見出し画像

「第13話」ニューヨークで苦労したこと その② 地下鉄編

エピソード4(ニューヨーク・短期大学時代)第13話

ニューヨークに移り住んで苦労することの一つは公共交通機関だと思う。
私もテーマパークに移り住んだと思っていれば少しは楽だったかもしれない。中世、いや化石時代にタイムスリップした感覚を味わうことが出来る。もはやカンボジア、バングラデシュの方が交通機関はマシなのではないかと思うくらいお粗末である。私はこれにはニューヨークに来たばかりの時は相当悩まされていた。今日はその理由をいくつか上げていこうと思う。

まず最初に驚いたことは運行スケジュールがないので、何時に電車がくるか分からない事。電光掲示板に次の電車の到着時間が表示されるが、これが急に変わったり、消えたりすることもしばしばある。

朝のラッシュ時は、本数を多くしているような印象を受けたが、20分来ないこともしばしばあった。電車が来なくなると、乗客はみなイライラしながら、前の駅のホームに電車が着いたかホームから身を乗り出して見る。笑 駅と駅の感覚が狭いので、地上に出ている7番線ではよく見られた光景だった。もうこの光景が世界一位の経済大国とは思えない。旧ソビエト連邦時代のボスニア・ヘルツェゴビナ?(よう知らんけど)かと思った。

そもそも一駅一駅の間隔が徒歩5分だ。駅の感覚をあけて、電車の速度を早くしたほうが効率が良くなると思うんだけど。電車を待つより歩いたほうが早いこともしばしばあった。ニューヨークの電車はチンチン電車のようなものだと思ってくれればいい。

冬の寒い時にこれをやられたらたまったものではない。何しろ20分、30分も電車をホームで待たされることになる。授業に遅れないか心配するし、早く学校でうんこしたいし、イライラしてくる。こういった事が常態化されているので、ニューヨーカーは余裕を持って家を出る。電車が遅れて遅くなったという言い訳を個人的にはあまり聞いたことがない。電車は遅れるものなんだから、余裕を持ってこいと言われるからだろうか。

次に良く私が困った事は、電車が動かなくなることである。休日は工事になる事が多い。最寄りの駅に行くと黄色いテープで改札が塞がれ、電車は今日は動いていないと言う。お知らせの張り紙一枚貼ってあるだけだから余計頭にくる。「せめて頭の一つくらい下げて、申し訳ありませんと言えぇぇぇ」(←クレーマー)乗客は駅から出てバスに乗って他の駅に行く。そこから電車に乗ったり、またシャトルに乗ったりして目的地まで向かう。一体目的地につくまでに何時間かかるんだという事もしばしばあった。これが年に一度ならまだ分かるのだが、毎週のように工事をしている。しかも何十年も・・・地下鉄全部を取り壊して新しい地下鉄を通した方が早くないかと思うレベルだろう。

それから自分の乗っている電車が急に各駅電車や急行に変更されたりすることもしばしばある。アナウンスを聞き逃したりすると最悪。自分の乗っている電車が突如、日本で言う通勤快速特別急行のようなものに変更して、クイーンズの奥地まで連れて行かれたこともある。まるで東京駅で電車に乗り神田で降りようとしたら、八王子までノンストップで行っていしまったような感覚だ。クイーンズのチャイナタウンまで電車が走る途中に絶望する。帰るのに苦労したことがある。ニューヨークに移り住んだ当初は英語のアナウンスがよく聞き取れなかったので、こういったことをよくやってしまった。

次に私がMTA(ニューヨークの地下鉄)で嫌いだったのが、乗客の民度だ
電車内では乗客からのチップを目当てに、パフォーマンスをする外道を沢山見てきた。急に大音量のスピーカーで音楽を流したり、ポールパフォーマンスを始める。物乞いも数分おきに見る。仕事をなくした。子供がいる。お金を恵んでほしい。知るか!皿でも洗っとけ。こっちは疲れているんだ。お前の下手くそなパフォーマンスを見るのを強要したり、物乞いするなボケ!周りの乗客がどうして不快に思わないのか未だに謎だ。

電車内でおっさんが立ちションしていたり(これにはオーマイゴッドファーザーであった)子供がゲロを吐いたのを目撃したけど、親は「アラアラまー、びっくり」という感じで、そのまま立ち去って至ったので驚愕した。
電車のシートには子供が靴でそのまま立ったりしても親は注意しないし、食べ残しを電車内に放置するのもOK! なんでもありだ。ここはニューヨークOK 牧場( ^ω^ )ニコニコ

勿論、ニューヨークMTAには日本では見られない良い光景もあった。お年寄りや子連れを見たら、皆が率先して席を譲るし、エレベーターのないところで、ベビーカーを押すお母さん見かけたら、皆ベビーカーを持って階段を降りるのを手伝ったりする。

ニューヨーク地下鉄の乗客の民度は高いのか低いのか。電車内でのパフォーマンスは法律では禁じられているが、これを好きだと言うニューヨーカーも多い。これを良いか悪いかは人それぞれなので、なんとも言えない。しかしMTAの公共交通機関としてのサービスは最悪と言って間違いないだろう。これは多くのニューヨーカーも不満を漏らしていることだ。

しかし、何が一番頭にくるかと言えば、こんな世界ワーストクラスの鉄道システムを何十年も改善しないまま放置しているという事実である。発展途上国の地下鉄ではないのだ。

【続く】

【お知らせ】

サポートのおしらせ


何と昨日二件目のサポートが!!しかも500円も・・・( •̀ㅁ•́;)
何度も言うが自作自演ではない 笑
それにしても小生の拙い文章が、文庫本一冊分の文章量に値すると言うのか!?何ともおこがましい気持ちでいっぱいだ。ノートを続けて半年後に100円振り込まれればという気楽な気持ちで書いていたので、これにはビックリだ。実は将来、自叙伝として出版で印税でウハウハ生活を考えていたので、ノートは基本的に無料で公開しようと思っている。サポートはしなくて結構なので、(してくれたら一層嬉しいけど)読者諸君に気長に読んで頂けるのが、私としてこの上ない喜びである。

それではまた明日( ^ω^ )ニコニコ

ジャズピアニスト 二見勇気
Youtube - Yuki Senpai
Instagram - jazzpianosenpai
Twitter - 天才ピアニストゆうこりん ❤


サポートに頂いたお金は、令和の文豪二見勇気氏が執筆の際に注文するドリンク代、3時のおやつにマルエツで買うお菓子代に充てたいと思います。その金額を超過した場合、全てを音楽活動費に充てます。もしよろしければお願いします。(๑´ڡ`๑) ご支援ありがとうございます(´;ω;`)!!