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ストレスへの対応

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。そんな、子どもの心を育てるということを、あまりかたく感じないでください。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、ストレスへの対応についてお話ししたいと思います。

あなたは、何かストレスを抱えたことがあると思います。社会で生きていると、ストレスはつきものです。ストレスをそのままにしていると、あなたの心も体も疲れてしまいます。それは、子どもも同じです。だから、子どものストレスを親がコントロールしてあげること。それは、子どもが生きるうえで、とても大切なことなのです。

実は、ストレスに対処するうえで、その人の心がどの程度育っているかはとても重要です。特に、ストレスを抱える自分を、客観的に俯瞰的にみることができるかどうかは、とても大切なのです。それを、メタ認知とも言ったりします。

特に子どもの心は、まだ発展途上の状態です。様々な物事を経験して育っている途中なのです。そんな心は、まだまだ自分を客観視できる状態までに育っていません。ストレスに対応できなくても仕方ないのです。だからこそ、親が子どものストレスをコントロールしてあげる必要があります。

そんな子どものストレスのコントロールには、出発点があります。それは、なんだと思いますか?それは、外の世界を理解してもらうということです。自分がなんだか不安やストレスを感じている、そんな今の状況を理解してもらうことなのです。しかも面白いことに、外の世界をしっかり理解することで、ストレスがストレスでは無くなってしまうことさえあります。

例えば、お友達が泣いている場面に遭遇したとします。お友達が笑顔ではなく、泣くといった嫌な感情を抱いている時には、それを見ている子ども自身も不安を抱くものです。お友達がどうして泣いているのかを理解できないと、モヤモヤした不安を抱えたままになります。それは、その子どもにとって、とても居心地の悪い場になるのです。

そんな時にはぜひ、子どもに見えている光景をあえて説明してあげてください。「〜ちゃんがつくった砂場が崩れちゃったから、泣いているんだね」「お洋服が汚れちゃったから、泣いているんだね」。そうやって、あなたからみて分かる状況を説明してあげるのです。

その環境を子どもが理解できるようになると、子どもの抱える漠然とした不安は軽減します。なんだか張り詰めた心も、少し落ち着いてストレスが軽減するのです。子どもがこういった体験を何度も何度も経験すると、自分にストレスが生じたら、その原因を探る行動を取れるようになります。泣いているお友達がいたら、「どうしたの?」と声をかける。そういった行動を少しずつとれるようになるのです。それは、子ども自身が自分の心を守る行動でもあるのです。

これは実は、子どもに限ったことではありません。世の中には、外の世界を正しく認識することが苦手な大人がいます。外の世界を他の人とは少し違うように捉えてしまう。そんな人がいるのです。そういった人は、不安を抱え、自信がなさそうにしていたり、イライラしていることが少なくありません。ですから、人が生きるうえで、外の世界をしっかり理解できるかどうかはとても大切なことなのです。

そうすると、理解できることがあります。それは、人とつながるということが、人が生きるうえでやはり欠かせないということです。人は、誰かとつながることで、外の世界を正しく認識できるようになります。そうやって外の世界を正しく認識できるからこそ、生きやすさが生まれるのです。

そう理解できると、コロナの感染症が流行し人とつながる機会が減った子どもたちが、これからどんな生きづらさを抱える可能性があるかがわかると思います。人とのつながりが減れば、外の世界を認識する機会が減ります。外の世界を認識する機会が減れば、自分を俯瞰的にみるというメタ認知を育てる機会の減少にもつながります。それは、ストレスへの対応能力を育てることにも影響するのです。

子どもにとって、人とつながる機会をもつということはそれほど重要なことなのです。

今回はここまでです。

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