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恐怖の車内

さて、
帰るとするか。

PM8:00。
用を済ませた私は、車に乗り込み札幌から苫小牧へと向かった。

ドライブのお供は「カシューナッツ」と
ペットボトルの水。

視線は正面、右手はハンドル。
左手はカシューナッツの袋と私の口を行ったり来たり。

左手が私の口を何往復した時だろうか。
左手の甲にモソモソ…サワサワ…というような違和感を感じた。

「あれ?髪の毛でもくっ付いているのかな」
そうして一瞬視線を左手に移すと、、、

ひゃ〜〜〜

7ミリほどの
黒くて
丸っこい"虫"が
私の左手の甲を歩いていた!!!!

ギャーー‼️

それが何の虫なのかを確認する間もなく
慌てて左手を振り払った。
が、しかし…相変わらず私の左手の甲にくっ付いている謎の虫。
私は咄嗟に右手の親指と人差し指で輪を作り
人差し指で思い切りその謎の虫を弾いた。

パチン!

どうやら奴は
ペットボトルにぶつかったらしい。

ホッ。

*****

ホッとしたのも束の間。
なんだか今度は左足のくるぶし辺りがモゾモゾする。
背筋がゾッとする。
奴は、まだ存命しているのか?
おそらく指で弾かれたくらいじゃどうってことないのだろう。

私は、今度は左手でスカートの裾を揺する。
恐る恐るくるぶし辺りを触ってみても
奴がくっ付いている気配はない。
どうやら、ロングスカートの裾が足元に触れて
虫が這っているように感じたらしい。

そう。
このスカートは、
先日娘が「私には大きすぎるからお母さんにあげる」と言って私に譲ってくれたものなのだ。
162センチの私でも十分ロングなのに
156センチの娘なら引きずるくらいの長さに違いない。

スカートの裾が、
何度も足首辺りに触れて気になるので、
私は、スカートの裾をひざの辺りまでたくし上げた。
外は暗いし、車の中だし、
誰に見られる訳じゃないし、いいだろう。

が、しかし…
今度はひざ付近がモゾモゾする。
なんだかどこもかしこも痒くなってきた。

気のせい、気のせい、虫はどっかに行っちゃったんだから大丈夫!
私は、気を落ち着かせようと
水を飲もうとした。
フタを開けたままの
ペットボトルを口に近づけて飲もうとしたその時、
嫌な予感がしてペットボトルから口を離した。

*****

もももも…もしかして…
奴はペットボトルの中に入っているんじゃないだろうか。
恐る恐る、1/3だけ残っている透明な液体を
わずかな光にかざして見てみた。

・・・

いない!
よかった。
奴はここには飛び込んではいなかったようだ。

ホッ。

…としたのも束の間。
今度は、左後部座席付近から
「ブーン」という不気味な音が聞こえてきた。
奴は、まだ生きてる!そして、飛んでいる!!
ブルッと身震いをした直後、
今度は、私の頭頂部に何かが触れた感じがした。

ヒャ〜〜〜勘弁して〜!
恐ろしくて頭を触ってみることもできない。
仮に、もし触ってみて
あの黒くて丸っこい物体の輪郭が
この指に触れたら???
ハンドル操作を誤ってもおかしくない。

私は、そのままやり過ごすことにした。

…が、今度は!
右ひざの辺りがモゾモゾする!!!

一体なんなの??

恐る恐る右ひざを触ってみると…
車のキーに付けている、
トゥシューズ🩰のキーホルダーがユラユラ揺れて、
私の右ひざに触れていたのだ。
(キーを入れるタイプの車なんです💦)

まったく人騒がせなキーホルダー💢

約2時間後。
無事、奴に襲われることなく帰宅。

暗い車内。
相手がどこに潜んでいるかわからないという恐怖。
いつ襲われるともしれない
危険と隣り合わせの
札幌〜苫小牧の恐怖のドライブ、
恐怖の車内であった。


*オチがなくてすみません
怖かったの〜😆

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