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【News! AIRS-Lab #114】 細菌の研究が知能の本質を解明?、ライブ講義の休講(12/25、1/1、1/8)、AIアートなど

皆様メリークリスマス!我妻です。

Udemyコース「GitHub Copilotを学ぼう! -生成AIで実現する楽しく生産的なコーディング-」、お陰様で無事リリースすることができました。


今回は、12/25(月)、1/1(月)、1/8(月)のライブ講義が休講であること、今週のAIニュース、制作したAIアート、Udemyコースの一部無料公開などについてお知らせします。
なお、この配信のバックナンバーは、noteの方で公開しています。

Udemyコース一覧はこちら。


【ライブ講義の休講】

明日12/25(月)、1/1(月)、1/8(月)の21時からの講義はお休みになりますのでご注意ください。
次の講義は、1/15(月)、21時からになります。


【今週のAIニュース】

直近のAI関連の話題に、我妻がコメントします。
Twitter(@yuky_az)、およびコミュニティ内での発言をまとめたコンテンツになります。


細菌の研究が、「知能」の本質的な理解につながるかもしれません。

テキサス大学オースティン校の研究チームが、細菌が「記憶」を数世代にわたって受け継ぐメカニズムを発見しました。
この画期的な研究成果は、『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に2023年11月21日付で公開されています。

細菌は脳や神経系を持たないにも関わらず、環境からの情報を何らかの形で「記憶」として保持し、その効果を後世に伝えていることが判明しました。
研究によると、この記憶の分子的基盤は、細胞内の鉄の濃度に関連しています。

例えば、スウォーミング(群泳)を経験した細菌は、後のスウォーミング効率が向上することがわかっています。
これは、細菌が環境から得た情報を保存し、迅速にアクセスできる能力を持っていることを示唆しています。

研究チームは1万回以上の実験を行い、大腸菌が行動に関する情報を鉄を使って保存していることを発見しました。
鉄の濃度が異なると、細菌の行動も変化することが確認されています。
例えば、鉄濃度が低い細菌は群れを作りやすく、鉄濃度が高い細菌はバイオフィルムを形成しやすいという特徴があります。


GitHub Copilotの仕組みについて分かりやすく解説する記事が。

GitHub Copilotは、定型的な処理の生成や、コメントからのコード生成、単体テストの自動生成など、多様な機能を提供します。
このツールのコアとなるのは、OpenAIが提供するCodexモデルで、GitHub CopilotはこのモデルのAPIを活用してコード補完を行います。
APIの呼び出し前後に技術的な工夫が施され、より効果的なコード生成が実現されています。

Codexモデルは、GPT-3をベースに開発され、世界中の公開されたソースコードで微調整されています。こ
GitHub Copilotは、編集中のファイルの言語やファイル名、ユーザーのセッション情報、キャレットの前後のコード、開いているタブの類似コードなど、様々なコンテキスト情報を収集して利用します。

GitHub Copilotのパフォーマンスは、ユーザーとの対話結果から評価されており、受け入れ率と保持率を通じて測定されています。


AIを利用した広告が一線を超えてしまった事例。

スマートフォンや他のデバイスのマイクを通じて日常会話を収集・解析し、それに基づいた広告を表示する技術が話題となっています。
この技術は、アメリカのマーケティング企業であるCox Media Group Local Solutionsが開発したもので、公式ブログで「アクティブ・リスニング」として紹介されました(現在は削除済み)。

この技術により、例えば家庭内での「天井のカビ」や「住宅ローン」に関する会話がAIによって解析され、ユーザーに関連する広告が表示されるとされています。
しかし、この技術はプライバシーの侵害とも見なされ、法的な問題を引き起こす可能性があります。

Cox Media Group Local Solutionsは、アクティブ・リスニングがアプリの利用規約に含まれているため合法であると主張しています。
一方、Appleはこの手法がApp Storeガイドラインに明確に違反するとしています。
同ガイドラインでは、ユーザーの活動を記録する際は明示的な同意が必要とされています。


AIが生成した虚構の画像が、SNSを埋め尽くそうとしているようです。

Facebookでは、リアルな画像を生成するAIの発達により、偽アカウントや盗作コンテンツが増加しています。
2019年にはFacebookがAIによって合成されたプロフィール画像の偽アカウントを削除したことがあり、AIは以前から問題視されていました。

盗作画像にはよく「image-to-image(img2img)」技術が使用されており、オリジナルの画像を元に類似画像を生成します。
カリフォルニア大学バークレー校のハニー・ファリド教授によれば、この技術では画像ごとに異なる結果が得られ、ユーザーは新しい画像の「強さ」を設定できるとのことです。

専門家は、画像生成AIの悪用が将来的に大きな問題に発展する可能性があると警告しています。
ファリド氏は、画像が日増しにリアルになっており、現実と虚構の区別が難しくなると指摘しています。


OpenAIの騒動の背景にある、思想的な対立が朝日新聞GLOBE+にまとめられていました。

2023年11月、AI開発の先駆者であるOpenAIにおける内紛劇が注目を集めました。
この内紛劇は、OpenAIのCEOサム・アルトマンの解任と復帰、理事会の再編という出来事に端を発し、テクノロジー業界の「思想」に焦点を当てる契機となりました。

特に注目されたのは、OpenAIの内紛に関連する「EA(効果的な利他主義)」と「e/acc(効果的な加速主義)」という二つの思想です。
これらの思想は、テクノロジー業界での対立と流行に影響を与えており、特に「21世紀の優生思想」としての側面が指摘されています。

EAは、高収入を得てその一部を慈善団体に寄付することを奨励するコミュニティであり、AIの安全性に注目しています。
一方、e/accは、資本主義の加速とテクノロジーの進化を重視するネットミームで、AIの安全性を軽視する傾向があります。

これらの思想の対立は、ただの内紛劇以上の意味を持ちます。
それはテクノロジー業界における倫理的問題や、社会的影響、そして将来的な人類の進路に関わる大きなテーマです。

特に、EAコミュニティの一部に見られた金融犯罪やセクハラなどの不祥事は、功利主義の暴走を示唆しています。
これは、短期的な利益や成果に目を向けることが、長期的な倫理的問題を見逃すリスクをはらんでいることを示しています。


岸田総理大臣は、生成AI(人工知能)の安全性に関する国際的な認識が高まる中、日本も先進各国に連携し、同様の研究を行う国の機関を設立する意向を発表しました。

この新しい機関は「AIセーフティー・インスティテュート」と名付けられ、来年1月の設立を目指しています。

この発表は、政府による「AI戦略会議」で行われました。
会議では、AIの利活用に向けた対応策が議論され、日本としてのAIの安全性評価手法の研究や規格作成の必要性が強調されました。

また、AIを活用する事業者向けのガイドラインの最終案もまとめられました。
このガイドラインには、「人間中心」という基本原則のもと、法令順守、人間の意思決定や感情を不当に操作しないこと、偽情報対策の実施などが含まれています。

政府はパブリックコメントを通じて一般の意見を聞き、来年3月に正式な策定を行い、具体的な実施に移す予定です。


国連総会は22日、自律型致死兵器システム(LAWS)に関する決議を採択しました。

この決議は、人工知能(AI)が標的を自動的に選択し攻撃する兵器システムに対する国際的な規制を目指しています。
152か国が賛成票を投じ、ロシアやインドなど4か国が反対、中国やイスラエル、イランなど11か国が棄権しました。

LAWSは、短時間で大量の情報を処理し、AIによる判断で攻撃を行うシステムです。
その実用化には多くの懸念が寄せられており、特に誤爆や暴走による民間人の巻き込みが懸念されています。
ウクライナの戦場が、これらAI兵器の「実験場」となる可能性が指摘されています。

決議により、国連憲章や国際人道法がLAWSにも適用されることが確認されました。
加えて、国連加盟国の見解をまとめ、来年9月に報告書として提出することが求められています。
国連のアントニオ・グテレス事務総長は、2026年までにLAWSを法的に禁じる枠組みの創設を目指しています。

米国と中国はLAWSに関する規制の必要性で一致しているものの、ロシアは反対の立場をとっています。
今後の議論は複雑な展開が予想されますが、世界平和への影響を考慮し、国際社会は共に対応策を模索していく必要があります。


【今週のAIアート】

以下は、今週制作したAIアートです。
プロンプトの生成にはChatGPTを、画像生成にはMidjourneyを利用しています。

審美眼とプロンプトのセンス、さらに磨いてきたいです。



【Udemy動画の一部無料公開】

Udemyコースの動画の一部は、YouTube上で無料公開されています。


【書籍】

AI関連の書籍を、これまでに何冊か出版してきました。

Amazonの著書一覧はこちら。

現在も、新しいAI関連の書籍を執筆中です。


今週のコンテンツは以上になります。
ご意見、ご感想、ご要望などがありましたら、ぜひ気軽にコメントをください。
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