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小児科医が知っている心理検査の実際

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は「小児科医が知っている心理検査の実際」というテーマで短くお話ししたいと思います。

あなたは心理検査って知っていますか?子どもの心理検査は、子どもの認知、感情、行動などの様々な要素を評価するためのツールです。これらの検査は、知的障害、注意欠如・多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)などの診断や評価をサポートするために使用されます。

今お伝えしたように、心理検査はあくまで診断をサポートする、という理解が大切です。心理検査のみで診断をすることはありません。何でだと思いますか?それは、心理検査の結果は、検査を受ける人のその時の感情などにも左右されることがあるからです。本来のその人を表していないかもしれない。その可能性を常に考慮しています。

また、親御さんが子どものことを評価する検査もありますが、その結果には親御さんがお子さんをどのように捉えているかが反映されます。つまり、第三者の意見は置いておいて、親御さんの気持ちも反映されてしまう可能性があるものです。

外来で心理検査を実施していると、時々「お子さんに対する親御さんの捉え方」と「お子さんに対する第三者の捉え方」のギャップを感じることもあるものです。そんな時にはその親御さんにつけていただいた子どもの評価は、親御さんの意向が反映されてしまうものです。それをそのまま鵜呑みにしても、正しい診断には辿りつかないケースもあるのです。

ですから、心理検査はあくまで診断の補助なのです。

今日は「小児科医が知っている心理検査の実際」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

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