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【News! AIRS-Lab #115】 当たり前になる「AIと共に学ぶ」というスタイル、ライブ講義の休講(1/1、1/8)、AIアートなど

皆様こんにちは、我妻です。
今年最後の「News! AIRS-Lab」を配信します。


今回は、1/1(月)、1/8(月)のライブ講義が休講であること、今週のAIニュース、制作したAIアート、Udemyコースの一部無料公開などについてお知らせします。
なお、この配信のバックナンバーは、noteの方で公開しています。

Udemyコース一覧はこちら。


【ライブ講義の休講】

明日1/1(月)、1/8(月)の21時からの講義はお休みになりますのでご注意ください。
次の講義は、1/15(月)、21時からになります。


【今週のAIニュース】

直近のAI関連の話題に、我妻がコメントします。
Twitter(@yuky_az)、およびコミュニティ内での発言をまとめたコンテンツになります。


ここ数年で、「AIと共に学ぶ」という学習スタイルが当たり前になりそうです。

同志社大学では2024年4月から、生成AIを活用した学習支援の実証実験を開始する予定です。
この取り組みは、学生の個々の学習スタイルに合わせた教材の最適化を目指しています。

実験の内容について、同大は「Azure OpenAI Service」を利用し、学生と教員の双方をAIで支援するシステムの構築を進めています。
具体的には、講義や教科書への質問にAIが回答できる環境、教材の作成補助ツールなどが整備される予定です。

対象となるのは、データサイエンスやAIに関連する教育プログラム「DDASH」を受講する学生と教員です。
このプログラムは多様な学生を対象としており、個々のニーズに合わせた教育が実現できるかを検証する絶好の機会とされています。

しかし、生成AIの活用には、ハルシネーション(誤情報の生成)という課題も存在します。
これに対処するため、同大は特定の資料を参照させる仕組みを検討しており、誤情報の防止に努めています。

最終的には、この実験を通じて得られた成果を広く共有し、教育分野におけるAIの可能性を探求する方針とのことです。


OpenAIが1000億ドル(約14兆2100億円)を超える評価に基づいて、新規資金の調達に向けて初期段階の協議を行っていると関係者からの情報が明らかになりました。

この動きは、OpenAIを世界でも屈指の価値を持つスタートアップへと押し上げる可能性があると見られています。

関係者によると、資金調達のラウンドに参加する可能性のある投資家らが話し合いに関与しているとのことですが、条件や時期などの詳細はまだ確定しておらず、変更される可能性もあるようです。

CBインサイツのデータによると、この資金調達が実現すれば、OpenAIは米国で2番目に価値の高い新興企業になる見込みです。
現在のトップはイーロン・マスク氏のスペースXです。なお、OpenAIはこの件に関するコメントを控えています。

加えて、OpenAIは1月に860億ドルの評価額で社員から株式を買い付ける計画を立てていると報じられており、これはベンチャーキャピタルのスライブ・キャピタルが主導しています。
関係者によれば、この計画には供給を上回る需要があるとのことです。

さらに、OpenAIの企業価値は、昨年ChatGPTのリリース以来、AIへの注目と共に急速に拡大しており、シリコンバレーで最も注目されるスタートアップの一つとなっています。
また、CEOのサム・アルトマン氏が一時的に解任された後、数日で復帰し、新たな取締役も選任されたことが伝えられています。


最近の研究により、ルネサンス期を代表するイタリアの画家ラファエロの著名作品「バラの聖母」について、一部が他者によって描かれた可能性が明らかになりました。

この研究は、ノッティンガム大学、ブラッドフォード大学、スタンフォード大学の専門家チームによって行われました。

プラド美術館に収蔵されているこの作品について、ユルグ・マイヤー・ツァ・カペレン教授らは、ラファエロの弟子ジュリオ・ロマーノの貢献がある可能性を示唆しています。
特に、バラとその下の部分については、他者による作業の可能性が指摘されてきました。

ブラッドフォード大学のハッサン・ウゲイル教授が開発したアルゴリズムは、ラファエロの作品を98%の精度で識別できます。
このアルゴリズムによる分析で、「バラの聖母」のバラとその下の部分はラファエロによるものと確認されましたが、聖ヨセフの描写には他者の手が加わっている可能性が高いことが判明しました。


個人的に、論文の体裁、特にpdf文化が科学の進歩の足枷になっていると思うのですが...
この流れが変わるかもしれません。

世界最大のプレプリント(査読前論文)サーバー「arXiv」が、論文のHTML表示に対応を始めました。
この新機能は、特に視覚障害や失読症を持つ研究者にとって重要な進展です。

arXivは、1991年にロスアラモス国立研究所のポール・ギンスパーグ氏によって開発され、物理学、数学、コンピューターサイエンス、統計学などの分野で使用されています。
2023年10月、論文のHTML表示機能の開発に向けて、サイモンズ財団とアメリカ国立科学財団から合計約14億円の資金が提供されました。

2023年12月1日以降に投稿された論文は、TeX/LaTeX形式で書かれたものを対象にHTML形式で表示可能になりました。
既存のPDF表示に加えて、この新しいオプションは、より多くの研究者に科学研究の成果をアクセスしやすくしています。

HTML形式の論文はスクリーンリーダーやその他のアシスト技術により簡単かつ正確に読み取ることができるため、障害を持つ研究者の学術論文へのアクセスが支援されます。
arXivはHTML変換が完璧ではないことを認めつつも、コミュニティの協力を得ながら改善を続けています。

最初から論文はHTML、あるいはMarkdownで書けばいいのでは....と個人的には思います。


AI技術とメディアの関係が、訴訟により新たな展開を迎えそうです。

アメリカ第3位の発行部数を誇る日刊紙ニューヨーク・タイムズが、生成AIモデルのトレーニングで自社コンテンツが利用されたとして、OpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴しました。

ニューヨーク・タイムズによると、ChatGPTやCopilotといったAIモデルが同紙のコンテンツをトレーニングに使用し、ニューヨーク・タイムズのスタイルを模倣した出力が可能になり、購読料や広告収入に影響を及ぼしているとのこと。
さらに、ニューヨーク・タイムズは、MicrosoftとOpenAIが同紙のコンテンツを無許可で使用していると非難しています。

対して、OpenAIのリンジー・ヘルド氏は、ニューヨーク・タイムズとの協力関係に驚きと失望を示しました。Microsoftはコメントを控えています。

この訴訟では、数十億ドルの損害賠償と、トレーニング用データセットからニューヨーク・タイムズのコンテンツ削除が求められています。
なお、ニューヨーク・タイムズは2023年にOpenAIのウェブクローラーをブロックした報道機関の一つです。一方、他のメディアはOpenAIとの契約を通じてコンテンツの利用を許可しています。


ついに、装着しても変に見られないスマートグラスが登場しそうです。

Metaのスマートグラス「Ray-Ban Meta」がマイクロソフトの「Bing AI」と連携し、物体認識や言語翻訳の能力を備えることになります。

この発表は現地時間12月13日に行われ、MetaのCTO、アンドリュー・ボズワース氏がInstagramで詳細を共有しました。
技術デモでは、スマートグラスを通じて物体を認識し、その情報を音声で提供する様子が示されています。

米国では既にオープンベータテストが開始されており、2024年には全世界での機能展開が予定されています。
ユーザーはスマートグラスに質問を投げかけることで、Bing AIが提供する音声回答を受け取ることができます。

また、米国の「Ray-Ban Meta」ユーザーには、Meta AIにリアルタイム情報を問い合わせる機能も提供されています。
これにより、例えば標識の翻訳や植物の属名の識別などが可能になるとされています。

MetaはこれまでにもInstagramを含む自社サービスに「Bing AI」を搭載したチャットボット機能を導入しており、今回の連携もその一環と考えられます。


いよいよ、AI俳優が当たり前の時代になりそうです。

KDDIが2024年1月1日から放送する新しい「三太郎」のTVCMで、画像生成AI「Stable Diffusion」が使用されるそうです。
この年始限定のコマーシャルでは、俳優の松田翔太さんや桐谷健太さんが、桃太郎や浦島太郎として登場します。

過去に放送された約160本の「三太郎」関連コマーシャルから選ばれたシーンを、Stable Diffusionを使用してアニメーション化。
これにより、視聴者に新たな映像体験が提供されるとのこと。


【今週のAIアート】

以下は、今週制作したAIアートです。
プロンプトの生成にはChatGPTを、画像生成にはMidjourneyを利用しています。

審美眼とプロンプトのセンス、さらに磨いてきたいです。



【Udemy動画の一部無料公開】

Udemyコースの動画の一部は、YouTube上で無料公開されています。


【書籍】

AI関連の書籍を、これまでに何冊か出版してきました。

Amazonの著書一覧はこちら。

現在も、新しいAI関連の書籍を執筆中です。


今週のコンテンツは以上になります。
ご意見、ご感想、ご要望などがありましたら、ぜひ気軽にコメントをください。
AIコミュニティ「自由研究室 AIRS-Lab」、メンバー募集中です。


それでは皆様、よいお年を!

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