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「仰向けに寝て」って英語で言える?

怪我の評価をするとき、何をやるかという以前に、何て言えばいいかがわからないというのは最初の壁でした。怪我の評価の授業では、先生は考え方ややり方を教えてはくれますが、そもそも「テーブルに仰向けに寝てください」を英語でなんて言うか、なんて教えてくれませんからね。

そこでプログラムに入ってからの最初の実習では、他の人たちが何て言っているかを毎日観察していました。それ以降大体同じフレーズを使っています。色々もっとかっこいい言い方をしてみようと思った時期はありましたが、結局Simple is bestです。相手に間違いなく伝わって評価がスムーズにできればそれでよしと開き直りました。では早速いくつか紹介していきましょう。

Hop on this table. このテーブルに乗って。

何か痛みや不調を訴えてきた選手をじっくり評価するために、トリートメントテーブルに誘導しましょう。

Get on your stomach/back. うつ伏せに/仰向けに寝て。

うつ伏せに寝る=prone、仰向けに寝る=supineという単語はありますが、それらはtechnical termな気がするし、Get on~のほうが自然な言い方だと思います。

Lie on your side. Face this way. 横向きに寝て。こっち向きで。

横向きになるときはlieを使うのが好きです笑。あと、右向きに左向きにと言えばいいんですが、相手にとっての右か左か、どっちを上にしたいのか自分でもいつも混乱するので、怪我の部位を見て今から自分がやりたいことを考えながら顔を向けてほしいほうを指差してこっち向きと言っています。雑ですが、わかればいいんです。

Flip over. 裏返って。(うつ伏せ⇔仰向け)

これはなかなか言えませんでしたが最近覚えました。Hip flexorsのMMTをしてからHamstringsのMMTもしたいときとかに言ってみましょう。

Come close to/towards me. こっち寄って。

特に肩の評価やストレッチとかをするときにベッドの真ん中じゃなくてもうちょっと端まで来て欲しいときとかによく言います。寄ってくれたらありがとうって私は言います。謙虚なので。

Sit up. 起き上がって。

仰向けに寝た状態から上半身だけを起こしてほしいときに言います。ブリッジを何度かして、Medial malleoliの位置のズレでPelvic alignmentを確認するときなどに言いましょう。

Stand up for me. 立ってくれる?

ベッドから降りて立ってほしいときに言います。Stand upだけだと「立て!」みたいになんとなく偉そうな気がするので、私は「じゃあ次はちょっと立ってくれるかな」ってお願いする気持ちをfor meに込めています。


私の周りのネイティブ達はこの5倍くらい色々しゃべってると思います。ただ、私はもうネイティブみたいになろうとするのはやめました。

私の渡米の一番の目的は英語の勉強ではなくアスレティックトレーニングを学ぶことなので、ネイティブみたいにたくさん色々言えるようになるかどうかは重要なことではなく、そんなことでアメリカ人と比較して落ち込んでも仕方ないからです。ゼロから始めて2年やそこらで英語もATも完璧に、なんてそもそも無理です。

また、選手の前では堂々と振舞って自信を見せることがプロフェッショナルな態度だと私は思っています。たとえ自信がないのがATのスキルではなく英語に対するものだったとしても、言葉につまったり不安そうにしている雰囲気は確実に相手に伝わります。それが、いつも同じ簡単なフレーズを言うようにしている理由です。

「この子大丈夫かな?」と相手に心配させてしまっては、お互いにとってよい結果は得られないと思います。だから、色々なことが言えなくても、多少言葉を間違えても、「これが今の私です」と、完璧でない自分を認めたうえで自信を持って現場に立つことをいつも意識しています。

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