「第２２話」NYCの短大で統計学の授業を受けた時の話

エピソード４（ニューヨーク・短期大学時代）第２２話

入学当初のクラス分け試験で、一般教養科目を取る英語力がないと判断された私はESL（留学生向けの英語のクラス）を取らされる羽目に。しかし一つだけ一般教養科目を取る事が出来た。数学である。正確には統計学入門のクラスを取った。なんとクラス分け試験の出来が相当よかったので、数学のクラスでも難しいクラスが取れたらしい。これは自分も驚いた。というのも、
クラス分けのテストで数学の問題が出た時も、適当に答えていただけなので、まさか好成績を残せたとは思ってもいなかったからである。しかし今思い出せば数学のテストは、簡単な掛け算や、面積、体積を求める問題が多かったような気がする。私が高得点をたたき出したのもうなづける。

アメリカでは因数分解が出来れば天才扱いされると聞いたことがあったが、その後のコミュニティーカレッジでの色々な授業を通して経験をした私から言わせると、半分本当だと思う。笑 そのエピソードについては後日詳しく話したいと思う。

それにしても私のクラス分けテストの成績が、英語が最低レベルで、数学がトップレベルである。アジア人は数学が出来て、英語が出来ないというステレオタイプがアメリカにはあるが、私はまんまと彼らのイメージ通りの東洋人になってしまった。悔しいが仕方ない。

初日の授業、私は怯えていた。キン〇マがヒュンっである。:;(∩´﹏`∩);:大学で統計学の授業を英語で受けるなんて数か月前まで想像もしていなかった。授業開始の５分前には教室に着いた私は、ソワソワしながら教授を待っていた。周りを見渡すと９割アメリカ人の学生である。みんな頭悪そう（←ひどい）なので、その辺は少し安心したが、英語のできない私が、大学の授業でアメリカ人と同等に扱われると思うと凄く緊張した。教室後方の席に中国からの留学生のような学生も２，３人いたが、全く慰めにならない。埼玉県春日部市出身の東洋人の私が今このアメリカの短期大学で統計学のクラスに参加して良いのか、完全にアウェイな感じがした。

私は高校時代、社会と両親と学校を恨み、登校しない時期があった。卒業に必要な出席日数が足りなくなりそうになり、卒業も危ぶまれたが、先生のおかげで何とか卒業させてもらった黒歴史がある。通信簿も倫理・音楽は１０で、物理・科学・数学はいつも１か２の成績で、理系は目も当てられない位酷かった。特に統計学の授業では０点と４点をたたき出し、のび太君というあだ名がついた事もある。大学で日本の高校レベルの数学を勉強するという事は、アメリカは先進国の中でも数学のレベルは断然低いのもうなづける。しかし、それでも高校時代に出来なかった科目が１０年たった今出来るようになったとは到底思えない。自分の変わった事と言えば、授業態度と背水の陣でアメリカに来たという切羽詰まった状況であろう。

色々な感情が交錯し、時刻は８時を迎える。（数学の授業もなぜか張り切って朝一番の授業を取った私ｗｗｗ）先生らしき人が教室に来ない。それから待つこと５分、１０分・・・誰も来ない。嫌な予感がした。

【続く】


写真：以前の記事で紹介した大学近くのセブンイレブンです。お金がないときはほっとドックにトッピングのトマトと玉ねぎでサラダを作って食べていました。お金があった時は、となりの中華料理店、インド料理、ピザ屋に行く事もありました。なつかしい(・_・;) 


P.S
アメリカ人の数学のレベルはアメリカンジョークでも揶揄されるくらい酷いのは周知の事実だと思う。しかしアメリカにはスティーブジョブスやビル・ゲイツのようなITの世界でも突出した天才を多く輩出している。物凄い天才がいるかと思えば、物凄い馬鹿がいて、物凄いレイシストがいると思えば、聖人君子のような人もいて、なんとも不思議な国である。次回号で詳しく紹介したいが、数学のクラスでアサンという素晴らしい友人に出会い、彼とこの事を話した時に、アメリカはDisproportionate（不均衡な、不釣り合いな）だと教えてくれた。

P.S 2 
【ジャズを音楽大学で学ぶべきか】の特集号が書き終わりませんでした。書いているうちに色々言いたい事が増えて、予想以上に大作になりそうです。今日間に合いませんでした。ごめんなさい(;´･ω･) ５千文字を優に超えそうなので、有料化にしようかしら・・・(・_・;) ではまた明日！（●＾o＾●）



ジャズピアニスト 二見勇気
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