見出し画像

日本の英語教育は間違っているのか?NYC短期大学ESLの経験から考える日本の英語教育の在り方【特集号】

今から10年ほど前、電車で某英会話学校Ga◯aの広告を良く目にした。その広告に書いていた内容は概ね「日本人の多くが中学、高校で、◯◯◯時間も英語の授業に時間を費やすのに、どうして一向に英語が話せるようにならないのか?」というようなものだったと思う。一見なるほどと思うかもしれないが、私は当時からこの広告が大嫌いだった。単刀直入に申し上げると日本の英語教育は間違っていないし、この英会話学校は英語教育の本質を理解していないと思った。今日はニューヨークの短期大学でESLをとった時の経験、それから7年間あまりアメリカに住んで考えた筆者なりの日本の英語教育について述べていきたい。

日本人が英語を話せない第一の理由は言語学的なものである。
言語学的に英語から最もかけ離れているのは日本語と・韓国語と言われる。
(ちなみに筆者は、韓国に毎年ツアーで韓国に行く。韓国では小学一年から英語が義務教育となっている。早い所では幼稚園から子供に英語教育を施したり、インターナショナルスクールに行かせる親も多い。ソウルに行った人は分かるかもしれないが、若者は英語が通じる人が多い。)とは言え、私の世代、または少し上の世代の韓国人は日本人と同じように英語が話せない。

一方、ドイツ人やオランダ人は英語が上手い。アメリカで沢山のドイツ人、オランダ人に知り合ったが、彼らの英語は物凄い上手い。ベルリンやアムステルダムでは英語だけで生活できると言われてるくらい、住民は皆英語を流暢に話す。

私のアメリカ人の友人のザックはフロリダで生まれ育ったという事もあり、スパニッシュの友人が多い。フロリダではスペイン語を使う機会も多く、彼は自分でもスペイン語が上手いと豪語していた。そんな彼が日本語を勉強し始めた時に、私に「日本語と英語は全然違う。なんて難しいんだ。スペイン語は超簡単だと」ともらした。

そういえば昔、メキシコ人の友人が、スペイン語とイタリア語は大体同じだから、8割くらい理解できると言っていたのを覚えている。あと彼らはポルトガル語も7割理解できると言っていた。どんだけ似た言語なんだと思った。日本人ですら韓国語を7割理解する事は不可能なのに。

第二にそもそも英語が話せるというのはどういうことか?これを勘違いしている人が多いという事を指摘したい。
日本人の多くが、綺麗な発音で早くしゃべることが英語が出来ると思っているがこれは大きな誤りである。考えてみてほしい。
渋谷のセンター街で「きのぉー彼女がー、チョーまじムカつく、うぜぇーまじでー?」と話している日本人とロバートキャンベルの日本語どちらの方が上手いと思うだろうか?ロバートキャンベルはアメリカ英語なまりの発音が少しあるが、それでも彼の日本語が上手いと思うのは、時事問題に精通し、自分なりの考えを正しい文法で、論理的に説明することが出来るからではないだろうか?

これは、アメリカでも同じで、彼らは早く話すという事で英語が上手いかどうかなんて考えていない。大事なのは話す内容だ。英語も、インド英語、シンガポール英語、オーストラリア英語にニュージーランド英語、ブリティッシュ英語、様々な発音がある。そしてアメリカ国内でも南部、中西部の発音、カリフォルニアの発音、ニューヨークの中でも、バーニーサンダースの話す英語のようにユダヤ系ポーランド人のコミュニティーの英語というのが存在するように、発音に関しては寛容的だ。(私は発音はどうでも良いと言っているのではない。だが、しっかり伝わる発音であれば、英語力が低いとみなされることはないと強調したい)

アメリカの3つの大学に在学していた時に、プレゼンテーションをする機会は何度もあったが、アメリカ人の友人のプレゼンテーションよりも点数が高く、アメリカ人からも勇気の英語はうまいとほめられたことがある。私は英語は上手くないし(アメリカ人もお世辞は言う)まだまだ努力が足りないが、正しい文法で自分の思考を論理的に話したりすることが英語の上手い下手なのだというのは分かった。

第3にそもそも英語を話せるようになるというのを目的に英語教育は行わなくて良い。

私のツイートが少々炎上を狙っているような感じで不愉快に思われた方には申し訳けない。しかし、日本の英語教育は文法に重点を置いているから、会話に重点を置けと言うのはナンセンスだと言わざるを得ない。勿論、学んだ事が将来的に役立つのは良い事だが、教育とは役に立つか役に立たないかで行うべきではないというのが自論である。大事なのは、学習するプロセスにおいて学んだ事だと思っている。また、英語の文法を学んだ事で、言語学の美しさに気付き、私は自分の日本語の文法についても見直す機会になった。(と言っても、このブログをご覧になって分かる通り、小学生並みの文章力と文法だが、それなりに努力はしている 笑)

第4に日本人の英語能力は総じて低くない。
EPI英語能力指数2019年版(筆者も良く分かっていないが、非英語圏の国100か国)によると、日本の順位は53位である。ここにその記事を貼っておく。

英語と言語学的に最も離れた言語、日本語を話す日本人がこの順位なら健闘していると言っても良いのではないか?タイトルにも書いた事を最後に少し話したいと思うが、ESLの授業を取った時に、スペイン語系の学生が8割を占めていた。メキシコ、ホンジュラス、コロンビア、キューバ、エクアドルetc... 彼らは英語をペラペラに話しているように、入学当初思ったのだが、彼らの書いたエッセイを読んだり、授業を通じて、彼らの文法レベルの低さに驚愕したものである。中には三人称単数さえ危うい学生も多くいた。私はこの時、中学高校で英語はサボっていたが、文法を少しはやっていたおかげで、ESLやその後のアメリカの授業でレポートを書くときに多少は役に立ったと思っている。

結論:日本の英語教育は素晴らしい。
反論ももちろん受け付ける。コメント欄でお待ちしています♡
今日も読んでくれてありがとう(*^▽^*)

【完】

写真:ニューヨークのカフェでキーボードを持ち込んで演奏した時。(このカフェについて今度書きたいと思う)サックスのクリス、ベースのローレンはもう有名になっている。ドラマーはタンギというベルギー人だった。みんなうまかった。元気にしてるかな(・_・;)

ジャズピアニスト 二見勇気
Youtube - Yuki Senpai
Instagram - jazzpianosenpai
Twitter - 天才ピアニストゆうこりん ❤

サポートに頂いたお金は、令和の文豪二見勇気氏が執筆の際に注文するドリンク代、3時のおやつにマルエツで買うお菓子代に充てたいと思います。その金額を超過した場合、全てを音楽活動費に充てます。もしよろしければお願いします。(๑´ڡ`๑) ご支援ありがとうございます(´;ω;`)!!