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出雲大社(3)うさぎを探して

夕方の地域ニュースで1月26日は出雲の日と決め観光の一助にすると知った。コロナ禍、あの手この手で観光客を呼び込んでいる。出雲大社の二の鳥居(勢溜の大鳥居)の脇にバルーンで3メートルもありそうな“出雲のうさぎ”が登場したとのこと。うさぎにまつわる神話は確か因幡だったはず?と思ったが出雲のうさぎと紹介された。次の日、ドライブがてらうさぎを探しに出雲大社まで行った。残念ながらバルーンうさぎは見つからなかったが、神門通りに置かれたうさぎには会えた。片っ端から撮影した。この鳥居近くにある自販機には、ご朱印状が売られていたのでゲットした。出雲大社の境内にもうさぎがいた。ドライバー?は呆れていたけど、楽しかった。
 
とはいえ、週中の午後で山陰有数の観光地である出雲大社周辺は残念ながら人通りもまばら。うさぎを探すのはたった一人私だけ、。うさぎにマスクをさせていることもなく、いつか、境港の鬼太郎のようなうさぎのオブジェで満載の街になったら楽しいなあ、と勝手に思う。
 戻ってから出雲大社について思いをめぐらす。ご祭神は大国主の命。因幡の国でうさぎを助けたのは神話の中でもとびぬけて有名だ。しかし出雲の国から因幡まで直線距離で200キロ弱くらい。遠出である。目的は?
 古事記を開くと因幡に住むヤガミヒメが美人だと知り、お嫁さんにする目的で行った。本妻がいるのに。その上ライバルの兄達が先行した。大きな袋を担いで歩いたと童謡にも歌われているけど、あれは兄達の荷物を持たされたらしい。じゃんけんで負けて通学帰りにランドセルを背負わされる小学生みたいだ。その途上でワニザメを騙して皮を剥がれたうさぎに兄達は海水で身体を洗えといい、肌トラブルは酷くなる。そこへ遅れてやってきた大国主が真水で身体を洗いガマの穂の上で休むといいと教える。大国主はワニザメを騙したうさぎを叱らなかったのかが幼い頃不思議だった。兄達はヤガミヒメにふられ、大国主は思いがかなう。子供も生まれ出雲にヤガミヒメと共に帰る因幡からの道中で、ヤカミヒメにふられた兄達が腹いせに坂の上から猪が下りてくるので捕まえよと大国主に命じる。駆け下ったのは真っ赤に焼いた石で大国主は火傷して死んでしまうが、母親らの治療で蘇る。鳥取県西部にある赤猪岩神社はこの現場とのこと。出雲にたどり着いた大国主とヤガミヒメを待っていたのは本妻のスセリヒメの嫉妬。ヤガミヒメは因幡に帰ってしまう。美人をくどいたまでは良かったが、その後は、波乱万丈の大国主。出雲までうさぎを連れ帰ったかは古事記のどこにも記述がなかった。
ゆうこの山陰便り №203

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