったことがないので、記憶の彼方です。

ただ、ひな祭りについては、郡部をあげて結構毎年盛大にやっています。以前にもnoteで何かに書いた気がしますが、市房山は標高が1721mもあってなかなかに急峻で、地元の人より登山好きな人が冬に樹氷を見に訪れるようなところです。

しかし、一方で、ダム湖があって、その周辺は1万本の桜が植えられてちょっとした観光地にもなっています。ツーリングに来る人も多いです。ですから、春というのは球磨地方では一番観光のシーズンなのです。

コロナや豪雨被害もあって、ここ2年はひな祭りも自粛されているところが多かったですが、来年以降は少しずつ解禁され、ひな人形があちこちに飾られて、名物のひな御前が食べられるようになるかもしれません。

2.市房山を抜けて紅葉狩りの旅に出よう!

前述した通り、市房山は観光名所です。しかし、登山して神社やその上に行こうとするとハイキングなんてとんでもない、過酷な旅になってしまいます。虚弱な私たちには考えられません。

とりあえず、ダム湖に行きましたが、みんな何度も訪れているので、正直見飽きています。有料の噴水などもあるのですが、しませんでした。

キャンプ場やその近くに公園があって、そこで猫とお散歩しようとしたのですが、あいにくと結構人がいました。吊り橋のそばの広場には人がいなかったので、そのあたりで少しだけのんびりと過ごしました。ただ、ごみが落ちていて(ゴミ箱は立派なのが近くにある)、なんとなく消化不良な気分でした。トング?みたいな挟むやつを持っていたら、拾ったんですけど、コロナ禍なので、うかつにゴミも触れません。 

猫寺の立て看板で見た日向の方に行ってみようとみんなで思いついたのが運のつきでした。

3.球磨郡から日向に抜けるルートはとても美しいがとても危険

猫寺のあった湯前町から水上村はそう遠くありません。私は市房ダムをつい湯前の方角と言ってしまうのですが、以前ヤフコメにそう書いたら(ちなみにやっとヤフコメは卒業してみなくなりました)、地元民じゃないやつめが!とお叱りをうけました。

地元民なんですけど、水上村というのは意識から遠いんですよ。水上村には、前述したように市房ダムがあります。標高が九州で何番目かに高い山ですから相当山深いところなわけです。地元の高校では、湯前町から来ている友達がいましたが、それでも、電車などで片道2時間とか通学にかかると言っていました。急行なんてもちろんないですからね。各駅停車で遅いんです。水上村はもっと遠いわけですが、いわゆるダム村でそれにかかわる人たちが住んでいます。もちろん昔からの住民もいらっしゃると思うのですが、山の中に立派な道路があって、よくわからない企業の看板が立っていて、レジャー施設も地元だとかえって行かないし、そんなに親しみがないんですよ。何度も言いますが、同じ球磨郡と言っても遠いですしね。

それでいうと、水上村の隣の椎葉村はなぜ宮崎県なのか?と思うくらい水上村と山続きなんですが、県境についてそもそも長く議論があったみたいです。

「和解」というこの石碑は、かの有名な東国原英夫さんが宮崎県知事だった時に県境がやっと決定して建てられたものだと、土建業に従事している父からかつて聞きました。「え?県境が決定してなかったなんて、地図はどうなってるの?」と素人は思うわけですが、そこはいろいろあるんでしょう。市房山自体が宮崎県と少しまたがっているような気がします。陸上の実業団の方が練習に来るという巨大なキャンプ施設などが山の中に突然あって、矢立高原というところがあるんですが、そのあたりがちょうど水上なのか椎葉なのかという感じなんですかね。とにかく山なので、水上も椎葉も広いんです。椎葉村のあたりは、日向に抜けるまで九州大学の演習林になっています。なんの演習をするのかは知りません。そもそも熊本大学でも宮崎大学でもなく、福岡の九州大学の演習林ですからね。いついってもずっと道が工事されていますし、その工事をしている人たちの家族の家がところどころに建てられていて、後は有名な平家落人の集落位しか人家を見ません。地元感があんまりないんですよ。山奥過ぎて。まあ、島でも山でも、ここは早稲田のとか東大のとか、九州ではない大学の所有地があちこちあったりしますから、まだ九大というのは地元感があるという人もいるのかもしれません。しかし、今どきの若者が電波の悪いこんなところに来るのかね?と思ったりもしました。椎葉村のあたりは、かつて日本で一番最後に電波が通ったと言われていました。さもありなんとは思いますが、真実かどうかは知りません。山深い地域って日本にたくさんありそうですからね。

私たちも車で走って、いつまでも山が終わらないと言う気持ちを味わいました。

とにかく延々と山。私たちは昨日、以下のルートで椎葉村の山を降りました。

雑ですみません!
上記で書いた通り、九州大学の演習林の方のルートを通ったわけです。分かりますか?ぐるりと1周しているでしょう。途中で引き返せなかったからです。引き返して同じ道を夕暮れ時に走るのが怖かったんです。

そして、車で行きながら運転手じゃない私は思ったんです。ここは、6,7年前に友達と来て、もう二度と来ないと思ったくらい、道が危なかったばしょだったって。

いや、あの頃と比べたら各段に道はよくなっていましたので、こう書くと誤解を与えますね

ガードレールがついてますし、落石は綺麗に片付けられています。毎日丁寧に巡回されているのでしょう。途中車がすれ違える場所もいたるところにありました。人家がないことからしたら、すごく道が綺麗に舗装されている方ではないでしょうか。10km進むのに1時間はかかった?ような感じはそれでもしましたけど。時速30kmとか出したら大変危険です。落ち葉や落ちている石で車がスリップするかもしれません。いや、確実にしそうです。

ノロノロ運転で紅葉を楽しむ。そんなところです。

4.九州南部の秘境の紅葉は美しい

まだ、11月の半ば過ぎまで紅葉が楽しめるのではないでしょうか。上記の地図の印の辺りが最も紅葉の美しい場所です。そこでも、まだ紅葉が全部真っ赤というほどでもなく、まだ散る前でした。日向に近づくと宮崎はまだ温かいのか、紅葉はまだ青かったです。まあ、椎葉も宮崎なんですけど。

今行くなら、10月下旬から11月上旬は鹿児島の霧島あたりは見頃でしょうね。椎葉村に比べたらはるかに道は安全だと思いますが、霧深い日はご注意ください。なんで鹿児島の霧島?と思われるかもしれませんが、地図を見てください。その辺の山は繋がっているんです。高速走っても宮崎や熊本や鹿児島を行ったり来たりするんですよ。

日向から入って対抗車線がある道くらいで引き返すなら、11月半ばすぎて下旬辺りでよいかもしれません。それでも十分楽しめます。あえて言うなら、道が過酷な球磨郡寄りの方がより山並みは美しいと思うというところです。ただし、落葉が多くなって時雨が降る頃になると道はさらに滑りやすくなっていると思うので、ぜひぜひ晴れた日をおすすめします。有名な五家荘も同じくです。

道路が舗装されているなら秘境と呼ぶには語弊があるのではと思われるかもしれませんね。しかし、落石でぼこぼこになったガードレールと祝日の紅葉シーズンにほとんど車とすれ違わない道を走れば考えは変わるのではないでしょうか。

山育ちだけど、山は美しいと思うほど、椎葉村の紅葉は美しいです。整然と紅葉だけ、赤いじゅうたんが続くとか銀杏並木を見たいと思う人には物足りないかもしれません。また、ドローンやヘリで撮影すれば杉山も目立つかもしれません。けれども、名前も知らない様々な自然の植栽が目に優しくて、私はかえって日本の真実の原風景という感じがします。そもそも杉のない山なんて日本にあまりありませんし、樹齢一体どれくらいなんだ?という幹が赤くて太い赤松もたくさんあって見事でした。

写真見てもなかなかだと思いませんか?スマホで撮ったので、プロの写真のような魅力はないかもしれませんが、山の紅葉は本当に彩りが優しいですよ。毎年行くには、ちょっと過酷すぎますが、一生に1度くらいは訪れても良いのではないでしょうか。コロナ禍のせいか今回はすれ違いませんでしたが、以前は観光バスも走っていた気がします。あんな巨大なものと細い道で出会っていたら一巻の終わりだったと思った覚えがありますから。

でも、だからこそ、渓谷の道沿いを走る醍醐味もあるんですよね。毎回2度と行くかと思うくらい疲れますが。岩石がごろごろ転がっている、沢の景色とか私は大好きです。自然な川そのものという感じがします。岩肌に落ちかかる紅葉の美しさ。あの木はなんて名前だろうと思うだけで楽しいです。電波がよくないので、ネット通信なしでつながるアプリか植物の図鑑を持って行ってください。車を停められる場所でなら調べることができるでしょう。

おまけ

九州南部は、どこの食堂もご飯が美味しいと思っています。お米は地元の米が好きですが、肉の調理が秀逸です。しかし、大盛ですか?と思うほどどこも量が多いので、注意してください。ラーメンが無難かな?と思うくらい毎回後悔します。ラーメンよりお腹にたまります。

霧島SAで頼んだ伯母の食事。

私の方。

伝わりますか?

その日、小さなドーナツ一つしか食べていない状態でなければ、きっと残していたでしょう。山に店がなくて幸いでした。

九州で食事をする人は、ハーフにするとかできますか?とお店の人に聞くのも良いかもしれません。

ちなみに夜の8時終了で7時過ぎていたせいか、私たちしか客はいませんでした。

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