チーズフォンデュ

「チーズフォンデュ、食べに行かないかい？」
主人にしては珍しくハイカラな食べ物のお誘い。
大抵は、蕎麦とかラーメンなのに。

「行く行く！」
私は二つ返事でOKした。

そのお店は、地下鉄麻生駅からすぐ近くにあった。
薄暗く細い階段を上ったビルの2階がお店だ。
(こんなお店、よく知ってるなぁ。)
私は辺りをキョロキョロしながら、お店に足を踏み入れた。

入ってすぐのところにレジがあった。
ここのお店は、先に会計をするシステムのようだ。
メニューを見ると、どうやらここは、ハンバーグが"ウリ"のお店のらしい。
(ハンバーグ屋さんでチーズフォンデュ？)
不思議だなぁと思いながら席に着いた。

二人掛けのテーブルに、主人と向かい合わせに座る。大きな窓にはレースのカーテン。
厚手の生地のためか、外の様子はよく見えない。

時刻は午後2時。
いい具合にお腹が空いてきた。
(チーズフォンデュなんてひっさしぶりだなぁ。楽しみ！)
店員さんが、水の入ったグラスをテーブルに置いた。
(いや〜いよいよだな。早くこないかな)

・・・と、そこで目が覚めた。
夢だった。

チーズフォンデュ、食べ損ねた！！
食べたかった！！！