「第三話」 最寄り駅のJackson Heightsに到着！ 「き、きったない〜〜！！」( •̀ㅁ•́;)

エピソード４（ニューヨーク・短期大学時代）第三話

今でも覚えているが、私のスーツケースは60 kgあった。笑
NYCに持っていけるものはすべて持っていこうと、スーツケースにありとあらゆる生活品をぶち込んだ。お金が無かったので、現地で調達することは考えていなかった。デスクトップのパソコンも持っていった。笑 成田空港のチェックインカウンターで流石にこれは重すぎるとなり、近くのクロネコヤマトでダンボールを一箱買い、これに少し荷物を移した。それでも50 kgはあったと思う。

成田空港に行くまで苦労した。道中、階段があるところは、極力エレベーターを使用するが、それでもちょっとした段差があるとスーツケースを持ち上げないといけない。１０cm 持ち上げるだけでも精おっぱい、いや精一杯だ。ケースの取っ手が、少し持ち上げる度にはち切れそうになる。まるでFカップではち切れそうになるブラウスのようだ。空港スタッフの綺麗なお姉さんたちも、スーツケースの重さでギネス新記録を打ち出そうとした私をクレイジーだと思ったに違いない(´・ω・`) 良く出国させてくれたものである。

JFKの手荷物受取所でスーツケースとダンボールを受け取った私は、スーツケースの上にダンボールを載せて、ゴロゴロと器用に引きずりながら、空港内を移動した。

空港からJackson Heightsに行く途中は良く覚えていないが、Jackson Heights駅から自宅に向かう途中の事は今でも鮮明に覚えている。今日はその事について書いていきたい。

そう・・・駅から外を出るとあまりのカオスぶりに自分の目を疑った。

カンボジアか、ネパールか、いやバングラディッシュか？世界ウルルン滞在記で訪れるようなアジア発展途上国のアスファルトかと思った。筆者はこれらの国に訪れたことがないのであくまでイメージである（←すごい失礼）アスファルトは汚いし、ボコボコ。プラスチックのゴミが散乱している。ネズミの死体のようなものも散乱している。まさにこの世の終わり。インド人やインドレストラン、インドの伝統衣装の様な物を売る店をよく見る。ここはインド人街なのだろうか？インド音楽？「エンヤ〜、タリラリラ〜」と大音量で音楽が掛かっている。深夜の１２時を過ぎているのに、なんという活気！

「あーん、ゆうこー、まじ汚いの無理〜」自分の服と一緒に洗ってほしくないからと、お父さんのシャツを割り箸で、洗濯機からつまみ出す女子高生の様な潔癖ぶりである。私は駅から出てすぐに、ここのインド人が嫌いになった。別に彼らがゴミを捨てていると決まったわけではないが、自分の住むコミュニティーが汚されているのに、放置しているという神経が嫌いだったのである。せめて自分の店の前のゴミくらい掃いたらどうだろうか？そのくらい私はゴミというのが嫌いである。ゴミをポイ捨てする人、それを放置している人は市中引き回しの刑である。

その前の年にニューヨークに来た時は、３日間マンハッタン（ニューヨークの中心地）のホテルに滞在していた。観光客が多い比較的綺麗な地域に住んでいたのだろう。ニューヨークの現実を見たような感じがした。これがNYCのローカルの住人が住む地域なのか。想像とだいぶ違う・・・これからバングラディッシュに住んでいくのかと思うとゲンナリした。

駅から自宅まで、この凸凹した道の上をスーツケースを転がしながら歩いていく。途中ネズミの死骸を踏まないか、足元を良くみながら。

トム・クルーズ主演のコラテラルという映画を観た人なら分かるかもしれない。映画の舞台はロサンゼルスの真夜中だ。オレンジ色の街灯が所々灯されているが、基本的に暗い、荒廃した街並みが伝わる。ここJackson Heightsもそんな感じだ。ここで私はズドンと一発撃たれて一生を終えるのか。歩くのが怖かった。

やっと家の前までついた。駅から１０分。三富さんが「そうそう鍵が４つあるんだ」と言って、私に鍵を渡した。とりあえず覚えるためにも、私が４つの鍵を使いドアを開けていく。門の鍵、玄関の鍵、そして家の中に入ると、すぐ地下に通じる秘密の扉があった。ここを降りていく。そこに別の扉がある。ここを開けると、ついに私の住居があった。最後の鍵で自分の部屋のドアを開ける。この自分の部屋にたどり着く間、私は思った。「なんなんだ、この厳重ぶりは・・・４重の鍵で守らないといけないくらい、治安が悪いのだろうか。」

次回は ゆうこのお部屋へと住人について書いていきたいと思う。

【続く】

写真: Google Imageでジャクソンハイツの駅前の写真を見つけた。
これを３倍汚くして、３倍暗くした感じだと思ってほしい。