②HSPの私が、ブラック公務員・恋愛依存症・退職を経てやっと気づいたこと
恋愛依存症と化していた私。別れ話は突然に。の巻
31歳の秋。彼と出会って、もうすぐで1年が経とうとしていた時でした。
ランチの約束で会った日曜日。
お腹を満たし、帰路に向かって、ふたりで並んで歩いていたとき。
彼から突然「別れてほしい」という話が切り出されました。
理由は、彼にもとから結婚願望がないこと。
でも、私と付き合ううちに、もしかしたらその気持ちが変わるかも、と思い、彼は私と付き合うことにした。
だけど、結局、彼の中に結婚願望は湧かなかった。1年経って、変わらないことは、これからも変わらないと思う。
このまま恋人関係を続けても、結婚はできないし、私の人生の責任は取れないので、別れてほしい、というような話でした。
真っ白になった頭の中に「どうして?」が無数に浮かびました。
「私に冷めたの、嫌いになったのか?」
と尋ねると、
「嫌いになったわけじゃない。これからも友達として会うのは構わないと思っている」
と彼は言うのでした。
その後、私の部屋で2時間くらい話し合ったものの、何を言っても彼の中では「別れる」というガンとした意志があるようで、私も最後には別れ話を飲むしかありませんでした。
扉が静かに、閉められた後、私は家の玄関で泣き崩れました。
彼のことは、今まで出会ったどの人よりも大好きでした。
彼と別々に生きる未来なんて、想像できませんでした。
彼といれば何をしても楽しかった。
彼だっていつも、楽しそうにしてくれていた。
彼は出張の多い人だったけど、出張に行くたび、頼みもしないのに、私のために必ずお土産を買って来てくれた。
私が仕事で辛いとき、いつも話を聞いてくれ、抱きしめてくれた。
大切にしてもらった思い出、一緒に楽しく笑いあった思い出が押し寄せて、心臓が潰れそうに痛みました。
今まで、二人で結婚の話を具体的にしたことはなかったけれど、私を支えてくれたように、彼が苦しい時、辛いとき、全力で彼を守りたい。
ずっと側にいたい。
・・・そう思っていた、たったひとりの人でした。
何より、「結婚願望が湧かなかった = 私とは結婚する気になれなかった」という、彼からの告白がショックで涙が止まりませんでした。
その日から、私は毎晩泣きながら、自分を責めました。
――仕事で辛い時、私はいつも彼に話を聞いてもらっていたけれど、私は、彼の辛さや本当の気持ちを、今まで聞こうとしたことがあっただろうか?
――彼の結婚に対する気持ちについても、私は自分から怖くて聞こうとしなかった。本当は、こうなる前に、話したいことがあったのかもしれない。
私がそれを封じてしまっていたのかもしれない。
彼はずっと、苦しかったのかもしれない。
――そもそも、私自身、彼と出会うまで、誰かに依存することのない人間だったはず。
むしろ、友達とも恋人ともベタベタした関係が苦手で、ちょっと線を引いて付き合っているほうだった。
なのに、彼と出会い、彼との時間の居心地が良すぎて、無自覚のうちに、どんどん、彼がいないと心を保てない、恋愛依存症になっていた。
きっと、彼にとって、そんな私から滲み出るものが重く、負担だったのだろう・・・。
――こんな、魅力のない私なんて、彼から愛されなくて当然だ・・・。
そんなふうにして、「私のこういうことがダメだった」「私はもっとこうするべきだった」などと、次から次へと後悔の念が浮かぶたび、
私は自分の心を自分自身のナイフでぐさぐさと刺すようにして、心を血だらけにしながら、ひたすらに自分自身を責め続けたのです。
そして、仕事以外の時間は、ボロボロとただ涙を流すだけの人形のような生活を数日送った後・・・
私は、ある決断をしました。
(続く・・・)
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