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COVID-19 Vaccine AstraZeneca: benefits still outweigh the risks despite possible link to rare blood clots with low blood platelets    ーアストラゼネカ製ワクチンによる血栓の副作用についての後の報告

前回取り上げた記事

への回答に近い文献ー報告書になります。

題名の直訳は

アストラゼネカ製ワクチンの接種の有益性は血小板が少ない条件下でまれに発症する血栓症ー非常に少ない発症率ーのリスクを上回る

さらにこの報告書の元になるのは以下の報告書です。ただし、今回紹介する報告書に遅れること1カ月です。
常識的に考えた場合、以下の報告書の公表の方が先ではないかと感じます。

です。
結論は明確です。

EMA confirms overall benefit-risk remains positive
これは、「EMAはベネフィットとリスクを全体的に考慮した場合、ベネフィットが上回ると判断した」という意味です。
日本と異なり、ベネフィットが先に書かれていますね。

日本では必ず「リスクーベネフィット」と記載します。

血栓症とは通常は血液内で血小板が凝集した結果起こる症状です。
つまり、「血小板が少ない」状態で起こる血栓は少し特殊です。

さらに以下、「タイトル未設定」でしか表示できていませんが、
「Thrombosis and Thrombocytopenia after ChAdOx1 nCoV-19 Vaccination」

という文献です。
この血栓に関しての報告、文献は数多く確認できます。
誤解のないように申し上げますが、「報告文献数が多い」のであって、「症例が多い」わけではありません。

「Thrombosis」は「血栓症」のことです。

以下一部を転記しますと、

We report findings in five patients who presented with venous thrombosis and thrombocytopenia 7 to 10 days after receiving the first dose of the ChAdOx1 nCoV-19 adenoviral vector vaccine against coronavirus disease 2019 (Covid-19). The patients were health care workers who were 32 to 54 years of age. All the patients had high levels of antibodies to platelet factor 4–polyanion complexes; however, they had had no previous exposure to heparin. Because the five cases occurred in a population of more than 130,000 vaccinated persons, we propose that they represent a rare vaccine-related variant of spontaneous heparin-induced thrombocytopenia that we refer to as vaccine-induced immune thrombotic thrombocytopenia.

5例の、静脈中における血栓症と血小板減少症を発症した人が、ChAdOx1 nCoV-19 新型肺炎ベクターワクチンの1回目の接種を受けた5-7日後の人のうちに見られた。
発症患者は32歳から54歳までの医療従事者で、すべての患者において、高いレベルの血小板に対しての、抗体要素ー4–polyanion complexes(血小第4因子)を有していたが、過去において、ヘパリンの曝露は経験していなかった。
この5人は13万人の接種者の中に表れた。
研究者は、これらの事例はワクチンにおける、免疫反応により発生するものというより、さまざまな理由により、自然発生的に起こるヘパリン起因の血小板減少症が、なんらかのワクチンの影響を受けて発生したのではないか、と提案している。(このあたりの訳は正直自信ありません)

ここでは、血栓症と血小板減少症を分けて書いてあるように見えます。
実際には「血小板減少を伴う血栓症(thrombosis ”with "rombocytopenia)」の報告ではないかと思います。

☆日本語サイトを見つけました。

日本においては日本脳卒中学会、日本血栓止血学会が

「アストラゼネカ社 COVID-19 ワクチン接種後の
血小板減少症を伴う血栓症の診断と治療の手引き・第 2 版」

というものを出しています。

これは今年6月の作成なので、最新のものと言えるでしょう。

タイトルは上に示したとおりですが、医師向けの情報です。

*リンク抜けがありましたので修正いたしました。

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