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「佐藤可士和展」に行ってみよう。

先日、六本木にある国立新美術館で開催中の「佐藤可士和展」に行ってきました。

本当は一人でも行こうと思ってたのですが、現在一緒にお仕事をさせていただいている会社のメンバーの方々と打ち合わせの際、この展示の話をしたところ「ぜひ行ってみたい!」ということになり、社会見学と称して一緒に連れて行っていただけることになりました(ありがとうございます!)。

せっかく体験したことも時間がたてばすぐに忘れてしまうので、文章に残しておきたいと思います。

補足:佐藤可士和さんは、日本を代表するクリエイティブディレクター。ユニクロ、セブン-イレブン、楽天グループ、今治タオルなどのブランドクリエイティブディレクションや、企業施設のトータルプロディースなども幅広く手がけておられるすごい人です。

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こんなところでミスチルに出会うなんて。

展示は写真撮影OK、動画撮影NGということでした。また、持参のイヤホンを使って佐藤可士和さんご本人の解説も無料で聞けるという贅沢っぷり。

普段、美術館などのこういう音声解説サービスは有料だったり専用の機械を貸し出してもらわないといけなかったりで、わりと面倒なので今まで利用したことがなかったのですが、やっぱり「どんな考えで作ったか」みたいな裏側の話が聞けるならぜひ聞いておきたいですよね。

音楽関係のお仕事で特に大きく取り上げられていたのは、街中をメディアにした(!)というSMAP10周年のときのプロモーションのさまざまなプロダクトや広告ディレクションでしたが、私が一番「うわぁあああぁ!!」と思ったのは、やっぱりミスチルの作品でした。

『シフクノオト』とかBank Bandの『沿志奏逢』も、佐藤可士和さんのお仕事だったんですね・・・。

アルバムジャケットの原画も展示されていて、本当に子どもが描いたみたいな無垢なアートでした。あれ可士和さんがクレヨンとかで描いたのかな?

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なんかこうやって、誰かの人生のマイルストーンになるような楽曲とか作品も、当たり前だけど誰かの手による「仕事」として世の中にリリースされているんだなあって思いました。

これ作った人って、実在してるんだねw
みたいな。いやいやもう本当に当たり前なんだけど!!

人々の記憶に残る仕事ってかっこいいな〜〜〜って心から思いました。

あとは、前述の渋谷の街頭をジャックしたSMAPのプロモーションとか、TSUTAYA六本木店(だったか忘れたけど)とか、ユニクロ銀座店とか(場所は違ったかもw)、こういうイノベーティブな取り組みはやっぱり東京から発信されるんだなぁと改めて実感しました。

そのSMAPのやつの頃とか私関西に住んでたし、そういうことが行われていたことも知らなかったです。全国で流れてたステップワゴンのCMは「懐かしい〜!」って感じだけど、ほかの「日本1号店」「国内初」みたいな東京ローカルなやつは「ほへ〜」って感じ。笑

地域格差!!

これぞ「インスタレーション」作品

一番広い展示室には、誰もが知っている超・有名企業ロゴたちが、その業態を表すような方法でどどーんとでっっっかく展示されていました。

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日英で2つ並んだ、ご存知ユニクロのロゴの存在感たるや。

これはまさに「インスタレーション」というやつですね。展示空間を含めて体験する、ってやつ。

ちなみに以前体験したやつはこれ☟
やっぱどっかに書いておくと思い出しやすい笑。

SNSで話題になっている「ロゴの設計図」もこの部屋に貼ってありました。

一枚の紙にロゴの仕様がきっちり書いてあって、これだけでそりゃーもう立派な展示物になりますよねっていう「美」と「尊厳」がありました。私もしっかり写真撮っておきましたよ。

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どう「コミュニケーションする」か?

あんまり長々と書いても読む人が疲れると思うので、どんどんいきます。

日清のコーナーのがちゃがちゃした感じもすごく好きでした。見てるだけで楽しくなるようなコミュニケーション。ってか、インスタントラーメンに「楽しい!」みたいなイメージを持たせてくるのがすごいと思います。

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この壁に雑多に貼られた日清のインスタント食品たちのステッカー。どれも馴染みがあるぶん、余計かわいく感じます。

もしグッズショップでこのフレークシールとか売ってたら、たぶん勢いで買ってたと思います(※もちろんそんなものはありませんでした)。

横浜にある「カップヌードルミュージアム」も過去に行ったことがあるのですが、めちゃくちゃ楽しい体験だったと記憶しています。あの施設も、ロゴを含め佐藤可士和さんのディレクションだそうです。あっぱれ。

「こうしよう」を、自らの手で形にできるなんて。

本当に色々な業態の企業や団体とのお仕事をされていて、そのどれもが素人からみても「すごいな〜〜〜〜〜〜」と関心感動するばかりなのですが、私がもし「佐藤可士和展でどれが一番印象に残った?」と聞かれたとしたら、

「今治タオルのやつ」

と答えると思います。

今治タオルのお仕事については音声ガイドでもご本人が少し解説してくださっていましたが、展示のところに掲載されていた説明文と、タオルの品質を説明するためのショートムービーがすごく印象的でした。

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今治タオルをブランドとして確立させていくために新しい制度を作ることを提案したりだとか。そういう根本から大きく動かすアプローチや思考のプロセスが、ビジュアルを「デザインする」だけでなくクリエイティブな側面から「ディレクションする」ということなのかなと思いました。

「どうあるのが一番いいか」を考えて、提案して、さらにそれをちゃんと目に見えるものとして形にする、までできるのはすごいですよね(もちろん一人で全部やってるわけではないにしても)。

規模が大きければ大きいほど、全体の方針を決める「ディレクター」と、実際に形にする「クリエイター」って、別の人が分担してやるものではないかと思うのです。

その人の思考のスケールによるのかもしれないですが、やっぱりものごとって”実現の道のりがイメージできる範囲”で捉えてしまいがちではないでしょうか。

でもそれを実際に作るところまで自分でできる技術があれば、そもそもの発想のスタート地点もさらに"クリエイティブ"になれるんじゃないかと思いました。

だって「こういうのがあればいい!」って思ったものを自分の手で作れるって、なんていうか、もう最高じゃないですか(笑)

佐藤可士和さんは、絵も描くしギターも弾くそうです。それだけ表現手段が多いと、世界の見え方も全然違うんだろうな〜って思います。

まとめ

こういうのを書き始めると永遠に書けそうな気がしてしまいますが、このへんで締めたいと思います。学校で何かの感想文を書かされるのは全然楽しくなかったのに、いつの間にこんなに感想を文章にしたい人間になったのでしょうか。

最後に、佐藤可士和さんご本人が解説する音声ガイドのなかで一番心に響いたコメントをご紹介します。

「僕にとって、美しいものは強いのです。人を、惹きつけてしまう力があるからです。そんな考察を、ずっと続けながら、作りつづけているのです。」
/佐藤可士和

会場を出たあと一緒に行った2人とも話をしましたが、それぞれ一番印象に残ったことや、インスピレーションを受けたことも違って、そういうお互いの体験を共有できたことも含め、非常に充実した時間でした。

私は、可士和さんがそのふわふわの吸水性に感動したという今治タオルのハンドタオルを買いました。あやかろう〜〜〜!笑

私も、自分なりの方法で「形にする」ことができるように、もっと頑張ろうと思います。

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☟「佐藤可士和展」は2021年5月10日まで開催しています。


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