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シダフィエルから

世界が氷に包まれる日があった。
まだ私が天使だったとき。

何度も何度も訪れた。

世界は冷たいかたまりだったけど、
産まれた命はすべて暖かかった。

滅びに至る世界は

凍てつく世界ではなかった。

肉塊ども。

その時滅びに至った命はすべて
自分の中に「暖かさ」を持っていなかった。

与えられた「暖かさ」だけで生きてきた命が
氷雪の中で息絶えていった。

そのときの彼らにはなんの落ち度もなかったよ。
人間とは違う。

人間は奪い取った「暖かさ」に依存する。

この星「地球」が誕生してから何度も

世界は凍てついた。

凍てつく世界。

それは今この瞬間のことではないのか?

流す涙だけがあたたかい。

こんな皮肉な世界があるか。


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