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オンラインは安いという幻想が壁?イベントをハイブリッド主催した感想

こんにちは。先日、ad:tech tokyoでリアルとオンラインのハイブリッド開催をしました。
1.5万人規模のイベントをハイブリッドに切り替えたこと、そして新型コロナ第二波・第三波のニュースが相次ぐことで、これからの開催はハイブリッド開催だよね!というお声をよくいただきます。


実際、オンライン並走は避けられない道だと思いますし、来年も堂々ハイブリッド開催しようと思っています。ですが、明るい面ばかりではないので、あえて今回はネガティブな部分を晒してみます。

コストは純増、どうマネタイズするかが肝

コストは増加しました。理由は、主に以下。今までのリアル開催費に加えて、オンライン費が上乗せされる形になるからです。

【ハイブリッド開催のコストが増えてしまう理由】
・入場者は減る一方で、50%の入場制限があるので大きな会場をおさえる必要があり、会場コストは一切減らない
・感染対策で備品代や人件費は純増(例えばサーモカメラや消毒要因など)
・上記に加えて、オンライン配信コストが加わる ←ここ重要
・加えて、問い合わせ対応などのオペレーション負荷も倍増
 などなど

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例えば、福岡市にはこういった状況を汲み取った素敵な支援策があったりするので、開催する際は自治体や会場側のサポート内容もチェックしてみるとよいと思います。残念ながら東京は・・・ry涙

加えて、ハイブリッド開催だからといって、参加費が今までのオンラインよりも値上げされたり、スポンサーが激増することはありません。なぜかというと、コロナ禍のハイブリッド開催は、+αの価値提供というよりかは、「本当はリアル参加したいのに、できない人たちが大半。その人たちのために、リアル参加以外の代替手段をご提供する。」というニュアンスが強いからです。代替措置のために、追加課金なんて、とてもできませんよね。

もちろん経営的には売上があがればコスト激増でも大歓迎ですが、こういったご時世での売上激増はかなりハードルが高いので、コスト増はとてもつらいよ、という話です。

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なぜかオンラインはとても低く見積もられている悲しい現状

さらに追い打ちをかけるのが、オンラインはなんとなくリアルよりすっごく安い!という感覚です。無料の場合も多いです。
どうしてなのでしょう・・・?
ぜひここは議論していきたいのですが、オンラインだから格安になる、というロジックは、どう考えても長期目線には成り立たないのです。
実際に、リアルよりも80-90%程度、オンラインチケットの価格を安くしているイベントをたくさん見かけます。確かにフルオンラインの場合、会場費などは浮きますが、さすがに80%ものコスト減にはならないと思います。そもそもで、コンテンツ制作のコストや人件費は同じですから。

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コロナでリアルイベントができないからウェビナー収録を行ったら、意外とスタッフや機材が増えてしまい、結果その収録現場が密になった、という笑えない笑い話、よく見かけたり聞きませんか?

オンライン=とにかく安いという、おかしな金銭感覚が通ってしまっているなかで、ハイブリッド開催します!といって、チケットの値上げをするのは相当ハードルが高いのです。。

これからどうなる?どうする?

12年間の実績と関係値があって、ad:tech tokyoはパス金額を変えずに開催することができました。結果として、①リアル②ハイブリッド③オンラインのチケット価格を全て同じにできたといえます。①②はよくある話ですが、①=③は珍しい例かと思います。
たくさんの参加者さん、スピーカー、そして今年も変わらずついてきてくださったスポンサーの皆さまには、本当に感謝しています。

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ポジティブにとらえるならば、+αの価値を追求していけば、①ハイブリッド②リアル③オンラインの3軸での、それぞれの妥当な価格設定の可能性はあり、マネタイズの道はまだまだ残されていると思います。

今回も、新たな付加価値としては、見逃し視聴(1週間アーカイブ動画見放題)という試みを初めて実施しました。
リアルに重きを置いていたので、画質やUIなど課題はまだまだありますが、概ね、良いフィードバックをいただけました。ハイブリッド開催、本当にやってよかったです!

まだまだ手探りではありますが、新しいイベントの形を模索していきたいと思います。ありがとうございました🌈

実績レポートはこちら▶https://adtech-tokyo.com/pdf/After_Report_2020.pdf



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