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産科の入院生活はブートキャンプ(2)

3時間ごとの授乳もダブル
まずは、ポコ彦がいる一般新生児室での授乳指導。20名くらいの赤ちゃんがずらっとベッドに並び、ディズニー映画のサントラがエンドレスリピートで流れる明るい部屋。それぞれの赤ちゃんのベッドの前にママが座って授乳する。看護師さんや助産師さんなどスタッフは女性のみ。
ビデオを見た後にさっそくオムツ替えと母乳のあげかたの指導を受ける。
赤ちゃんの抱き方すらおぼつかない私。まだ母乳のでない乳首を助産師さんや看護師さんにかわるがわるつねられ、これまたものすごく痛い。歩くも座るもかがむのもすべての動作でお腹の痛みを感じる中、あれやこれや搾乳の説明までされても、私の頭はついていけず、初回は訳わからずにとりあえず小さき自分の赤ちゃんを抱っこできたことを嬉しく思った。岩海苔のような深緑色のうんちや勢いのよいおしっこも、元気に生きている証拠。ああなんてかわいいんでしょう。

この後すぐに、別フロアのGCU(新生児回復室)に移動してポコ子のお世話と授乳の時間。

薄暗く終始いろんなモニターの機械音が聞こえるGCUの部屋。10数名の赤ちゃんがいて、みんな小さな身体に酸素濃度や血圧などをモニターする機械が取り付けられている。赤ちゃんの症状により、ベッドや保育器も特殊な装置が付いたものまで様々な種類がある。産後すぐでママが一緒に入院している場合もあれば、ママはすでに退院していて日中に授乳やお世話に通っている場合もある。この部屋での授乳は基本的にボトル(哺乳瓶)で。男性スタッフもいるため、母乳を直接あげる場合は隣の小さなお部屋に入ってあげる。
GCUは一般新生児室よりも衛生管理や授乳の管理等がより厳格。使い捨てのビニールのエプロンを着たり脱いだり、グローブを付けたり外したり、オムツを捨てる前におしっこの量を測ったり、搾乳した母乳の持ち込みにバーコードラベルの読み取りが必要だったりとお作法がいろんな点で違う。
ポコ子はポコ彦よりも小さく、その分ミルクを飲む力も弱く時間がかかったりして、でもやっぱりとってもかわいくて。一緒に過ごせて嬉しかった。
新生児室とGCUをはしごするとあっと間に2時間が過ぎていく。

一般の新生児室の授乳タイムが、0時、3時、6時、9時、12時…、GCUの授乳タイムが1時、4時、7時、10時、13時…の3時間ごと。
そのため、授乳のはしごをすると1セッションに2時間以上かかり、インターバル1時間弱を挟んでまたすぐ次のセッションという流れになる。
インターバルの間も看護師さんの巡回、点滴・注射、トイレ、食事、シャワー、洗濯などもあるため、フルでゆっくり休んでいる暇もない。なおかつ私の病室がフロアの奥の位置にあり、新生児室もトイレも遠く、背中をくの字に曲げてそろりそろりと歩くゾンビ状態の身にはとても辛かった。食事はほぼ提供された時間に食べることはできず冷めてしまったものをいただくことに。ただでさえ残念な食事が、より味気なくなってしまった(涙)。シャワーはお預けってこともあった(涙)。

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この3時間ごとの授乳、さすがに術後の身には辛く、最初は夜10時のセッションのあと休ませてもらった。2日後くらいには深夜1時のGCUの授乳セッションのあと2時くらいに病室に戻り、翌朝6時前に起床。
ええ、この病院は母子別室でラッキーだったし、退院後に家で面倒見るときには夜中でも朝方でも休みなしなのは分かっておりますが、入院中は傷も痛いし休養させてもらいたいし、スタッフの方に頼らせて欲しい〜!
あと、双子を並べてお世話できたら、もっと時間短縮できるだろうに〜!とすごく思った。

そんなインターバルの隙間時間に、ベッドの上でイヤホンで音楽聴きながらストレッチするのが、束の間のリフレッシュタイムだった。「入院プレイリスト」作っておいてよかった。

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