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トレーニングできる幸せ

昨日は、午後になるにつれて徐々に体と思考に陰鬱な空気がまとわりついていくのを感じた。そういうときは早急に身なりを整えて(重要)、さっさとジムに行くに限る。

そろそろ体も慣れてきたかなと思ったので、ちょっとだけ重量もあげてみることにした。屈強な男子たちがいなくなったのを見計らい、バーベルスクワットをしながら思った。

なんていうか、スクワットするのって、楽しい。

好きか嫌いかで言うと、すごく好き。

家でミックスナッツ食べてながらゴロゴロしてる自分と、ゴールドジムでスクワットしてる自分だったら、明らかに後者のほうが好きだ。おそらく、思い描く「理想の私」の姿に近いんだと思う。

私は特にマッチョになることを夢見ているわけではないが、物理的に弱い自分をよしとするのを好んでいない。

おそらく昔からそういう気持ちはどこかに持っていたんだと思うけど、よりそれを強く意識しだしたのはアメリカに留学してからだ。

弱すぎるフィジカルという現実

アメリカ人は、男性も女性もおおむね体格がいい。背も高いし、肉付きがいい人が多い。

私は身長155cmで、日本でも小柄なほうだ。だから余計に彼らとのフィジカルの差を感じずにはいられなかった。

実習で高校に行っていたとき、プリセプターのジェンにトレーニングルームを案内してもらってマシンやウエイトの扱いを習った。一通りトレーニングのやり方を教えてくれたあと、彼女は私にこう言った。

「あんたはいくらなんでも弱すぎる。机に座って勉強してばかりいないで、合間にトレーニングをしなさい。腕立て、スクワット(あと他にもなんか言われたけど、忘れた)を毎日30回3セットしなさい!」

ががーーーん。

まぁ、普通のことを言われただけなんだけど、当時の私にとってはあまりにも耳が痛すぎる指摘で、とても衝撃的だった記憶がある笑。

というのも、私は日本では一般的な同世代の女性と比べて特段自分が「弱い」と思ったことはなかった。学生時代は運動部に所属していたし、筋トレは苦手じゃない。

一方で、今まで一度も運動をしたことがない女性、腹筋や腕立て伏せが1回もできない女性というのも、日本では珍しい存在ではないと思う。

でも、アメリカに行ってからは(運動してなかったのもあるけど)圧倒的に周りと比べて力やフィジカルが劣っていることを思い知らされることが多かった。

満タンの10ガロンのウォータークーラーは一人で持てない。
ちょっと上にあるものが届かない。
ちょっと走ったら息切れする。
男性の下肢が重い。しっかり持てない。
でかい選手のストレッチをするのが本当にしんどい。
全力で体重かけても選手に「もっと強くやって」って言われる。
etc...

挙げだすとキリがないが、こんなに自分が周りと比べて「フィジカルが弱い」ということを情けなく感じたことはそれまでの人生になかった。私って、普通に生きてるだけだと、人より小さくて弱いんだって初めて気づいた。

ウェイトトレーニングを学ぶ

私が通っていた大学のトレーニングルームは有料で、極貧生活をしていた私は結局大学を卒業するまでジム通いを習慣にすることができなかったが、大学院最後のセメスターで一般教養の「体育」の授業を履修した。「ウェイトトレーニング」の基礎を教えてくれるクラスだった。

他に受けていた学部生たちは概してやる気がなく、それに応じてか教えてくれる先生もあんまりやる気はなさそうだったけど笑、授業はちゃんとやってくれた。基礎から説明してくれる実技メインの授業はすごく勉強になった。この授業受けといて本当によかったと思う。

セメスターが全部終わってからあの街を引っ越すまでの約1ヶ月の間だけ、近所のジムに入会した。そこで授業で習ったことを復習しながらいろいろ試してみた。暇だったのもあり、週5で通っていた笑。

念願だった「トレーニングのある日常」を送れることがすごく嬉しかったし、一人でトレーニングをする時間はとても楽しかった。

何より「ジムに入会する」という行為自体が、新卒社会人の頃ティップネスに通っていた以来だったのだけど、トレーニングや体や筋肉に対する考え方や見えているものが、昔なんとなくトレーニングしていた頃とは全く違っているのがはっきりとわかった。

キャリアで悩んだ先になぜかスポーツ医学の勉強にすごく惹かれたのは、やっぱりその分野に自分が理想としていた人生との繋がりを感じていたからかもしれない。頑張ってよかったなって思った。

結論:トレーニングができるのは幸せだ!

あれから4年が経った。

今、私はまたジムの会員証がパスケースに入っている生活が送れているのを、とても幸せに感じている。

今後肉体的な強さを要求される仕事に就く予定は今のところないけれど笑、あのときこれでもかというくらい思い知らされた「相対的なフィジカルの弱さ」と「弱い自分への情けなさ」に対して、それらをよしとしたくないという思いはこれからも忘れたくない。

忙しいときはジム行くのめんどくさーってすごく思うけど、「トレーニングしたら楽しい」っていう気持ちが自分の中にもともと備わっているということをちゃんと自覚しておこうと思う。

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