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飾り山笠を見てまわる


博多では、7月1日から15日に櫛田神社の夏の例大祭である博多祇園山笠が行われます。
この期間は、中洲川端、天神地区を中心に、福岡市中心部の10数ヶ所に山笠が置かれています。
山笠とは博多祇園祭りの山車のことですが、実際に担ぐ舁き山笠(カキヤマ)と、豪華な飾り付けをした動かさない飾り山笠があります。ちなみに博多では、神輿を担ぐことを山笠(ヤマ)を舁(カ)くといいます。

山笠は毎年造り替えるので、この期間しか見られません。
今回は飾り山笠に絞って巡ってみました。2022年バージョンです。

まず、地下鉄箱崎線の呉服町駅すぐの呉服町ビジネスセンターロビーにある東流(ヒガシナガレ)の飾り山笠です。
飾り山笠は表と裏の2面に、それぞれ違うテーマで豪華な飾り付けがされています。しかし、裏にあたる面は、裏とは言わず見送りといいます。
ここの標題は表、見送りとも源九郎義経伝説です。表は、勧進帳の場面。見送りは鞍馬山です。どちらも豪華絢爛ですね。


次は、ホテルオークラと博多リバレインの間のアーケードにある博多リバレインの飾り山笠です。標題は西国無双忠節誉(サイゴクムソウチュウセツノホマレ)。博多座が近くにあるので、歌舞伎の演目を毎年恒例のテーマにしているそうです。

大迫力です。

見送りは、桃太郎です。鬼の情けない顔が同情と笑いを誘います。


川端商店街にある飾り山笠。表は京伝牛若丸。見送りは来年の世界水泳福岡にちなんだものでした。


続いては、走る飾り山笠の上川端流の山笠。この山笠は、飾り山笠であるにもかかわらず舁き山笠にもなるそうです。10m近い高さの山笠をどうやって担ぐのでしょう。見てみたいです。
表の標題は、源頼政鵺退治誉(ミナモトノヨリマサヌエタイジホマレ)。見送りは、出雲阿国(イズモノオクニ)です。


櫛田神社です。表は義経千本桜。見送りは金太郎。ここは1年中飾り山笠を飾っています。
義経物が多いのは、ドラマの影響もあるのでしょうか。


お隣りの商業施設キャナルシティ博多へ。噴水のあるサンプラザステージに山笠はありました。
大迫力の弁慶衣川大奮戦(ベンケイコロモガワダイフンセン)が表、見送りは浦島太郎竜宮縁(ウラシマタロウリュウグウノエニシ)。ここは噴水とのコラボも美しいです。夜にはキャナルアクアパノラマというショーもあるそうです。


またまた、義経と弁慶。そして浦島太郎の飾り山笠は、中洲流の山笠です。表が、五条牛若丸弁慶(ゴジョウノウシワカマルトベンケイ)、見送りが浦島太郎噺(ウラシマタロウバナシ)ですが、他所とテーマは同じでもそれぞれの山笠で、人形師も違うし、趣向や場面が違うので、見ていて楽しく飽きません。山笠の高さもそれぞれ違います。ここは高くて上が見えないほどでした。


天神地区へ行きます。
大丸の横のアーケードにある天神1丁目の山笠は、表が天神縁起伝、見送りが清涼殿落雷とどちらも菅原道真がテーマです。この山笠は祭りが終わると、太宰府の九州国立博物館で半年間展示されるそうです。
地名の天神も菅原道真からだし、天神づくしですね。


天神ソラリアプラザの吹き抜けには、表が剣撃大蛇素戔嗚尊誉(ケンゲキダイジャスサノオノミコトノホマレ)、見送りが一飄風造御笠森(イチヒョウフウミカサノモリヲツクル)と、難しい標題の山笠がありました。どちらも古事記や日本書紀にある話だとか。豪華な建物内で見る山笠も素敵です。何より涼しい。


すぐ近くの新天町のアーケードにあるのは、表が望天下哉賤ヶ岳(テンカノゾムヤシズガタケ)、見送りは庶民的でサザエさん。サザエさんの作者の長谷川町子さんは、戦時中福岡市に疎開していたそうです。


さて、天神から離れて、渡辺通1丁目交差点サンセルコ前広場にも、チビッコに人気のキャラクターの山笠がありました。アンパンマンと仲間たちです。よくできてるなあと感心しました。表は、新選組風雲録伝(シンセングミフウウンロクデン)です。


福岡の玄関、博多駅の博多口にも飾り山笠があります。
表は、いざ、鎌倉。
見送りは、地元テレビ局のPRでした。


最後です。ペイペイドーム隣りの商業施設マークイズ内にあるのは、表が、奪取 玄海鷹、
見送りが、決闘巌流島です。
表がホークスですよ。さすが福岡ドームの山笠ですね。


以上が2022年の飾り山笠です。暑い中巡りましたが、スタンプラリー気分で楽しく回ることができました。
実物は豪華絢爛で見応えがあり、とても写真では伝えることができません。
機会があれば是非、本物の迫力を味わってほしいと思います。