小児科医にとって気になるニュース
こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。
今日は、「小児科医にとって気になるニュース」というテーマでお話ししたいと思います。
差し入れやコメント、ありがとうございます。コメントには直接お返事をしていなくても、すべて目を通しています。もしも、今後取り上げてもらいたいというテーマがあれば、コメントでいただければと思います。
今日は、ニュースについて考えてみたいと思います。あなたには、最近気になるニュースはありますか?生活に関するニュースとか、経済に関するニュースとか、あなたならどんなニュースが気になりますか?
例えば、小児科医として働いている僕にとっては、感染症のニュースが気になりますね。インフルエンザが流行しているとか、そういった感染症の流行状況のニュースを気にかけます。
例えばここ数年で多かった新型コロナウィルスに関するニュースです。感染症が再流行し始めたとか、これからどんな対策へ変更になるとか、そんなニュースが流れますよね。そんなニュースを聴くにあたり僕が気にかけているのは、その情報が意図的に操作されているものでないか、誰かの正義によって作られた情報ではないのか、ということです。
つまり、本来の情報に加えて、誰かの感情が加わって、意図的に作り変えられている情報ではないのか。情報を手に入れる時には、そういったことを気にします。
それは、外来の診察室で親御さんからお話をうかがう時も同様です。親御さんの情報には、どうしても親御さんの感情が乗ります。そして、支援者が集まる会議の場でも同様です。支援者同士、それぞれの正義をぶつけて議論することもあるでしょう。そこでは、色々な正義を元に様々な主張が飛び交います。
情報を発信するということは、主張するということでもありますよね。その情報の発信者の感情を入れない客観性が担保された情報であれば良いのですが、そんな情報ばかりではありません。
その情報に感情が加わっている場合には、その情報は発信者の正義から発せられているものです。その正義って、正しいようで、危ないものでもあるんですよね。
世の中の戦いはすべて、お互いの正義をぶつけているわけです。それぞれの立場で、色々な正義がある。一方から見れば正義でも、相手側から見たら危ないものでもあるわけです。
ですから、僕が情報を得る時、それがいくら「子どもへの支援」という名前であっても、僕は「誰かにとっての正義が潜んでいるのかな?」なんて注意します。本当に子どもにとっての正義なのか。大人の一方的な正義を子どもに押し付けているだけじゃないのか。そんな点に注意しながら、日々子どもに関する情報をチェックします。
今日は「小児科医にとって気になるニュース」というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ、
まあ、なんとかなりますよ。
湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。