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男性育休でこれからの育児の土台を作った~9ヶ月の育休体験談~

この記事は、以前書いた記事を一人称形式にリライトしたものです。Q&Aとまた違った印象があると思うので、読んでいただけると嬉しいです。

第一子の誕生と同時に9ヶ月の男性育休を取得したSさん。長期間の男性育休をとり、仕事をまったく気にせず育児に専念できたことで、「育児の土台」を作れたと言います。実はSさん、子どもが生後2ヶ月のときに6時間のワンオペをやりとげた、凄腕のパパさんです。育休中の過ごし方からパートナーとの関係、お金事情までお話を詳しく伺いました。

S
大手生命保険会社に勤める10年目の総合職。第一子(女児)の誕生と同時に、2023年2月~11月の9ヶ月の育休を取得。
感染症流行による病院受け入れ拒否を懸念し、里帰り出産はせず。妊娠中から子どもに先天性疾患があることが発覚したこともあり、夫婦2人で育児をがんばることを決意し長期間の育休を取得。両実家のサポートは金銭援助のみ。
最近ショックだったことは、スーツ姿を見た子どもに「この人だれ?」という顔をされたこと。

その日は突然に

子どもは予定日から2日早く生まれました。もともと出産予定日から育休をとるつもりでした。しかし、有給休暇を2日間使って出産直後から育休に入りました。
早朝に生まれたこともあり、会社への育休に入るあいさつのために、午前だけ出社しました。帰宅して自宅のスーツ類一式をクローゼットの奥にしまった後に、とてつもない解放感があったことを覚えています。「ふぅーっ」とガッツポーズをしました。

最初の1ヶ月は育児をしていません。子どもに先天性疾患があり、NICU(新生児集中治療室)に入院していたからです。家では妻の体力の回復促進のため家事を率先してやりました。


育児本番。とりあえずやってみる

子どもが退院して家にきたのは、生後23日のこと。ここからが育児本番です。

最初は育児するのが怖かったです。育休に入る前は、妻に子育てを任せて、私は家事の方を多めにするのかなと思っていました。 でも、育児を始めてみたら、私と妻で2時間ずつ交互交代で育児をする方法が合っていて。まとまった休憩を取るより、こまめに育児をしたほうが負担が少なかったんです。生後2ヶ月から完全ミルク育児だったのも関係して、家事も育児全般も1人1人が独立して担うようになりました。そのため、私自身がなんでもできるようになる必要があったんです。

やってみたら、案外できました。ミルクもあげられるし、お風呂も入れられるし。男でもできないことはないんだなと思いました。「ママじゃないといや」は、まだ言われていませんよ~。


最強のファーストベビ服」で練習したお着がえもお手の物。

1人1人が育児をすることで、お互いが休憩時間をたっぷりとれるメリットもあります。育児に慣れてからは、長めの休憩をもらって、1人で買い物やカフェに行きました。。おかげで、ストレスがたまりませんでした。

パートナーとの話し合いを大事に。「ありがとう」を言える環境を

育休中、妻と1回だけぶつかりました。子どもが家に来て1ヶ月も経たないころ、2人とも慣れない育児に悪戦苦闘して家事がおろそかになったんです。そこで、私が休憩時間に家事をすると、妻から「今は休憩時間でしょ」と言われました。
妻としては、自分の休憩時間はできるだけ寝たいんです。私が動くことによって、妻も休憩時間に動かなければいけないと、プレッシャーを感じたようです。
私としては、残っている家事が気になります。だから家事をしたのだけど、妻自身が休みづらいのであれば、家事をやる回数を減らそうと折り合いを付けました。

現在は、お互い不満をためないように、家族会議を月に1回しています。 気になっているポイントや、改善点などを言い合うんです。また、日頃伝えきれていない感謝を伝える「ほめほめ会」もします。。小さなことでも「ありがとう」と言い合うんです。余裕がなくなると殺伐とするので。おかげで、常に私も妻も「ありがとう」と言い合える関係になりました。


子どもの手術に合わせて育休を延長

実は、最初は6ヶ月取得する予定でした。でも、子どもの手術が生後5ヶ月にあり、手術後に生活がバタバタしそうだったんです。そのため、3ヶ月延長しました。

6か月育休を取るときも、3ヶ月延長するのも抵抗はありませんでした。うちの会社は、割と男性も育休を取りやすい会社なんです。

ただ、3ヶ月延ばす申請をした際に、上司から「2ヶ月延長の10月に復帰してもらえると、他の人事異動の手続きと一緒に手続きができて楽なんだけど」と話はありました。でも、「11月の復帰希望であればそれでいいですよ」と、すぐに認めてもらえました。復職してからも特に不利益はありません。ただ、育休に入る前の担当ではなく、3年前にいた担当へ異動になったため、浦島太郎状態になっています(笑)


周囲から心配されたのはお金のこと

親族に「9ヶ月育休を取る」と言うと、必ず聞かれたことがあります。「お金は大丈夫なのか?」です。
社宅住まいなのもあって、働かなくても困りませんでした。

育休中は、育児休業給付金がもらえます。最初の約6ヵ月間は額面3分の2、6ヶ月を過ぎると額面の2分の1のお金が支給されます。給付金には税金もひかれないですし、普通に働いてたときの手取りと同じぐらいのお金をもらえていました。(※2023年1月時点、厚生労働省HP)

ただ気をつけてほしいのは、すぐに育児休業給付金は振り込まれないことです。私の場合は、育休をとって2ヶ月後に入金されました。出産に関する入院費や2ヵ月間の生活費は確保しておくことがオススメですよ。


育児に専念。「自分は育児ができる」と認識できた

育休のいいところは、”仕事をまったく気にせず育児に専念できる”時間を取れることです。

働いていても育児はついてきます。慣れない状態で仕事をしながら子どもの世話をするのは、とても大変だったでしょう。
そもそも仕事をしていたら、朝早くに出勤して、夜遅くに帰宅するので、育児や子どもとの時間が取れないですし。
ミルクを作ったり、オムツを変えたり、寝かしつけをしたりなど育児に専念することで、「ちゃんと自分も育児ができるんだ」と認識できました。そのベースがあるから、仕事が始まってからも育児ができています。

育休を取得しようと考えている方は、ぜひ、家のことを1人でできるようにしておいてください。2人で育児をする場合、1人が子どもの世話をして、もう1人が休憩や家のことをサポートをする側に回ります。1人で家事ができないと、そのバランスが崩れてしまいます。
せっかく育休をとるのであれば、子どもの世話もできて、家事もできることが理想的な姿です。家のことはなんでも自分1人でできることが大事です。
子どもの世話はとりあえずやってみる!やればなんとかなります。恐れずに、どんどんやって経験を積んで、育児を楽しんでください!


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