YUM(ユム)

普段は高校のしがない理科講師。 2022年8月より、高校の理科の先生の授業コンサルティ…

YUM(ユム)

普段は高校のしがない理科講師。 2022年8月より、高校の理科の先生の授業コンサルティング&自然科学の生涯学習推進を行うために、「理科教育力向上ラボ」を開業してしまいました。 https://yum-labo.com/

マガジン

  • 授業実践備忘録

    私がこれまで高校で行ってきた授業実践をもとに、授業のしかたや各単元の学びについて、薄口コメントを勝手気ままに綴って参ります。

  • angels-press

    私が現在どハマリ中のカバーバンド・angelsの活動について勝手に紹介しているマガジンです。 YouTubeでライブがあった時に、そのダイジェストと私個人がハマったところを好き勝手にダラダラ綴ってます(笑) このマガジンは教育とは全く関係ございません。 あくまでも私の道楽として紹介しているところです。 【サムネについて】 angels絡みの記事は、これまで私が撮影した写真をサムネにしていました。 ただ、どうしても著作権などが気になっていたのでangelsの皆様に問い合わせたところ、サムネとして使わせていただける画像を頂戴しました。 angelsの皆様、誠にありがとうございます。

  • 大人の科学談義

    2019年から主に名古屋市内で、一般の大人向けに自然科学の学び直しセミナー「大人の科学談義」を不定期で開催しています。 開始当初は「大人の化学教室」というテーマで、身近なことからタイムリーな話題まで、高校化学の知識と考え方で解析していくというコンセプトでした。 しかし、回を重ねていくうちに、生物・物理・地学の要素も取り込む必要があるのではと思っています。 そんなわけで、2021年5月より「大人の科学談義」としてリニューアル! そのダイジェストをこちらのマガジンでご紹介。

  • 授業小話

    高校での授業の一風景を面白おかしくお伝えします(笑)

  • 資源・エネルギー・環境教育雑記帖

    中学校・高校で行うにふさわしいエネルギー教育について考えるために、私が調べたことや勝手に思っていることをつらつらと綴って参ります。

記事一覧

【化学基礎】物質量③〜気体1molの体積〜【授業実践備忘録】

前回に引き続き、高校化学で学ぶ物質量についてまたもや投稿致します。 物質量(mol)=原子・分子・イオンを数多く集めてできた"おにぎり"を数える単位であり、1molの質…

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【化学基礎】物質量②〜1molの質量はどう量る?〜【授業実践備忘録】

久々の授業実践備忘録の投稿です。 私の勤務校では夏休み明けから、化学基礎の授業で物質量(mol)を扱っています。 そもそもmolとは何なのか? この記事をご覧になってい…

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【化学基礎】物質量①〜molは粒子を数える"おにぎり"?!〜【授業実践備忘録】

久々の授業実践備忘録の投稿です。 私の勤務校では夏休み明けから、化学基礎の授業で物質量(mol)を扱っています。 そもそもmolとは何なのか? この記事をご覧になってい…

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探究って何だろう?(1)〜私の高校時代の「探究」体験〜

2022年度から新しい学習指導要領に基づく高校教育がスタートし、「総合的な探究の時間」や「理数探究」といった「探究」という名の科目が導入されました。 私の勤務先でも…

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2週間前
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授業評価アンケートの結果をChatGPTに分析させてみた2

先日の記事の続き。 現任校で行われていた授業評価アンケートの結果が今月の初頭に返ってきたので、その結果をChatGPTに分析させてみた。 前回は私の担当する授業(1年生…

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2週間前
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【生物基礎】恒常性と体液〜ヒトの体はちくわと一緒?!〜【授業実践備忘録】

久々の授業実践備忘録の投稿です。 私の勤務校では夏休み明けから、生物基礎の授業でヒトの体内環境を扱っています。 今回は、体内環境・恒常性・体液の捉え方をテーマに、…

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1か月前
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先生の業務効率化にも活かせる?!私のAI活用術

最近、ChatGPTやCopilot、Geminiといった生成AIが話題になっています。 これらの活用はさまざまな業界で研究されており、特に多忙な学校の先生にとって、業務効率化のため…

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1か月前
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授業評価アンケートの結果をChatGPTに分析させてみた

夏休み前の1学期テストの答案返しの日、現在の勤務校で授業評価アンケートを実施。 この学校で私は1年生の5クラスを対象に生物基礎の授業を担当している。 まあ、アンケ…

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1か月前
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【生物基礎】細胞分裂はDNAの複製と染色体の分配の2段階に分かれる【授業実践備忘録】

この授業実践備忘録のブログでは、すでに遺伝子の単元についても触れてきました。 実際の授業では、体細胞分裂を最初に教え、タンパク質の合成についてはその後に取り組み…

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1か月前
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【化学基礎】原子量・分子量・式量は粒子の質量比【授業実践備忘録】

2024年7月より【授業実践備忘録】というカテゴリーをつくり、私が勤務している高校での生物基礎の授業実践について綴ってきました。 ただ、私は化学の授業も担当していま…

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1か月前
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こんな先生をサポートしたい

2022年8月に理科教育力向上ラボを開業し、2年経過しました。 その間、高校の理科の先生のサポート、一般の大人向けの学び直し講座、資源・エネルギー・環境教育の研究な…

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1か月前
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非常勤講師は学校を活性化する触媒になる?!

私は今年で教員生活20年目を迎えていますが、これまで愛知県・三重県のさまざまな私立高校・私立中高一貫校で専任教諭・常勤講師・非常勤講師を務めてきました。 現在は理…

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1か月前
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どうする?苦手なクラスの授業対応

9月に入り、どこの学校でも授業が再開されたかと思います。 この記事をご覧になっている学校の先生方におかれましては、授業はどのような雰囲気でしょうか? 夏休み明けと…

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1か月前
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【生物基礎】タンパク質合成の学習を通して自分の体のでき方を理解する【授業実践備忘録】

遺伝子は形質をつくるもとと定義されますが、言い換えれば、自分自身の体をつくる設計図となります。 それを実際の物質に置き換えると、DNAの塩基配列をもとにしてタンパク…

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1か月前
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【生物基礎】DNAを通して自分自身を知る【授業実践備忘録】

現在の高校生物の教育課程は、DNA・RNA・タンパク質といった分子から遺伝現象を分子生物学的に考察する構成となっています。 学生時代、私もDNAの構造について学びましたが…

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1か月前
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【生物基礎】遺伝の基礎をあなどるなかれ【授業実践備忘録】

中学校の理科では、メンデルのエンドウマメを題材に遺伝現象を学びます。 高校の生物基礎では、この遺伝現象を完全に理解していることを前提に、遺伝子の本体であるDNAから…

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1か月前
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【化学基礎】物質量③〜気体1molの体積〜【授業実践備忘録】

前回に引き続き、高校化学で学ぶ物質量についてまたもや投稿致します。 物質量(mol)=原子・分子・イオンを数多く集めてできた"おにぎり"を数える単位であり、1molの質量(モル質量)は原子量・分子量・式量にgをつけて示せます。 そこからさらに、気体1molの体積についてどのように扱うかについて、僭越ながら私の授業実践をご紹介致します。 アボガドロの法則と気体1molの体積パンパンに膨れたゴムのボールの中には、一定量の空気(一定の数の気体分子)が含まれています。 そのゴムボー

【化学基礎】物質量②〜1molの質量はどう量る?〜【授業実践備忘録】

久々の授業実践備忘録の投稿です。 私の勤務校では夏休み明けから、化学基礎の授業で物質量(mol)を扱っています。 そもそもmolとは何なのか? この記事をご覧になっている先生方ご自身で、高校生にわかりやすくご説明できていますか? 私もこれまで化学の授業を毎年行っていますが、molとは何かを理解できていないまま、3年生まで化学の学習を続けてきたという生徒が少なからずいます。 私自身、物質量というのは、原子・分子・イオンを数多くまとめてできた"おにぎり"のことで、molとはその"

【化学基礎】物質量①〜molは粒子を数える"おにぎり"?!〜【授業実践備忘録】

久々の授業実践備忘録の投稿です。 私の勤務校では夏休み明けから、化学基礎の授業で物質量(mol)を扱っています。 そもそもmolとは何なのか? この記事をご覧になっている先生方ご自身で、高校生にわかりやすくご説明できていますか? 私もこれまで化学の授業を毎年行っていますが、molとは何かを理解できていないまま、3年生まで化学の学習を続けてきたという生徒が少なからずいます。 私自身、物質量というのは、原子・分子・イオンを数多くまとめてできた"おにぎり"のことで、molとはその"

探究って何だろう?(1)〜私の高校時代の「探究」体験〜

2022年度から新しい学習指導要領に基づく高校教育がスタートし、「総合的な探究の時間」や「理数探究」といった「探究」という名の科目が導入されました。 私の勤務先でも、多くの先生方が「探究活動」をどう進めるか悩みつつ、試行錯誤しながら実践されています。 また、全国各地で高校教師向けの探究に関するセミナーも開催されています。 私自身もこれまでに「探究」の授業実践に関して、様々な情報を取り入れてきました。 しかし、振り返ってみると、実は高校時代にクラブ活動を通して、探究につながる

授業評価アンケートの結果をChatGPTに分析させてみた2

先日の記事の続き。 現任校で行われていた授業評価アンケートの結果が今月の初頭に返ってきたので、その結果をChatGPTに分析させてみた。 前回は私の担当する授業(1年生物基礎)を総合的に捉えた分析結果を表示したが、今回はクラスごとの結果分析を公開。 数値は好意的な回答をした割合から、そうでないと回答をした割合を差し引いて表示。 上限は100%、下限は−100%。 まずは担当している5クラスそれぞれの数値から。 この5クラスの結果を総合的に分析したら、こんな感じになった。

【生物基礎】恒常性と体液〜ヒトの体はちくわと一緒?!〜【授業実践備忘録】

久々の授業実践備忘録の投稿です。 私の勤務校では夏休み明けから、生物基礎の授業でヒトの体内環境を扱っています。 今回は、体内環境・恒常性・体液の捉え方をテーマに、授業実践についてまとめます。 対象高校1年生(1クラスあたり38〜39人) 生徒観生徒たちの学力は平均以下かもしれませんが、授業に対する姿勢は非常に前向きです。 授業中には手を挙げて積極的に発言したり、活発に話し合いを行っています。 教材教科書と自作の授業プリント(ワークシートと知識の整理を兼用) A. 体

先生の業務効率化にも活かせる?!私のAI活用術

最近、ChatGPTやCopilot、Geminiといった生成AIが話題になっています。 これらの活用はさまざまな業界で研究されており、特に多忙な学校の先生にとって、業務効率化のための強力なツールになり得ます。 しかし、私の周囲の先生方の中には、「AIは難しい」「使いこなせない」と感じている方も多く、「私はAIに使われる身だから・・・」と諦める声まで聞こえます。 それは非常にもったいないことです! 私自身もAIの活用については勉強中ですが、今回は私が実際に活用している方法と、

授業評価アンケートの結果をChatGPTに分析させてみた

夏休み前の1学期テストの答案返しの日、現在の勤務校で授業評価アンケートを実施。 この学校で私は1年生の5クラスを対象に生物基礎の授業を担当している。 まあ、アンケート評価のしかたについては職場でいろいろ指摘や批判があるのが現実。 それはともかくとして、その結果が先週手元に届いたので、画像データ化してChatGPTに分析を依頼。 「私の授業の長所と課題をあぶり出してほしい」という命令文を入力。 下がChatGPTによる分析結果の画面。 良い点1. 信頼の高さ: • 生徒からの

【生物基礎】細胞分裂はDNAの複製と染色体の分配の2段階に分かれる【授業実践備忘録】

この授業実践備忘録のブログでは、すでに遺伝子の単元についても触れてきました。 実際の授業では、体細胞分裂を最初に教え、タンパク質の合成についてはその後に取り組みましたが、都合により、体細胞分裂の授業実践の記事の投稿が遅れてしまいました。 今回はその体細胞分裂に焦点を当てて記事を綴ります。 体細胞分裂とタンパク質合成は、自分自身の体がどのように形成されるかを理解する上で、不可欠な要素です。 対象高校1年生 クラスによって25〜39人というように人数に幅があります。 生徒観生

【化学基礎】原子量・分子量・式量は粒子の質量比【授業実践備忘録】

2024年7月より【授業実践備忘録】というカテゴリーをつくり、私が勤務している高校での生物基礎の授業実践について綴ってきました。 ただ、私は化学の授業も担当していますが、「化学の授業実践は記事にしないのか?」といったご指摘をいただきました。 そこで、現在私が勤務している学校のペースに合わせ、化学基礎の内容として原子量・分子量・式量をテーマにした授業実践について皆様にご紹介致します。 対象高校1・2年生 生徒観学力は高くない生徒が多く、授業に対する積極性には個人差があります

こんな先生をサポートしたい

2022年8月に理科教育力向上ラボを開業し、2年経過しました。 その間、高校の理科の先生のサポート、一般の大人向けの学び直し講座、資源・エネルギー・環境教育の研究などさまざまな事業に取り組んできました。 ここまで続けてこられたのは、ひとえに皆様方からのお声がけと叱咤激励によるものと心得ております。 理科教育力向上ラボのメインとなる事業として「高校の理科の先生の授業力向上支援」がございます。 高校の理科は物理・化学・生物・地学という4つの分野に分かれていますが、先生方はこのう

非常勤講師は学校を活性化する触媒になる?!

私は今年で教員生活20年目を迎えていますが、これまで愛知県・三重県のさまざまな私立高校・私立中高一貫校で専任教諭・常勤講師・非常勤講師を務めてきました。 現在は理科教育力向上ラボの代表ではありますが、2つの高校で非常勤講師を掛け持ちしています。 これまでの勤務校を振り返ってみると、多くの学校では非常勤講師は「お客さん」扱いされ、毎日勤められている専任教諭・常勤講師の方からすれば一歩距離を置かれているような感じがします。 逆に、非常勤講師の方の様子を見てみると、どこか割り切って

どうする?苦手なクラスの授業対応

9月に入り、どこの学校でも授業が再開されたかと思います。 この記事をご覧になっている学校の先生方におかれましては、授業はどのような雰囲気でしょうか? 夏休み明けということで、先生も生徒さんもモチベーションを上げるのに一苦労されていませんか? さて、これまでブログをご覧になってきた方から、「YUM先生はどんなクラスでもうまく授業できてるんですか?」というご質問をいただきました。 正直に申し上げます。 私にも授業がやりにくいと思うクラスは毎年のようにあります。 思うように授

【生物基礎】タンパク質合成の学習を通して自分の体のでき方を理解する【授業実践備忘録】

遺伝子は形質をつくるもとと定義されますが、言い換えれば、自分自身の体をつくる設計図となります。 それを実際の物質に置き換えると、DNAの塩基配列をもとにしてタンパク質を合成することになります。 この単元は分子生物学を学ぶ上で必ず理解すべきところですが、高校生にとっては自分事としてとらえにくく、とっつきにくいと感じがちのようです。 そこで今回の記事では、DNAからのタンパク質合成=遺伝子の発現についての私の授業実践について紹介致します。 対象高校1年生 クラスによって25〜3

【生物基礎】DNAを通して自分自身を知る【授業実践備忘録】

現在の高校生物の教育課程は、DNA・RNA・タンパク質といった分子から遺伝現象を分子生物学的に考察する構成となっています。 学生時代、私もDNAの構造について学びましたが、当時の理解は浅く、自身とは無関係のように感じていました。 この記事を読む先生方の中にも、生徒たちが同じように感じているかもしれませんね。 しかし、DNAは形質を形作る基盤、つまりは自分自身の体を形成する設計図です。 この記事では、DNAについて自分自身との関連づけを促す私の授業方法を共有致します。 導入生

【生物基礎】遺伝の基礎をあなどるなかれ【授業実践備忘録】

中学校の理科では、メンデルのエンドウマメを題材に遺伝現象を学びます。 高校の生物基礎では、この遺伝現象を完全に理解していることを前提に、遺伝子の本体であるDNAから形質のもととなるタンパク質が作られる過程を学びます。 しかし、実際には中学校で学ぶメンデル遺伝を十分に理解していないまま高校の生物基礎に進み、ますます混乱する生徒が多いのが現状です。 そこで、私が高校の生物基礎の授業で遺伝子について扱う際には、中学校で学んだメンデル遺伝の復習に力を入れています。 対象高校1年生