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好奇心が育つ子どもが必ず経験しているもの

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は「好奇心が育つ子どもが必ず経験しているもの」というテーマで短くお話ししたいと思います。

あなたは、子どもの頃にどんなことをして遊びましたか?僕はザリガニ釣りをしたり、サッカーをしたり、あとは、友達と一緒に自転車でプチ遠足に行ったりしていました。プチ遠足は自分たちで計画して、早朝から半日かけて遠くの公園に行ったりして、また半日かけて家に帰ってくるようなことをしていたんですね。

そのプチ遠足の途中で、例えば、友達のタイヤがパンクしたりもします。そうしたら、そこら辺のおじちゃんやおばちゃんに自転車屋さんの場所を聞いたりして、どうにか自転車屋さんにたどり着く。そんなちょっとした冒険みたいなことを楽しんだものです。

自転車屋さんにプチ遠足のことを話すと、「そんな遠くから自転車で来てんのかあ」なんて驚いてもらって、修理代をおごってもらうこともありました。今思うと、旅先で出会った色々な大人の人たちが、子どもの味方だったなあなんて思います。

それに、そんな風に自転車のタイヤのパンクというイベントが起きた時、そのイベントをみんなで楽しむわけです。「パンクしなけりゃよかった」じゃなくて、「こんなイベントもあるから冒険って楽しいんだよ」、そんな感覚でトラブルも楽しい出来事に変えてしまう。そんな感覚を持って遊んでいました。

そんな自分もいつの間にか大人になって、医師としても働いていますが、法人の代表としても活動しているので、色々な社会人の方とお話しする機会があるわけです。そんな時に、「この人は人生を楽しんでいるなあ」と思う人に出会うことがあります。そんな人って、どんな人と思いますか?

それは、なんでもチャレンジしてみちゃう人です。好奇心が旺盛で、多くの人が「ちょっと無理かもしれないなあ」と思うことでも、臆することなく挑んでいく。そんな人がいるものです。

せっかく生まれたのだから、人生を楽しみたいじゃないですか。でも、何かにチャレンジする時には、「これ大丈夫かな?」「アレは心配だな」、そんな風に不安が頭をよぎるものです。そこで躊躇して、結局チャレンジできずに終えてしまう人って、結構多いんです。

小児科医として、そのチャレンジ精神あるいは好奇心の原点はコレなんだな、と思うことがあるのですね。それは何だと思いますか?

それは、子どもの頃の遊びの経験です。遊びには、その子なりの楽しさや好奇心があります。別にみんな同じように遊ぶべきというわけではなくて、その子にとって楽しさが体験できる遊びを経験すればいいと思うのですね。

そういった楽しいというプラスの感情を持つからこそ、時には生まれるちょっとした不安をどんどん乗り越えていけるのです。不安が生じても、それを強く意識することなく乗り越えられるのは、そこに楽しさがあるからです。だからこそ、そういった体験を通して、「よしやってみよう!」という好奇心やチャレンジしようとする心が育ちます。

しかも、子どもの頃の楽しさって、大人ではもう経験できないレベルの感情なのです。つまり、大人になってから、子どもと同じ体験を積むということは不可能なのです。子どもの時期だからこそ、大きな楽しさが感じられる。そういうものです。

今日は「好奇心が育つ子どもが必ず経験しているもの」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

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