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「第20話」短大で初めての授業、悩殺ボディーのエリザベスとの出会い

エピソード4(ニューヨーク・短期大学時代)第20話

遂に短期大学での授業初日を迎えた。授業と言っても英語を第二言語とする学生のための英語のクラスだけど、あの日の朝は今でも覚えている。

私は沢山あるESL97(一番下の英語のクラス)からスタートした。
(授業を登録する際にも色々なトラブルに遭ったのだが、まあ正直前置きが長くなり学校生活について早く自分も書きたかったので、別の機会としよう。笑)

私は8時からの授業を登録した。お昼からの授業や夜の授業もあったのだが、朝早くの授業をとることで、自分にカツを入れて堕落生活を送らないようにしたのだろう。

新学期最初の日は、気も張っていたのか朝早くに目が覚めた。余裕を持って7時過ぎには自宅を出る。ニューヨークの朝は早い。トラックの運転手が積荷をおろし、スーパー、グロッサリーストア、レストランに食材や缶ジュースを搬入している。メキシコ系の労働者が多い。ベンダーが路上のいたる所に出て、出勤途中の会社員や学生に忙しなくコーヒーやベーグル、フルーツジュースを販売している。

私は7番線の33番ストリートを下車し大学へと向かった。8時の授業を取る学生が多いのか、まだ7時30分なのに通りが学生で溢れていた。

私はCビルディングの二階のESLの教室へと入っていった。繰り返すが、海外の学校で初めの授業なのである。英語の授業ってどんなものなのだろう。先生の言うことが分かるかな?友達は出来るかな?まるで小学一年生の心境だった。教室の入口付近で、白人の大柄な70歳前後のおじいさんが出迎えてくれた。きれいなシャツにベージュのセーターとチノパンを着ているのだが、お腹周りがだらしなく、ベルトの上と下が弛み切ったお肉で溢れている。カーネル・サンダースを10歳若くしたような風貌をしている。出会ってすぐにESL97の教授なのだと分かった。(教授の名前を忘れたので以下カーネル教授と記す)カーネル教授は、ようこそと言って出迎えてくれた。しかもニッコリして握手もしてくれた。これまで短大で見てきた大人と言えば、ズンダ−餅の留学センターのロシア人のおばさん、中国人のアレックス、メキシコ系の事務員ばかりだったので、白人のスマイルを見て、自分のアメリカに対するイメージと現実が初めて合致した瞬間だった。

私は持参したSonyのPCM録音機を見せて授業を録音してよいかカーネル教授に聞いた。教授の言っていることを理解できるか自信がなかったので、授業の復習のために使いたかったのである。カーネル教授は、にこやかだった顔を曇らせ、少し申し訳無さそうにNoと言った。

なぜ録音してはいけないのか?録音してまで復習する君は勤勉だねと言われると思った私は少し不満げに席につく。授業開始10分前にも関わらず、15人は教室にいる。

教室を見渡す私。ここはESLだから彼らは英語を母国語としない学生だ。彼らは一体どこの国から来たのだろう?その頃の私は風貌からは出身地は全く言い当てられなかった。日本で知り合った外国人と言えば、アメリカ人と中国人位である。

その時である。私の斜め後ろに、なんともセクシーな女性が座っているのに気がついた。キャサリン・ゼタ・ジョーンズを少しブスにした感じだ。天才バカボンに出てくるお巡りさんのように、眉毛が太くてつながっているが、ぽってりとしたたらこ唇と、両頬にたっぷり塗ったチークが強調されている彼女は輝いていた。それに、ボン・キュ・ボンである。細身なのに、ボン・キュ・ボンである。まるで私を抱いてセニョールとほっぺたに書いてあるようだった。( •̀ㅁ•́;) 

私とエリザベスが運命的な出会いを果たした日だった。

【続】

写真:ニューヨーク地下鉄の7番線の写真をネットから拝借。マンハッタンまでは地上を走る電車で、天気の良い日に授業終わりに電車を乗った時の気分は何とも晴れ晴れとしていた。

ジャズピアニスト 二見勇気
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