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「第17話」偽善の国アメリカ。留学生オリエンテーションでペタジーニの嫁に公開処刑される。

シャラポワのような美しい白人娘に「ノー」という一言返事をされ、未だに凹んでいる私。彼女は単純に質問にイエスかノーかで答えただけかもしれないが、まるで私の人格、存在が一言で否定された様なそんな恐ろしいワードにさえ思えた。

オリエンテーションは終盤に差し掛かる。ペタジーニの嫁似のインターナショナルオフィスの主任(以下ペタジーニの嫁と略す)が「良い?もし質問や、困ったことがあったらインターナショナルオフィスに来るのよ?( ^ω^ ) 」と言った後に「もし質問や、困った事があったらぁぁ〰〰?( ^ω^ )」と留学生に聞き返す。私はまるで小学生扱いされているみたいで「アホくさっ」と冷ややかだったが、なんと他の留学生たちは一斉に「インターナショナルオフィス!!( ´ ▽ ` )ノ」と嬉しそうに返すのであった。このテンションの高さは一体どこから来るのか。朝食が違うのだろうか?私はまるで朝礼を無理やり聞かされ不貞腐れている思春期の高校生のようだったので、これには一瞬ハッとさせられた。これが西洋の礼儀というものなのか?何かを学んだ気がした。確かに大人数に向けて話しているペタジーニの嫁は、とても「Engage」オーディエンスの関心を引くのが上手だし、聞き手は相手をリスペクトして積極的に参加する。(フィリピン人の女の子は例外だったけど)西洋では集会での話し手と聞き手の態度が違うようにも思えた。

私はオリエンテーションで終始不貞腐れていたが、同時にこの時に何か希望を見出した。今回のオリエンテーション参加の最も重要な意義は、私が先日のプレイスメントテストの結果によって不名誉にも取らされる事になったESLのクラスを何とか回避する方法を探るべく、相談相手を探すことであったからだ。よし、これなら私のESLの事も相談に乗ってくれるかもしれない。私は期待を寄せた。考えてみれば私はニューヨークについてから、いかにお金をセーブするか、その事で頭がいっぱいおっぱいだった。母親とはいつもお金がない、お金がないと電話では喧嘩をし、日々お金について悩まされていた。ここで単位がつかない英語の授業に多額の授業料を払うことを何としてでも避けたい。

しかし、後に私は気づく。アメリカは偽善の国であるという事を。
「なにか困ったことがあったらいつでも」
この言葉は、自分は聖人君子だと言い聞かせる為に発する言葉なのである。
自己満以外の何物でもない。実際に助けを求めると、面倒くさがったり理由をつけて断られる事が多い。

しかし当時の私にはアメリカの偽善について知る術もない。オリエンテーション後に、ペタジーニの嫁の所に行く。ほとんどの留学生は会場を後にしたが、何人かの留学生が、ペタジーニの嫁に色々と質問している。みんな英語が凄い出来る様子だった。私のようにESLをどうしようといった質問ではなく、大半は自分の専攻の為にこの哲学のクラスをとったほうが良いかといった内容だ。ペタジーニの嫁も嬉しそうに相談に乗ってあげている。よし、自分もこれなら親身に相談に乗ってくれると思った。( ^ω^ )ニコニコ 私は馬鹿だった。

自分の番になり、私はペタジーニの嫁にESLを取りたくないと迫ったと記憶している。彼女は、私が手にしていたテストの結果表を取り上げる。私のテストの結果表を見て、彼女の顔の雲行きが見る見る怪しくなるのが分かった。

「Your English is bad. You need to take these classes」と言ったと思う。私の後に質問を控えていた女の子たちが気まずそうにしていた。コリアンの可愛い女の子もいたので只々悲しかった(´;ω;`) 何も周りの学生の前で、大声で言わなくてもいいじゃないか。公開処刑。しかしそんな配慮は彼女には当然ない。

後に分かったのだが、彼女はラテン系ではなくロシア系だった。
(彼女本人も良くヒスパニックに間違えられると言っていた)
舌の巻き方が特徴的で、ズドラスヴィーチェ、ずんだ−ずんだー餅というような感じで、まくし立てるように話した。しかしそれ以上のアドバイスもない。経済的な事情、テストを再び受ける、あるいは学校をお休みにして、アルバイトをしてお金を貯める。色々な策が生徒の立場を思いやったら考えられると思うのだが、お前はクラスを取れ、はい、終了。議論終了。おしまし。次。である。あからさまに、私を突っぱねるような態度をとり、次の留学生の質問を聞き出した。この時の私のやるせない気持ちをどのように表現すればいいのか。

「何が困ったことがあったら、いつでもオフィスに来るのよ( ^ω^ )ニコニコ」

糞食らえだ。私は途方に暮れ会場を後にする。

【続く】

写真:
学生クラブの勧誘の様子。私は日本クラブというのにたまに出入りしていた。日本人学生はいなく、日本の文化を研究するという建前だったが、実際にはポケモン好きのオタク・アメリカ人のたまり場だった・・・根暗なオタクが多く、会話しても続かない人が多かった。直ぐに辞めた。これは私の乏しい英語力が原因ではない (笑)

P.S 当時の私のやるせない気持ちを小学生の文章力ではあるが、如実に表していると思う。最近は起床時間が遅くなったのに加えサブアカウントで英字新聞を翻訳しているので午前中に更新ができず、読者諸君に申し訳ない気持ちだ。明日以降、起床時間を早めるつもりだ。10時更新が今の所の目標だ。今日も読んでくれてありがとう。( ^ω^ )ニコニコ ではまた明日。

ジャズピアニスト 二見勇気
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