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ヤマタノオロチーオロチは鉄か斐伊川かー

 

 

 雨模様の日曜日、オロチとは何かを明快にすべく出雲三成という奥出雲の中心地でシンポジュームが開かれると聞き参加した。このシンポは木次線出雲三成にあるNPO法人出雲学研究所の主宰のイベント。

 神話をそのままにするとシンポにはならないが、今回の争点は、実はオロチは大蛇ではなく、斐伊川の氾濫を象徴している、いや製鉄集団を示唆しているという点だ。斐伊川の治水だとすれば土地と農業をいかにマネジメントするか、になり、製鉄集団だと言えば鉄鋼産出時に起きた手に負えないような事故終結になろうか。こう表現するのは私説で奥ゆかしい出雲の人はダイレクトにこうは言わないが・・

“鉄”派は

・スサノオは、古事記、日本書紀にオロチを退治した本人だと記述がある。現在の出雲の仁多郡から産出される鉄は最もすぐれていると出雲風土記に記述がある。オロチが川の氾濫を示し、治水することの表現なら、尻尾から剣が出たことに説明がつかない。スサノオは韓国から渡来した人で中央政権へ服従として事件を収めた後、剣を献上したのではないか。鉄は奥出雲のブランド品というのは古代から言われていることだ。(鉄を製造するのは多くの人数と設備が必要で高温作業だから事故も起きる)

“斐伊川”派は

・オロチ退治があった時代は6世紀。この時代の鉄関連の遺跡は出雲には見つからない。斐伊川は戦後も氾濫したほどの暴れ川だ。洪水を防ぐために堤を築き、米の安定生産を行う強いリーダーシップが必要だ。中央政府に納める租庸調(今でいう税)の「調」として出雲から鉄を収めた記述はない。出雲風土記にオロチを退治したのはスサノオではなく、「大名持命」と記述があるし、オロチという表現ではなく越八口となっている。


 パネルディスカッションでは、オオクニヌシは人気の神様。うさぎも助けるし、今でも縁結びで大活躍だ。しかし、島根県にある神社はスサノオを祭る社のほうがオオクニシより100以上も多い。古代はスサノオの方が力も人気もあった。それぞれの説について主張はあったが、結果は、大昔のことで、いずれにも甲乙つけがたし、が結果だった。

 斐伊川派の島根県埋蔵物文化財調査センターの内田氏(斐伊川派)は、オロチに飲ませた酒は果実酒ではなかろうか、出土した甕からモモやスモモ、梨の種が確認されている、と語られた。てっきり米から造るどぶろくだと思っていた私には意外だった。果実酒でよっぱらったのは、本当に手に負えないオロチなのか?よほど大量に飲んだか品質がよくなく悪酔いしたのか?とシンポとは別のことを想像しながら帰途についた。


※ 三昼夜、木炭13トン燃やし砂鉄12トンから鋼等3トンを生産する。


ゆうこの山陰便り NO.87 加筆修正

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