「第１１話」ニューヨークで苦労した事 食生活編 ①

エピソード４（ニューヨーク・短期大学時代）第１１話

海外に移り住んで最初の数週間が正念場かもしれない。私の場合は学校のクラス分けテスト、そして新学期が始まってからの数週間が米国暮らしで最も辛かった時期だと思う。今日は、学校が始まる前から日々蓄積されていったストレス、当時のニューヨークに対する思いを綴っていこうと思う。今日は食生活編だ。ちなみに私の先輩であるアルトサックス奏者山中一毅氏（あまりにもジャズへの情熱があるのでジャズ界の松岡修造とも呼ばれている）は最初の一ヶ月は記憶がなかったと言っている。私も最初の一ヶ月はオ◯ニーをしなかったと思う。それくらい落ち込んでいたと思う。

まず最初に苦労したのは食事だ。これはニューヨークに住む日本人の友人は皆文句を言っている。

海外の物価の高い都市を良く訪れる方ならご存知だろう。ニューヨークでもランチをすると１５ドルはする。以前ニュースで、南青山に児童施設を作るとなった際に、地元の住民が市の説明会で「ここ周辺のレストラン、ランチ単価いくらするか知っています？１２００円ですよ？」と言ったのを覚えている。残念。ニューヨークでは１５００円、いや、マンハッタンの中心地では２５００円だ。笑

ニューヨークに移り住んで少しすると、B級グルメが恋しくなる。寿司やラーメンはニューヨークでも日本と同じクオリティーのものが簡単に食べられるからだ。値段は倍以上するが・・ 笑

私が恋しくなったのは、牛丼屋、立ち食いそば、スーパーの弁当等だ。これらのB級グルメはニューヨークではなかなか見つからない。それにコスパの良いこれらの食事はニューヨークでは中々見つからない。例えば日本でよく見かけるスーパーの弁当は決してとても健康的な食事とは言えないが、マックのハンバーガーやフレンチフライよりはマシだし、５００円以下である程度の満足感を得られる。日本の物価は安い。ニューヨークで５００円以下で食事をするとなると、マクドナルド、１ドルピザ、またはハラルフードしかないだろう。海外旅行だと思い出作りにも多少高くても外食で奮発することもあるかもしれない。しかし実際に住むと、普通にレストランで外食をしていると数日でお金がそこをつく。朝はドーナツ、昼間はセブンイレブンのホットドッグ、夜は１ドルピザとなる。数日すると飽きてくるので、ローテーションを変える。朝はセブンのホットドッグ、昼間にピザ、夜にドーナツだ。私はこれで体重が２５キロ増えた。(´；ω；｀) 毎日がイライラしてくる。お腹一杯にはなるがイライラするアレだ。

このままではいけない。自炊をしようとする。近くの中華系スーパーマーケットで豆腐と米を買う。日本食スーパーマーケットで麻婆豆腐の素を買い豆腐を入れて炒める。っが、まずい・・・豆腐を素に投入した時に何か嫌な予感がしたが、豆腐の水分が多いのか、それとも豆腐そのものがまずいのか。麻婆豆腐が薄まり過ぎてマーボーの味がしない。米も水で４．５回研ぐが臭い。後日、日本食のスーパーマーケットで聞いたこともないメーカーのレトルト牛丼買ってご飯にかけて食べる。一袋３００円もする。これじゃあファーストフードで食べるのとあまり変わらないじゃん！笑 でも上手い・・・(´；ω；｀) 日本の味がする・・・涙

しかし、学校の授業や宿題で忙しくなると、家に帰って自炊などする余裕はなくなる。それからルームシェアであまり親しくない人と住んでいるとキッチンを長時間使用出来ないので、前述したようなレトルト系の食事が多かったような気がする。

ニューヨークに住み始めてしばらくすると、安いスーパーやレストランを覚えるようになる。私が実践していた、栄養価も高く？時間もかからず、安価な食事を、次回書いていこう。

それにしてもちょっと小腹が空いたら近くのコンビニで菓子パンが買えた日本が懐かしくなる。(´；ω；｀) 

P.S そう言えば堤未果氏の著書、貧困大国アメリカでは貧困層の肥満が問題になっているという。調理器具が買えず、安価なファーストフードで食事を済ませるからである。その事は私が身をもって証明したと言っていいだろう。

【続く】

写真：ニューヨークのとあるスーパーマーケットで冷凍食品が安いことが判明し、大量買する私。確か一箱２００−３００円だった。味は期待を上回る不味さ。そしてパッケージとはあまりにも異なる内容だった。

ジャズピアニスト 二見勇気
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