見出し画像

小学校の頃にプチブームがあったよって話(前編)

僕が小学校の頃は既にファミリーコンピューターもあり、高学年になる頃にはプレイステーションもあった様に思う。

しかし、田舎の小学校なので、高鬼やドロケイ(ケイドロ)やドッジボールが休み時間の過ごし方になっていた。

ある年明け、クラスにトランプ忍者が大量発生した。

この上の一行だけで、色々と察することが出来た方は是非探偵になってほしい。

少し順を追って説明すると、年末の芸能人の方が隠し芸を行うテレビ番組で堺正章がトランプによる隠し芸を披露した。

トランプを投げて胡瓜を切ったり蝋燭の炎を消したりと、正に小学生の心をキャッチする内容だったのだ。

それによりトランプを投げる小学生が大量に僕の学校では現れたのだ。

そう、トランプ忍者の発生だ。

しかし、下忍の手裏剣術では上手く飛ばすことは難しく、投げてもヘナヘナと下に落ちたり、上の方に飛んでいくことが多く真っ直ぐ綺麗に飛ぶことは稀だった。

しかし、小学生をなめたらいけない。

忍者達は植えた木を飛び越える練習の如く、練習を重ねていったのだ。

ある日、クラスの後ろの黒板に海外の銃の試し撃ちの様な的が貼られていた。

あの、五重丸くらいの真ん中が黒く塗り潰されたあれである。

忍者達は一列に並び3投ずつトランプを投げる。

綺麗に当たると周りから歓声があがる。

投げた本人も得意顔で落ちたトランプを拾う。

一週間程は休み時間の度にこの行動が繰り返されていた。

しかし、皆が薄々気付き初めていた。

的にトランプが当たっても爽快感が皆無なのだ。

胡瓜の様に切れる訳でもなく、ペチッやカツッの様な音が出るだけなので仕方ない事なのだろうが、テレビで見た爽快感を忍者達は求めていた。

そんな中、ある革命が起きた。

的が豆腐になったのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?