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私が恋した人たちは

偏愛遍歴

昔からアイドルやジャニーズにはあまり興味がなかった。
1994年、ジャニーズでSMAPがブレイクした頃。「夢がMORIMORI」でマイクを握って軽快に喋る男性に恋をした。赤坂泰彦。
SMAPではなく赤坂泰彦を見るために「夢がMORIMORI」を見続けた。「THE夜もヒッパレ」を、流行りの歌ではなく進行役を見るために欠かさず見た。
生まれて初めて買ったアイドル雑誌(ポポロだったか)には、赤坂泰彦の特集が掲載されていた。
生まれて初めてラジオを聴くようになったのは「赤坂泰彦のMillion Nights」。夜中に届く楽しそうな声。

1996年、ロングバケーションを一度も見ないくらいにはドラマに興味がなかった。理由は覚えていないが「コーチ」を見始めた。ストーリーは面白かったのか恋フィルターかかってたのかわからないけど、毎週欠かさず見た。浅野温子と玉置浩二のドラマ。玉置浩二に恋をした。録画して親のいない時に彼のシーンだけ何度も再生した。VHSだからちょうど良いとこに戻すの手間なんだけど。浅野温子に本気で嫉妬した。
安全地帯は知らなかったけれど玉置浩二のアルバムを買った。ドラマの無邪気な感じと歌声の色気のギャップ。

2016年、好きだった「空飛ぶ広報室」の脚本家野木亜紀子のドラマが始まった。ガッキーの隣にいる男性は誰?という状態で「逃げるは恥だが役に立つ」を見始めた。
平匡さんを好きになったが、役が好きなのであって星野源が好きな訳ではない、と思い込もうとしたけど無理だった。星野源に恋をした。
平匡と同じでまじめなところは変わらないけど、ラジオで聞く素の星野源は見た目どおりのさわやか青年ではなく闇も抱えていて、そのギャップに惹きつけられた。精神的に参っていた時期も、星野源の曲や声に何度もすくい上げてもらった。

2024年、ぼんやり見ていたYouTubeに「何かのミスで魔法少女に選ばれたおっさん」が出てきて何となく見た。ふだんあまりYouTubeを見ないがこの時期は都知事選で、候補者の動画を見るためにYouTubeに触れる時間が増えていた。
たびたびおすすめに上がるジェラードン。マッシュルダンスを踊る陰キャ少年、キモい男性たちによる恋愛ゲーム。キレキレのダンスを一心不乱に踊る三つ編みの男性。ん?キモいと思ってたけどダンスうまくない?カッコよくない?え、低音ボイスの歌やばくない?かみちぃに恋をした。

コントは面白くて、多芸で、食べ方や動きに品があって、落ち着く声。

本気で好きになった芸能人を思い出してたらある共通点に気づいた。声が良い人。そうねそれは重要な要素で前から自覚もある。
あとは、年齢。みんな35歳。今日まで年齢のことなんて気にしたこともなかった。
かみちぃを好きになったのは36歳だから違うか…て思ったけど私が落ちた動画は2021年、35歳のときのだった。

約30年もの間、私は変わらず35歳の人を好きになっていた。私は30年も年を取ったのに。次に恋する35歳は何年後に出会うだろうか。

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