見出し画像

ポルトガルの片田舎で手に入る食材で究極の和食

先日、漁師町、セジンブラの役所に用事があったので、その後に市場にフラッと行ってみた。そしたらその日は青魚がどれもとっても新鮮だった。

イワシはよく太っているし、アジも目がキラキラしている。その隣にあった鯖も、お腹がぷっくりしていて新鮮そのものだったので、試しに買ってみた。市場で見る鯖は新鮮でも開いてみると、身が割れていることがとても多いので、普段は魚の卸業者に注文することが多い。でも自分達用だしせっかくだから!

手前はPetingaという小さな鰯

身はやっぱり割れていたけど、脂はよく乗っていて、鮮度はとても良かった。これだったらしめ鯖ではなくて、一夜干しにしよう!

塩水につけて、一晩庭で干す。風もいい感じにあって、うまく干せそうだ。

鯖の上には、今ちょうど実験的に作ってみている梅干しも。こちらには日本で見るような梅はないので、見た目は梅っぽいプラムを買ってきて作ってみている。赤紫蘇はリスボンの庭にジャングルのようによく育っている。

これも、先日家から一番近い、本当に地元の人たちしか行かないような、小さな青空市場に、なんと大根を発見した!大根なんて、リスボンの街中でも、中華街に行かないとなかなか手に入らない野菜。聞くと、この近くで作っているらしい。こんな片田舎で、一体ポルトガルの人たちはどうやって食べるのだろう?スープに入れたり、カブ的な感じで調理して食べるのだろうか?今度聞いてみよう。

辺りが暗くなり始めるくらいの時間に、「今日はここで食べよう!」と庭のバーベキューコンロの横にテーブルを置いて、晩御飯の準備。
一夜干しもいい感じに仕上がり、いよいよ炭火焼き。美味しそうに焼けたら、買ってきた大根をおろして、横に添えた。

網はこっちのスタイルで挟み焼き!


鯖はホワッとしていて、脂が乗っていて、それは美味しくてご飯によく合う。大根と合わせたら、これはもう最高の和食だ。お醤油だけは、日本産の美味しいものを用意したけど、醤油がなくても、サバと大根おろしだけでちょうど良かった。

こんなポルトガルの片田舎で、ローカルな食材だけを手に入れて、日本に帰ったら絶対に食べたいな!と思うような鯖の一夜干しと大根おろしが食べれるなんて、考えてみれば本当にすごい。これって、ポルトガルという、青魚が美味しい地にいるからなのか?それとも和食というのは、こういったシンプルで、素材の味をとことん生かした、究極の引き算の調理法だから、他の国でも現地の食材で楽しむことができるのか。


なんだか不思議な感覚で、こういうシンプルなものが一番好きだなぁ、ポルトガルっていいなぁと心から思った夜だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?