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新しい時代の新しい言葉づかい

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は「新しい時代の新しい言葉づかい」というテーマで短くお話ししたいと思います。

子どもの心を育てる上で、子どもとつながることは大切ですが、そのつながる手段には、例えば言葉がありますね。その言葉の楽しさについて、今日は触れたいと思います。

ある時、学生さんと話していたら、学生さんが「そろそろウバろうかな」なんて表現を口にしたんですね。あなたは、この学生さんの表現を聞いて、この学生さんが何をしようとしているか、わかりますか?僕には全く何のことやらわからなかったので、「今なんて言ったの?」って聞いてみたんです。

そしたら、「え?何か変なこと言いました?」って返事が返ってきました。何もおかしなことを言っていないですよ、と言わんばかりの返事でした。「ウバなんとかって言わなかった?」と聞くと、「あ〜、『ウバろうかな』って言ったんですよ。UberEatsで注文するってことですよ」、なんて教えてくれました。食事を頼むサービスのUberEatsで注文することを「ウバる」なんて表現していたんですね。

そんな若者の面白いエピソードを、別の機会に定年退職された学校の先生に話したら、「最近の子はねえ、何だか訳のわからない宇宙語を話すんだよ」って笑っていました。面白いと捉えるか、言語を正しく使わないと呆れるか、あなたならどんな反応をしますか?

実はこの名詞の後に「る」を付ける表現は、今に始まったことじゃないんです。例えば、江戸時代にはお茶漬けを食べるという意味で「茶漬(ちゃづ)る」という言葉が使われていたそうです。それに働いていても、「コピる」とか、「サボる」なんて言葉を聞いたことがあると思います。

どうやら「名詞+る」の表現は何かと便利なようなんですね。今後も新しいサービスが開発されれば、新しい「名詞+る」の表現も開発されるでしょう。それは、その時代を表していると言えるかもしれません。

新しい時代の子どもたちにつながるには、その時代の新しい表現を知ることも大切でしょう。ぜひ新しい言葉を楽しみながら、子どもたちにつながってあげてください。それは、日本に代々続く言葉遊びなんだと思います。

今日は「新しい時代の新しい言葉づかい」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

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