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【木曜日】東と西の薬草園

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ガーデニングに関する短編小説です。Uターン者の山脈遥とIターン者の井中かわずの二人のガーデニング初心者が試行錯誤します。毎回薬草についての雑学を挟みます。
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#貸庭

東と西の薬草園 10-④

 いちごが頬を染めはじめ、恋が熟すまでもう一押しだ。進級した子どもたちが、クラスメイトに…

猫様とごはん
5か月前
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東と西の薬草園 10-③

 4月半ば。  果実町にある山の中腹の"峠道の貸庭"は今花盛りである。  駐車場から見える木…

猫様とごはん
6か月前
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東と西の薬草園 10-②

 ブームというのはどこからやってくるかわからない。  『山鳥』が発売した新商品のフルーツ…

猫様とごはん
6か月前
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フルーツフレーバーティーを贈ります⑧

*早春のイチゴ* 40歳を数年後に控えて、遥は趣味を増やした。地元に帰り庭仕事をはじめたの…

猫様とごはん
8か月前
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東と西の薬草園 9-③

晩秋に差し掛かっても、まだまだ暖かい10月下旬。バジリコやミントの生育が衰えず、種子取りと…

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東と西の薬草園:閑話休題「貸庭の栗仕事」

今年も栗の季節がやってきた。猛暑で紅葉シーズンは12月にずれ込むというのに、栗は律儀に、例…

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東と西の薬草園 9-①

峠道の貸庭もだんだんと秋らしい風景になった。赤とんぼが8月の中旬から飛び始め、夏型の大きな揚羽蝶も黒いのやら、黄色っぽいのやら全種類いるんじゃないかというくらい飛んでいる。 何より貸庭の山に情趣を加えているのが、9月にできたばかりの新しい事務所だ。80歳を過ぎた庭師の野人は一級建築士でもある。 特に凝ったデザインには見えないのに、壁の質感や屋根の形などが山の風景に似合っている。毎日事務所の前に入る度に遥は立ち止まって景色を眺め、まるで妖精の森の家に招待されたような気分に浸

東と西の薬草園⑧-3

次々と育てた花の鉢を人にあげてしまう人がいた。最初はありがたく受け取っていた人も「次のや…

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東と西の薬草園⑧-2

「最近お米を全く食べてない。本格的にハーブを和食に活用することを考えなくちゃ」 開業準備…

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東と西の薬草庭 ⑦-4

調子が悪いなと思っていても、全てが不調になるとは限らない。なんとなく体調がすっきりしない…

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