保育園に性教育の絵本を寄贈したいと持ちかけた話

2021.4.26 追記・修正しました。「男児女児どちらも加害被害をするされる可能性がある」「元々は純粋な興味ではないか」「興味を持つのは悪いことではない」「性教育トイレットペーパーの紹介」など。

子ども同士の性被害があると知った

Twitterでとても衝撃的なツイートがあった。心して読んで欲しい。性被害を受けた経験のある人はフラッシュバックする可能性があるので、次の目次まで飛ぶことをおすすめする。

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初めて見た時、あまりにもひどい被害内容で、のどがつぶれるように苦しい気持ちになり泣いてしまった。

今は、親御さんはこのツイートを載せたアカウントから別アカウントに移行して、お嬢さんのPTSDと向き合うつらい日々をつづっている。

他にもこんな体験談を目にして、子ども同士の性被害が珍しいわけではないことがわかる。

こちらは漫画で読みやすくわかりやすい。

私の可愛い0歳の娘がもし同じ目に遭ってしまったら、どのように落とし前つけてやろうか…!とも思ったし、どうすれば防げるんだろう、と思った。


今が園にかけ合うのにすごくチャンス

私の可愛い娘ちゃんがすくすく育ち、保育園も何とか決まり、4月から一歳クラスに入園し、いまはまだ慣らし保育中。

そのなかで、このニュースをTwitterで見かけた時、チャンスだ!と思った。このニュースとは…↓

2021年4月16日のニュース。ホット!!

水着で隠れるところは誰にも触らせない、という性教育、人権教育の基礎の部分。

"文部科学省は「教材はすべてホームページからダウンロードできるので、保育所や教育機関で積極的に活用してほしい」としています。"

"専門家「今まで欠落していた部分で大変大きな1歩」"

すごい!国が作成していて専門家も評価してる!これなら信頼性が高い!

しかも私が娘を通わせている保育園は認定こども園。
幼稚園は文部科学省の管轄
・認可保育所は厚生労働省の管轄
認定こども園は内閣府管轄だが文部科学省とも厚生労働省とも連携

だから「文部科学省」が言っている、と書かれているのもすごくありがたい!園長先生も無視できないはず!(その指示がなければ、各家庭で教育すべきでは?と保育園はきっと思うよね)

最近こういうニュースがありましたね、というのはきっかけにしやすい!

慣らし保育中で、準備できる今のうちに渡そう!

ということで、保育園にお手紙を書いた。

保育園に書いたお手紙

いつも娘が大変お世話になっております。

絵本の寄贈ができるか伺いたいです。
子ども同士の性被害が起きないか心配しております。
子どもは悪いことだとわかっていて、大人から見えないところで、大人が見ていない隙を狙ってやろうとします。
保育体制に関わらず、保育体制の隙を狙って子どもがしようとするものだと思います。

あるお母さんがSNSで心情をつづっていて特に衝撃的だったものでは、娘さんが同じクラスの男の子から膣をぐちゃぐちゃにかき回されることが続き、血が出た日も多く(お母さんはまさかそんなことが起きているとは知らず)、事が発覚してからもその子がPTSDで夜眠れないことが続き精神科に通っているそうです。また、こども園は加害した男の子の「何もしてない」という嘘の方を採用して娘さんの方が嘘をついていると言い、すぐ弁護士が出てきたなど対応がひどく不誠実だったことから転園したそうです。その子は4才だそうです。(Twitterで@musumenomeiyom1というアカウントでお嬢さんのつらい日々をつづっていらっしゃいます。)
そうすると性教育を始めるのは小学校からでも5才からでも遅いですよね。
SNSでは同じように保育園幼稚園で被害を受けたという経験談が多く届いたそうです。珍しいことではないということですので、防ぐ手立ては何らかしたいと思いました。

娘にも嫌だと怒れる子になってほしいのですが、優しいいい子なので性格的に難しいかもしれないと思いますし、
そもそも加害を加えようとする子がいなければ被害者にならないので、
子どもたちに知識を与えること、加害者となる子を作らないこと、加害者になるような環境を作らないことが大事だと私は思います。

それぞれの家庭で一定レベルの性教育ができればいいのですが、加害者になってしまう子の家庭に任せてそれがなされるとは思えません。

そもそも幼児から保育園幼稚園で性教育をする海外と比べて日本は性教育に関してとても後進国で、私たち親世代の子ども時代から今までも何も指針がありませんでした。

やっと、“子どもの性被害を防ぐ教材”を国が初めて作成したと、先週4月16日ニュースになりました。
文部科学省は「教材はすべてホームページからダウンロードできるので、保育所や教育機関で積極的に活用してほしい」としています。
園で性教育するかどうかについては、
おそらくこれから検討準備されるものと思いますが、
カリキュラムや準備への時間的都合など園にはさまざまなご事情で、すぐには難しいと思いますので、
せめて貴園に絵本を寄贈することは可能ですか?

・たきれいさんの「性の絵本 0」〜0歳から 2〜5歳の学年に一冊ずつ4冊
・たきれいさんの「性の絵本 1」〜5歳頃から 3〜5歳の学年に一冊ずつ3冊
・たきれいさんの「性の絵本 2」〜5歳頃から 5歳の学年に一冊
・安藤由紀さんの「いいタッチわるいタッチ」 2〜5歳の学年に一冊ずつ4冊

寄贈を許していただければ、入手して順次持参します。
※たきれいさんの「性の絵本」シリーズはネット上で購入可能で、全ページネット上で無料で閲覧可能です。

◯◯ ◯の保護者、◯◯ ◯◯

意識したポイントは

・保育園に性教育を押し付けたいわけではないという主旨が伝わるように

・園でも性教育をしてほしいというハードルの高い要望ではなく、絵本を寄贈してよいかという低めのハードルでのお手紙

・保育園の保育体制に関わらず、その隙を子どもは狙う、と(うちの保育園に限ってありえない)と思わせないように

・そもそも加害する子がいなければ被害を受けないと記述

・加害者になってしまう子の家庭に任せていては充分な性教育は難しいと個人的見解を記述

・資料でも文章でもなるべく具体的に被害事例を示し、具体的に安全が脅かされているイメージを共有する
 (具体的被害事例の記述がないとボヤッとして刺さりにくいと思った)

・4歳でこんなにひどい性被害を受けた子がいるのだから、5歳から性教育では遅いとの認識を共有

・文部科学省は「教材はすべてホームページからダウンロードできるので、保育所や教育機関で積極的に活用してほしい」としている、というニュース内の一文を、文章にも記述 (印刷資料にもあるが読み飛ばさないように強調)


LINEで文章を打ち、iPhoneのメモ帳にコピペしてプリンターで印刷。(長くて書くと疲れるし、印刷しては校正してを繰り返すので、効率的な印刷にした)


お手紙と同封した資料

・ニュース内容https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210416/k10012977931000.html

・文部科学省の「性犯罪・性暴力対策の強化について」のページhttps://www.mext.go.jp/a_menu/danjo/anzen/index.html

・文部科学省の幼児期のパワポ教材を印刷
https://www.mext.go.jp/content/20210416-mxt_kyousei02-000014005_23.pptx

・たきれいさんの絵本を紹介するインターネット記事を印刷

・漫画でわかりやすい性被害の体験談を載せたインターネット記事をカラー印刷

・寄贈したいと記載した絵本を一冊ずつ
 ※具体的には
 ・たきれいさんの「性の絵本 0」〜0歳から 1冊
 ・たきれいさんの「性の絵本 1」〜5歳頃から 1冊
 ・たきれいさんの「性の絵本 2」〜5歳頃から 1冊
 ・安藤由紀さんの「いいタッチわるいタッチ」 1冊


角2の、A4が入る封筒に全て入れて渡した。

「絵本を寄贈したくて…お手紙を書いてきました。わかりやすいようにたくさん資料を印刷してきましたが、要は絵本を寄贈できるかどうかで、急ぎませんので…」といった感じで、いつも対応していただける先生に封筒ごとお渡しした。


園の返答

渡した翌朝登園した際に、園長先生が玄関で待っていて、読みましたと言ってくれた。

「内容が重いので、しばらく預からせていただいていいですか?お昼寝の布団はそれぞれ離してあるので(お昼寝中の)子ども同士の性被害はないかと思いますが、こちらも心に留めておきます。今までももしかしてあったのでしょうかね…。絵本は、検討して必要であれば園で買い足します。もしよければ渡していただいた絵本や資料は研修資料などにするか検討するのにいただいてもよろしいですか?」

ということだった。ぜひ!すべて差し上げます!と快諾。

よかった、ちゃんと刺さった!とホッとした。お昼寝中の性被害についての漫画も読んでくれたようで、具体的にどんな性被害を恐れているのかが伝わってる。

勇気出して時間かけて準備して伝えてよかったー!

何か起きてしまってからでは、保育園も子どもより監督責任から園を守ろうという方向で動いてしまうかもしれないので、起きる前に提案できて良かった!

検討結果がどうなるかはわからないけれど、共通認識ができると話が早いのでそれも伝えてよかった!


あとがき

Twitterで「#私が初めて性被害にあったのは」というタグで検索すると、本当にひどい被害の数々がツイートされている。性加害、性被害は全く珍しいことではない。

あまりに数が多く載せきれないので、よかったらTwitterで検索してみてほしい。

また、同じくTwitterで「私が初めて性被害」で検索すると、上記のタグを知らないけれど被害の実体験をつづっているツイートはたくさんある。

子どもたちは環境を自分で選べない。被害を受ける側は逃げる術を知らないし、加害する側も(大人でも子どもでも)怒られるとわかっていると、誰にも言わないように逃げないように脅すし、嘘をつく。
自分の身に起きていることを言語化できないし(大人だってきちんと分析して言語化している人は少ないと感じる)、怒られるの怖いと思うし、相手が怒られたらかわいそうかなと思いやれる子もいるし、なぜ加害をしてしまうのかの心理もわからない。

さらに言うと、性に関する興味は元々は純粋な異性への興味や自分への興味、美しいもの可愛いものを愛でたいと思う気持ち、触れたい触ってほしい気持ち、そして自分を尊重したい・してもらいたい(愛したい愛されたい)気持ちなのではないかと思う。(強い加害欲や支配欲は愛情不足などの歪んだ認知か脳の障害によるものではないかと思うが)

性に関すること全てが悪いもの・タブーとして教えると、自分の興味関心を抑圧しなければいけないと思いすぎて、かえって自分も他人も苦しめることになるのではないか。
(ゲームを厳しく制限される実家を出て一人暮らししたらやりたかったゲーム漬けになってしまうようにかえってその欲を増長させてしまったり、自分はこんなに我慢や抑圧しているのに・悪いことなのに、他人はなぜ抑圧していないのかという憤りにつながったり、親の監視や抑圧から離れたきっかけで弱者を見つけて性欲をぶつけるようになったり、成長しても苦しい恋愛ばかり選んでしまったり)

被害者になってしまうと、今の日本では多くのケースは傷ついた体と心のケアの治療費を被害者家庭で負担しなければならない。(そもそも注視されていない、被害者家庭も泣き寝入り、オープンにされないので外からは事件そのものもその後のケアも見えない)

保育園で保育中に加害・被害が起きれば保育園が監督責任を負い治療費を賠償…となるはずだが本文の最初に紹介したケースでは保育園はその責任を認めていない。

保育園で離れたところで加害・被害が起きれば親の監督責任として加害者家庭で賠償…となる。
(今後は被害者の声がきちんと上がりまずは加害者家庭で負担となると思う。本来は行政や教育期間で予防と治療費負担と再発防止に取り組むべきであると思うが、日本の文化として性教育後進国なのが現状だし、その仕組みが出来上がるにはまだまだ年月がかかると想定される。)

多くは自分の子が被害者になったらどうしようという視点だと思う。被害者にならなければ(加害側なら我が子の心のダメージは少ないだろうから)最悪いいと思う人ももしかしたらいるかもしれないが、事件事案が起きてしまえば、負担が誰にしろいずれにしてもお金がかかる、そして心の傷はいつ治るかわからないので非常に長い期間その通院費用を負担することになる。それが加害者被害者監督責任のある教育機関、もしくは税金として国民が誰かが、負担することになる。

つまり、予防が大事なのだ。
そういう性加害に至る考え方や感覚を子どもたちにつけさせない、性被害とまで思えなくても嫌だと感じた事は(言うなと脅されても)信頼できる大人に言っていいと教える、信頼できる大人を増やす、老若男女すべての人々に、実際の加害被害ケースを織りまぜて、充分な性教育を改めて広める必要がある。

子どもは知識をこれから覚えていくところなので、大人の考え方や文化、もしくは保育園や幼稚園で教わった内容を素直にものにする。
その大人が教える順番を間違ってしまったり、偏った快楽の知識だけを教えてしまっているのが今の日本ではないか。


大人たちとも改めて正しい性教育の順番と伝える内容、伝え方を考えていかないといけないと私は思うし、

せめて、今の子どもたちにはニュートラルに自分や他人への知識を与えてあげたいし(興味をもつのは悪いことではないよというメッセージ含め)、

でもこれはダメ!イヤだと思ったらダメと言っていい!と子どもたちにわかりやすく伝えたいし、

せっかく勇気を出して話してくれた子どもには、軽視せず、向き合ってどうすればいいか考えたいと思うし、

一緒に解決策・予防策を考えてくれる大人を増やしたいと思う。

新たな加害者・被害者をもう生まないように、これからもできる限りのことをすべく、考え続けたいと思う。


2021.4.25 追記

ここに参考として掲載した事例は女児が男性から被害を受けたケースだが、
男児が被害を受けたケースも少なくないのは表面化している事件からしても周知のとおりかと思う。

悲惨な事件はググればいくらでも出てくるし、事件化していないものだって例えば中学生でもこんな↓声掛け事案がある。


「#私が初めて性被害にあったのは」などを検索しても被害を受けた男性の体験談はもちろんいくつも出てくる(「男の子の方が無邪気で遊びだと思ってくれるので狙いやすい」という小児性加害者もいる)。また、女児から女児に加害をしたケースだって、実際はある。

どのケースにしろ、覚えていないのかもしれないし、覚えていて今も被害を苦しんでいるかもしれないし、加害を与えた記憶があって、心底償いたい(けれど蒸し返してしまったり忘れている記憶を蘇らせて深い傷を自覚させてしまったらどうしよう)と思っているかもしれない、特に親の立場になると。

最初に公開した際にその記述が抜けていて、男児を育てている親御さんはもしかするとこの記事で攻撃を受けていると思われたかもしれない。そうだとしたら言葉足らずで本当に申し訳ない。

男児女児どちらも性加害・性被害をするされるかもしれない(しかし実際に事件化した加害者の性別は男性・男児側が9割で、男児も女児も、気をつける対象の多くは男性・男児になるのではないかと私は思う。)ということを前提として、

加害者にも被害者にも傍観者にもならない、
そのために必要な教育の一歩

今回の「自分のプライベートゾーンは自分だけの大切な場所」「イヤだと思ったらイヤだと伝えていい、自分もそうだし相手もそうということを教えることだと思う。


保育園や学校には言いづらいなぁ…我が子にも自分からは言いづらいなぁ…と思っている保護者の方で、何か子どものためにできることがあるかな?と思ったら、

紹介した絵本のほかにも、
こんなツールがあるので紹介したい

性教育トイレットペーパー

小学生以上向けになってしまうが、いつものトイレットペーパーをこれに替えるだけでいい。設置すればどれどれと勝手に読むはず!詳細のリンクはこちら↓

(抜粋)「性教育トイレットペーパー」は、「そろそろ子どもに性教育をしたいけれど、きっかけをつくるのが難しい」と悩む大人のために作られた教材だ。

親しみやすい言葉とイラストで、月経、射精、受精、妊娠といった身体の仕組みや、子どもたちが性暴力の被害者・加害者にならないための知識が印刷されている。プライベートゾーンや性的マイノリティー、性的同意についての話など、学校教育ではあまり触れられないテーマも多い。内容は小学生向けで、Sowledgeのサイトから購入できる。
(抜粋)とくに重要なのが、性犯罪の被害を防ぐ予防教育として、子どもたちへ早期に正しい知識を伝えることだ。小中学生は学校指導要領により、性行為そのものについては教えられないことになっている。

そのため、何が性的なことなのか分からないうちに性暴力を受け、分かってから深いショックを受ける事例が後を絶たないと、鶴田氏は語る。

「それで思いついたのが、トイレットペーパーを性教育の“絵本”にすること。これならメディアやインターネットを介さずに情報を届けられるし、トイレという“個室”にあるから、他人の目を気にせず読める」(鶴田氏)

保育園にも紹介したかったが、漢字も使われているし園児向けではないか…ということで今回は諦めた。

しかしとてもいい視点で作られていると思う。上に貼ったインスタの記事で紹介されているように、学校ではトイレの大を我慢してしまう男の子も、家のトイレならゆっくり安心して読める。

購入を検討される方はこちらのリンクをどうぞ↓。


最後までご覧いただき、ありがとうございました。

丁寧語で作成しようとしましたが、常体の「だ・である調」の方がまだるっこしくなく読みやすいと感じたので、常体で本文を作成しました。

一気に書き上げて公開したので、誤りを見つけたら都度修正していきます。

この記事がなにかの参考になれば幸いです。

以上




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