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壁の塗りかえ。できれば自然にやさしいペンキを使いたいから

ついに、部屋の壁をぜんぶ塗り替えることができました。白く、広く、明るくなった部屋は気持ちがいい。

さて、このペンキ選びに悩みました。創作活動にもエシカルの視点を入れていきたい、と考えるようになってから、材料を選ぶときに一旦立ち止まり、とくに環境への負担を調べるようになりました。

その延長で、今回のペンキ選びもできるだけ環境負荷の少ない選択をしてみよう!と調べてみたのでシェアしようと思います。

自由研究 エシカルにクリエイティブでは、自分なりに疑問に思った過程や調べてみて現時点でわかったことをシェアします。わたしが得ていた情報が古かったり、誤認がある場合はコメントをいただけるととても有難いです。   筆者より
研究ポリシー 


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自然にやさしいPRが多すぎるけど本当?って疑いはじめると、面倒くさいけれど大切

ちょっとだけ前置きで。「自然にやさしい」「自然由来で安心」という商品PRを見ると、ちょっと斜め上からみてしまうこと(平たく言うとまず疑うこと)がクセになってしまった。どれどれ、ちょっと調べてみようかな。とググってみるのだけど、毎度一筋縄ではいかず....... 調べれば調べるほど難解なカタカナ用語... 化学メーカーのHP... ついには科学論文までたどり着いてしまい... 完全にオーバーヒート。素人の限界をむかえるのです。

これは、とても面倒くさいこと。環境にやさしい、っていうキレイな事をしたいけど、楽なことではないんです。それでも自分なりの答えを出し、自分の時間的キャパ、経済的キャパで今できることをしよう。という気持ちでなんとか続けています。


欲しいペンキの条件

さて、今回欲しかったのはペンキです!環境負荷の少ないペンキを選ぶ、というのが大前提ですが、それ以外の条件はこんな感じ。

・塗りたいところは壁がメイン
・できれば家具にも使い回したいので、下地が透けない色のカバー力も欲しい
・室内利用で安全なもの
・買えるお値段のもの
・下地塗りなしでOKなもの *

*下地塗りについて:下地塗りが必要なペンキもあります。表面がツルツルしてるような素材はペンキがのりにくいので特に下地塗りが必要です。が、壁用や木製家具用などは下地必須と下地なしでOKの商品が混在しているようです。

できるだけ無駄なアイテム・ゴミは減らしたいので、わたしは下地剤なしでOKのペンキのみでいこうと思いました。

水性 vs. 油性

塗料には水性塗料 と油性塗料がありますが、室内使用だと圧倒的に水性塗料が安全です。油性塗料の「溶剤」はシンナーなど揮発性有機溶剤を使っています。だからクサイ!乾いてもしばらくクサイでしょう。。室内には向きません。

「有機溶剤を使っていません!」という油性の商品もあるけれど、今回は室内利用なのでニオイも少なく安全な水性塗料でいきます!


ペンキ候補

上記のわたしのペンキの条件+水性塗料でちょうどいい製品を調べてみたところ、候補になったのがこの4つ。すべて水性塗料です。

1. アニースローン チョークペイント
2. アニースローン ウォールペイント

3. ターナーミルクペイント
4. ターナーJ Colour

結果だけ先に言うと、3は選ばずに1、2、4の製品を購入し使ってみました。

1と2はアニースローン というイギリスのメーカーで、炭酸カルシウム(石灰や貝殻などと同じ成分)が主成分のペンキです。乾いたら子どもが口に入れてもOKという安全基準だとうたっています。

4はターナーという日本の画材メーカーで普段からわたしもよく使っています。このペンキはアクリル絵の具のような溶剤を主に使っています。何より、成分表がどのメーカーよりクリアなのが好感が持てる!同じく炭酸カルシウムも使われています。

では、ここからは各メーカーごとに深掘りしてわかったことです。


子どもが口に入れてもOK? 「トイセーフ基準」のペンキ

イギリスのアニースローンというメーカーについて。今回はじめて知ったメーカーだったので、まずHPでポリシーみたいなものを確認してみると、

リサイクル、再利用、アップサイクルは、リサイクルよりも地球を救うためのより効果的な方法です。すでに所有している家具を再塗装により更新または復元するか、地元で中古家具を購入して、廃棄するのではなく再塗装することで二酸化炭素排出量を大幅に削減します。
引用:アニースローンジャパンHP  http://www.anniesloanjapan.com/pg329.html

DIY文化が根付いているからこその書き方だなぁと。昔イギリスに留学していたときのことを思い出しました。たしかに、古いものを自分色にアレンジして長く使っている文化は実際に見ていたし、ヴィンテージ、蚤の市、街中のチャリティショップ、もちろんDIYも一般的なことだった。メーカーHPに書かれているコンセンプトには現実味を感じたし、素直に好ましい印象を受けました。

そこで「トイセーフ」という言葉、はじめて知ったキーワードです。

チョークペイント®とウォールペイントはいずれも毒性がなく、子供用の家具や壁に適用しても完全に安全です。..... 欧州の厳しい規制(BS EN 71-3:2013)に従って、独立して試験され、Toy Safe(おもちゃの安全)として認可されています。
引用:アニースローンジャパンHP  (http://www.anniesloanjapan.com/pg329.html)

つまり、この塗料を塗ったおもちゃ(もちろん乾いてから)をうっかり子どもが口に入れてしまっても大丈夫、だそうです。

とはいえ、「安全です」というPRはしていても、ペンキの詳しい成分表示や詳細の情報が公式HP上ではあまり見当たらなかったです。(2021.02時点)


主成分の炭酸カルシウムとは?

情報を探してみると、メーカー公式HPではなく日本の販売代理店のHPにけっこう詳しく書いてありました。イギリスのアニースローン社から公式認定された販売店だそうで、情報源は公式から得ているはず。信頼できそうです。

ここでアニースローン のペンキは炭酸カルシウムが主成分だと分かりました。

アニースローンのチョークペイント®は炭酸カルシウムが主成分のため非常に多孔質な構造なので、天然のカルナバ蝋や蜜蝋などの組み合わせで作られたチョークペイント ワックスがチョークペイント表面に浸透し、塗料と一体化で塗膜を形成し非常に頑強な塗装面の保護を提供します。
引用:HUG HP(https://hug-dct.com/?mode=f34)

では「炭酸カルシウム」とは一体なんぞや?

炭酸カルシウムとは「石灰、貝殻、卵の殻、大理石」などに含まれる成分。分かりやすいものだとチョークや肥料に使われていたり、塗料や紙、消しゴムや歯磨き粉にも使われているそうです。

貝殻やサンゴの骨格、鶏卵の殻、石灰岩、大理石、鍾乳石、白亜(チョーク)、方解石、霰石の主成分で、貝殻を焼いて作る顔料は胡粉と呼ばれる。参考:Wikpedia 炭酸カルシウム
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%AD%E9%85%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0)

この説明に日本画の画材である胡粉を見つけて自分の中でピンとつながった感じがありました。そうか、ペンキとして下地を覆う色のカバー力はこれか!と。


アニースローン のペンキ2種、買いました

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「扱いやすそう」「成分の環境負荷が低そう」「トイセーフなら大丈夫だろう」という自分の中で納得感が得られたので、購入してみることにしました。

ちなみに、さすがイギリスのメーカーで色展開が絶妙におしゃれでかわいい!パッケージもかわいい!選ぶのもウキウキでした。ちょっとお値段は高いけど、下地材なしでOKだし、納得できる買い物なので良しとしましょ。

《 購入品 》
チョークペイント → 壁の塗りかえ用、本棚など家具塗りかえ用
ウィールペイント → 窓のサン塗りかえ用
ダークワックス → エイジング加工用

ペンキはチョークペイントとウォールペイントの2種類あるので、違いは日本語の販売店のHPがわかりやすかったです。


実際に届いた商品の成分表示はこんな感じ↓

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成分に記載されているアクリル樹脂については、以前アクリル絵の具について調べ済みなので、ここではスキップします。


どこよりも情報開示しっかりしていた ターナー J COLOUR

壁用に追加で購入したのがターナーのJ COLOURというペンキです。今回、ペンキ欲しいな〜と思い立ってから、けっこうたくさんのメーカーのHPを調べたり、SNSの口コミも調べましたが、一番メーカーからの情報開示がしっかりしていたのが、ターナーでした!

「自然由来で安心」「環境にやさしい」「安心安全」というフレーズだけだと、今のわたしは疑いの目がどうしてもあって、本当に?と思ってしまう。。でも、ターナーは同じように「安全です」と言うだけでなく、成分の配合とか試験結果とかまで記載しているのが良かった。

このメーカーHPのカタログP.11を見ればわかるはず。

ペンキに多く含まれている成分の「炭酸カルシウム」はアニースローン と同じだし、「二酸化チタン」「カオリン」は化粧品や医薬品にも含まれている成分でなじみがある。


なら最初からJ COLOURだけ買っておけば良いのでは?って感じですが、色のバリエーションが多すぎるのと(227色)、色サンプルがわかりにくくて、、壁や家具の模様替えをするにはイメージがしにくかったのが難点....。

今回追加でJ COLOURを購入したのは、部屋の壁全面を塗りかえるには、アニースローン のペンキだけだと予算が厳しくなってしまったからです。最初は壁1面だけ塗りかえるプランが、新しい壁のあまりの気持ち良さに、部屋全面をキレイにしようと変更!J COLOURはリーズナブルだし、元のアニースローンのペンキ色に似ているものを買うことにしました。

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まとめ

部屋の模様替えをしたい!と思い、せっかくなら環境負荷の少ないペンキを選ぼう。とわたしが調べてみた結果をまとめると、

・室内用なら油性ではなく水性塗料がいい◎
・子どもが口に入れてもOKの「トイセーフ」基準のペンキがアニースローン(イギリス製の輸入品) 
・よく使われている成分「炭酸カルシウム」は石灰や卵のカラなどの成分
・日本製ならターナーのJ COLOURが情報開示がしっかりされていてリーズナブル

と、こんな感じです。なにか追加情報などなど持っている方がいれば、ぜひ教えてほしいです^^

使用済みの刷毛は・・・

ちなみに、ペンキを塗った後の刷毛はすぐに水道で洗わずに、残ったペンキを新聞紙などにペタペタと繰り返し塗りたくって、濡れたボロ布で拭いてから最後に水洗いをしています。

「水性塗料だから水道で洗ってもOK」と書いてあるけれど、少しでも水道に流してしまう塗料を減らしたい、とわたしは思います。

いただいたサポートは、ありがたく創作の栄養分に使わせていただきます!ありがとうございます!