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2021.03.05  桜井さん 宇多花織

桑沢では、学生同士4人が1グループで大きなテーブルを囲んで座る。だからおしゃべりで賑やかになりやすい。桜井さんは普段温かく見守るタイプで怒ること無く穏やかに授業をされるのだけれど、たまに生徒がヒートアップしてうるさくなったときには、緊られる方でしたね。私は、桑沢で桜井さんとご一緒する前に教職のクラスを3年造形で教えていたのですが、教えるということにまだまだ未熟だったんです。桜井さんが「自由にやって構わないから、自由に伸び伸びとね。」とおっしゃってくださりました。印象に残っています。

桜井さんは授業では余計な事は言わないで、この人には今言っていたほうがいいかな?という人から声を掛けられる。必要のあるところから。        そして授業の傍ら、頭像制作をされていらっしゃるのです。回転台を置かれ芯棒からの粘土付けをされるのです。ちらちらその人を見ながらの粘土付け。始めて粘土を触る生徒たちにとっては、芯棒からの粘土付けの過程を目の前で見せてもらえて救いでしたね。 1年4クラスでしたから、毎年4つは必ず造っていらっしゃた。潰してしまわれるときもあったけれど、授業のない日に学校に来られて石膏取りをされていらっしゃりましたね。桜井さんに「毎回石膏取りされるのですね。」とお声掛けましたら、「幾つになっても、勉強しないとね。」とおっしゃられたのです。

頭像は、人に対する温かさが溢れている。                 モデルの人とそっくり、というのではない。桜井さんの感性のフィルターを通して造られたかたちは、つくられたモデルさん自体凄く魅力のある素敵な人だったのだろう、という見る側に思わせる、温かい目線で造られている作品。

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石:石であっても自分のかたちをつくる。石に委ねるのではなく。ごまかすのではなく、素材と真摯に向き合って、自分のかたちにしていく気がする。凄く誠実な姿勢で取り組まれている。感性のフィルターがせせこましくない。気持ちのいいゆったりさせてくれる感性。それは全身像でも。ゆったり伸びやかな気持ちにさせて、優美なライン。

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桜井さんが、「粘土仕事をご自宅の庭でしているんだ。」とおっしゃったことに驚いた記憶があります。「地面が平でないから平行が取れないし、粘土は乾燥しちゃうだろうな、と思ったので、、、。」

桜井さんのお仕事は、自分の大事にしている骨太なところは凄くしっかり拘る。枝葉は、そんなに気にされない。だから言いたいことは、ストレートに伝わってくる。枝葉には執着せず、媚びたところもまったくない。サービス精神がないのかもしれないけれど、どういう目線で感じて造っているかがストレートに伝わってきます。   

      宇多花織さんとお電話でのインタビューより 2021年3月5日

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写真1 2021年3月10日薬師池公園にて父とケイコ〈娘〉          写真2 Ayako (学生)1998年第62回新制作協会展出展作品 撮影桜井敏生   写真 3「夜間生」     1999年第63回新制作協会展出展作品 撮影桜井敏生


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