小児科医による言葉の発達への視線
こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。
今日は「小児科医による言葉の発達への視線」というテーマで短くお話ししたいと思います。
小児科医として健診を担当していると、単語がまだ喋れないんです、という相談を受けることがあります。そんな言葉って、どんな風に獲得されると思いますか?
ざっと理解しやすく説明すると、1歳台で単語を獲得、2歳台で2語文を獲得します。獲得するとは、喋れるようになるということです。単語というのは、「ママ」とか「パパ」といった意味を表す一つの言葉のことです。二語文というのは、「ママ、行く」とか、「パパ、いいよ」とか、二つの言葉が続くことを意味します。そんな大まかな発達を覚えておくと、子どもの成長を把握しやすくなるものです。
また、1歳台に「ママ」という言葉を獲得しても、パパのことを「ママ」と言ってしまうこともあるものです。あらゆるものが「ママ」になる。そんな時期もあります。
このように、言葉を獲得する過程では、子どもが言葉を発しているかどうか、を目安にその発達を確認しますね。そして、親の側も子どもに言葉を発して言葉を覚えてもらおうとするものです。
もしも、余裕があれば、ぜひ意識していただきたいことがあります。それは、表情です。日本語を使った子育てをする時、そのコミュニケーションでは表情はとても重要な要素になるんです。それは、日本語が言葉だけでコミュニケーションをとろうとする言語ではないからです。
子どもにどれだけ笑顔を浴びせられたか。それを意識しながら、子どもの笑顔を確認してみてください。子どものコミュニケーション能力の発達を理解すると、言葉だけ気にしていては勿体無い、そんな風に思います。
今日は「小児科医による言葉の発達への視線」というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。
湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。
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