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「死」と隣り合わせの女の蘇生は、いつも突然

  この沼落ちブログに辿り着いてくださった皆さん。本当にありがとうございます。
初めまして。yukkyと申します。
私の人生に一瞬でも関わって下さり嬉しいです。どうぞ最後までお読みいただけたら、これ幸いです。

🛵 死にかけた女 🚑


何を隠そう、私は23才の時に交通事故で一度死にかけている。
職場の先輩と仕事終わりにご飯を食べて
「見たいお笑い番組あるんで帰るっすわ!」
と、一人暮らしの家まで原付を運転中に、一旦停止を無視した車にぶつかられた。
ブレーキが一瞬でも遅れてたら死んでたと思う。
生死の分かれ目には間一髪だったが、接触を免れることができず何メートルもぶっ飛ばされ、顔から着地して(えっ顔めっちゃ痛い、えっ違う違う足めっちゃ痛い、今まで一回も知らん痛さなんだこれ、ハァ?絶対にそんな場所に足の裏着かんのやけど、あはは、なに、こわこわこわ)と思って恐る恐るチラ見で身体確認したら左足が太ももの真ん中で超折れてた。
驚くべきベクトルの先に足裏が着地している。

「だよね!!!!!!」

23年間仲良くしてきた足が、地面の感覚をありえない場所から伝えていた。凄いぜ!みんな自分の折れた足って見たことある?凄いんだから。
車に轢かれてぶっ飛ばされて宙を舞う間って、本当にスローモーションなの知ってた?

駆け寄ってきてくれた近所のおばちゃんに私は言った。
「顔なくなってませんか」
明らかに足が折れてるのに私は顔の心配をした。
半ヘルで顔着地して、本当に顔が半分なくなったんじゃないかというくらい痛かった。
おばちゃんは私の手を握って優しくゆっくり
「大丈夫、綺麗よ」
と言ってくれた。それを聞いて、あまりの安堵に道路の上で救急車が来るまで、ワンワン泣いた。
私は可愛いところがある。
私を轢いた男が震えながら近寄ってきた。若い男だった。私は男の手をひっつかんで言った。
「おいお前、逃げんなよ、絶対にここにいろよ」
足の折れた女に腕を掴まれ凄まれた男は完全に縮み上がっていた。縮み上がるってこういうことなんだろうなという顔をしていた。そいつは私が入院した病院に、高そうなシュークリームを持って一度顔を見せたきり二度と現れなかった。まあでも、こいつのおかげで人生が変わっているから、こいつにも感謝なのである。
なぜなら、この時に病院で出会った男と私は結婚しているからだ。

「あんたは本当にタダでは起きひんな
親にはよくこう称される。

欲深いって言うな、元を取るって言えし

私は、必ず起こった現象に対する「元を取る」。
そういう星のもとに生まれたらしい。

死ぬわけのなさそうな女は、この時に一度生かされて、少し不思議な力を授かった。二度と死にかけないように、人より感覚が鋭くなって、何となく少し先の未来が『わかる』時があるようになった。

不死鳥。
それは、車に轢かれても死ななかった私の概念だったのかもしれない。
なぜなら私は人生に二度も、蘇る。
誰も予想もつかない、思いもよらない形で。

🦁 人生はAMAZING WORLD  🎪

2015年、私はAMAZING WORLDというEXILEのツアーに、親友から唐突に誘われた。
「ゆきちゃん、なんかオカンが良い席のチケット当たったらしいし一緒に行こー」
アツシさんしか知らず、隣の可愛い顔のボーカルの名前がわからなかった。
とにかく、周りでいっぱい踊ってる人らよなー。っていう。
「マジでなんも知らんけど、まあ…ええけど。チケット代いくらなん」
「12000円くらい」
聞き間違いかと思った。ちょっとのけぞった。
「なにそれ!人数多すぎるから?!?ライブハウス、酒(1ドリンク)ついて3500円なんやけど?!」
ド初っ端からキレてる。

でも行った。素直なのもあるけど多分、行った方がいいって『わかった』から。
だから、行って良かった。当たり前だよ、なんか「わかった」んだもん行く前から。
AMAZING WORLDを見て、私はEXILEが一瞬で大好きになった。こんなに作り込まれ、コンセプチュアルで、金のかかったエンターテインメント、今まで生きてきて一度も見たことない。というレベルで感動した。
私はクラブも好きだしライブハウスも好きだしフジロックを初め野外フェスもずっと好きだったし、とにかく音楽がめちゃくちゃ好きだった。音と好きに遊ぶのが好き。今まで自分が音を受けて踊るだけのものと思っていたダンスを、ステージ上でこんなに真剣にエンタメにしているグループがいたんだ、という驚きと衝撃があった。

親友が用意してくれた人生の転換点がそこにあった。

その日EXILEがその魂ごと全部、初めての私にも優しくくれたエンターテインメントが、全部全部、絶対に好きだった。キラキラしててドカンドカンしてて、美しくて、全力で、そしてその全てが愛と使命に満ちてて、十文字の長い長い花道を駆け抜けてめちゃくちゃ近くまで来てくれるEXILEは、全員が光り輝いていて、わけわからないくらいカッコ良かった。落ちてきそうな場所にUSAさんがきてすっごい楽しそうに踊ってくれたことが、昨日のことのように思い出せる。

私は、あまりにも強く熱い光を浴びて、押し出されるように走り出した1周目を、夢中で駆け抜けた。

🌎 AMAZINGな、WORLDとの邂逅 📚

時は経ち、2021年。そして、2022年。
私は勝手に、徐々に徐々に、疲れていた。本当に好きだったし、こんなに一人の人を、ずっと好きだったのに。見てきた全てをひっくるめて、彼のことは結局何も「わからなかった」な、と思ってしまっていた。"私にとっては"あまりにも彼には一貫性がなくて、想像力がなくて、その事実が私を強烈な絶望に陥れた。思い出してもすぐに涙が出る。そのくらい、深く傷ついていた。

AMAZING WORLDから一度もとばしたことがなかったツアーに「行かない」という選択をした。(コロナ禍だったのもあり、RISING SUN TO THE WORLDには行っていない)
でもこのまま心がEXILEから離れるなんてことは、どうしても考えられなかった。辛い時も楽しい時もいつだってEXILEが支えてくれたし、私は7年間も流動性と話題性のある国民的グループを推してきて、その変化を乗りこなし、全員のことが心から好きだったからだ。全員が超一等星の、スーパードリームチームだと信じてやまないし、日本が世界に誇るエンタメ総合商社が、EXILE TRIBEだと思っている。

🦅  運命の、X-DAY 🔥

「ゆきちゃーん、RED PHOENIXどうすんの〜、推しいーひんけど大丈夫なん」
非オタの親友がいつものようにぽわーっと聞いてきてくれた。
「いや行く行く。一回は絶対に見たいからTwitterでチケット探すわ〜」
同じくぽえーっと返したような気がする。
推しグループの単独LIVEに行くのは息をして、飯を食うのと同義。
当たり前だった。

RED PHOENIX。
「赤い不死鳥」と銘打った2022年2月から始まったEXILEのLIVEツアーは、アツシさんがいなくなり"新生EXILE"と呼ばれる、オリジナルメンバーが一人もいない14人体制で初めて、MONSTERツアー以来のアリーナを回るという、これまたEXILE史上に燦然と刻まれ輝くことになるであろう、試金石的ツアーだった。私はボーカルコンビで言うとネス吉が特に超好きだから、新生EXILEには並々ならぬクソデカ感情がある。あつたかネス吉の4ボーカルにも思い入れがあるが、たぁネス吉3ボーカルにもしっかりと思い入れがある。箱推しを舐めないでいただきたい。全員への好きさを語り始めると2泊3日の合宿になるため今日は一旦この辺にする。

初日の福井は、私にとって最初で最後のRPになる。

誰も推しがいないという状態で、でもEXILEが好きだから一度見ないとダメだったのだ。見ないなんて許されない。そう思って入った福井ドームの席は、限りなくアリーナに近い低ーいスタンド席の、ゼロズレドセンだった。私はあの日雪の福井で、EXILEと同じ目線の高さのど真ん中で、新生EXILEの熱い光を浴びた。

13人いるのに、1人に見えるEXILEの図

(せっちゃんの煉獄さんヘア初めてみたー、綺麗)
不死鳥の衣装を着て舞うゴールデンレッドヘアのEXILEから、開始すぐに目が離せなくなった。
(あれ…せっちゃんめちゃ大人なってる…?)←いや前から大人だわ
(待って…ダンスくっそうま、えげつない距離移動してるすご)←もう既に「視界から君以外がオールアウト」状態
(永遠にダンス上手い、えっ上手くない時がない、知ってたけど。何がこんな綺麗なんやろ…手が長いのか…あっ…手足が長いのか)←言い直してる、真面目
(ファンサえぐい)←知ってた
(ヴッいま何したん、もっかいやってスッッゴイ)←やらん
(えーーーかわいいーーーー)←語彙終了

「知ってたんよなーーーーー!!?!ずっとなーーーー!??!」←クソデカ懺悔感情


私は、初めてちゃんと「捉える」ことの出来たEXILEに完全に心を奪われていた。
1年間くらいの間、私がぼんやり見ていた色のない世界に、せっちゃんのゴールデンレッドの髪が「色」を思い出させてくれた。急にまた、見える景色が色づき輝き始めた感覚が明確にあった。せっちゃんの、その美しい身体から業火の如く迸る炎が、纏わりついてごうごうと私を燃やしていった。
私は、息を吹き返した。
完全に、蘇った。
ただでは起きない女の、二度目の蘇生。
死ぬわけねーんだわ私が。
不死鳥の姿の、美しきEXILEせっちゃんが、間一髪、私の心をEXILEに引き留めてくれたのだった。

福井からの帰り道、私は心底感動していた。
行かなかったら、どうなってたんだろうか。
帰りのPAでもう、なんか、ラーメンかなんか食おうぜってなったのに全然、半分くらいしか食えなかった。
「ゆきちゃんどしたん、お腹めっちゃすいたってゆうてたのに」←親友a.k.a.保護者

「胸がいっぱいで食べられない」

私は単純だ。
本当にかわいいところがある。
わかりやすく世界の深淵に即ブチ落とされていた。
うわの空で帰宅してからというもの、連日連夜「なんで…」とエンドレスうわ言タイムを繰り返した。

彼をずっと
「知っていた」のに
「何ひとつ、知らなかった」

という痛恨の事実が私を凄い速さで2周目へと駆り立てていった。

いや、即好きツイートすな。


出会った2日後に結婚しようとすな。
(説明すると、これは当時エクストというEXILE TRIBEの音ゲーがあって、そのゲーム内でちびキャラの世界くんがくれた石を薬指にはめようとする狂気おたくツイートです)

尖ったクラバーのかわちい年下ザイルと思っていた世界くんは、知れば知るほどめちゃくちゃいい男だった。
「ん?」(首を傾げる違和感) てなる瞬間がマジでいっこもない。EXILEに加入した瞬間のインタビューとか読んでも今と全くもって同じことを言っている。
2月末から半年間くらいAROUND THE WORLD(a.k.a.世界史)をROMって、彼を知っていくたびに、愕然とした。

「おもしれー男」

あまりにも理想の推しだった。
私がずっと無意識に推しに対し求めていた「一貫性」という名のムラのない熱量が、彼にはずっとずっと、初めから、強烈に迸っている。
そして、優しい。めちゃくちゃ優しい。激動のエンタメ界に身を置いている人とは思えない柔らかさと、想像力がある。ある時、自分と大樹くんのグループであるFANTASTICSとのグループインタビュー?みたいな動画を見た。インタビュアに、年下のメンバーに対し直してほしいところを尋ねられて「ない、そのままでいてほしい」といった感じの受け応えをしていた。
私は「想像力」がある人が好きだ。
どんなアーカイブを見ても、とことん優しかった。

全部見れてないんだけど、たまたま見たターミナルというCL(LDHの自社メディア)の前身コンテンツ時代のアーカイブでも、ワーー!って、読んでほしくて同じ書き込みを延々送っていたファンちゃんに対して他のファンが釘を刺すコメント(ファン同士で)をしたのを読んで「僕が開いてるこの場を、一緒に過ごしてる限り今見てる僕も含めた何万人が自分のコメントを読むことを考えて、相手のことを考えて発信してくれたら嬉しい」みたいなことを言っていて。(なんとなくこういう内容だった。言い回し違うと思いますがごめんね)

想像力めちゃあり+言語化うまザイルかよ。
は?全部好きなんやけど。なんだこいつ。
好き好き好き。もうやだ。また好きじゃん、何。

何を読んでも何を見てもどんな一言も超好きだった。
目から耳から入ってくる彼のクリエイティブやダンス、考え方、全てからあらゆる「好き」が身体中に塗り込められていった。
彼を褒めるための、日本語の語彙が少なすぎる。
正真正銘の天才なのに、最高に努力家で、優しくて、最高のクリエイターで、未だ全身全霊尖っている感じがする。世界中の言語からも愛されている。どんな言葉も彼のカッコいい声に似合う。「世界」って名前だからなのかな。ってかまず、マジで最高に名前が良い (これは口癖)。

「これ以上好きになりたくない…」

と嘆きながらひとり世界史をひっそりと掘り進めて、半年間で5キロ痩せた。
本当に好きだ、もうだめだ、気付かないフリはもうできない。

私は、彼の顔「も」好きだ。
というか、めちゃくちゃ顔「が」好きだ…
終わった…(??)

「めっっっちゃ、顔が好きやな…」

もう終わったなと思った。完璧すぎる。そもそも顔が好きだった。
世界くんは、そのダンスの凄さ、身体の使い方、所作、形の美しさに眼球が囚われて、顔の良さ、可愛さに辿り着くまで時間がかかるシステムがプログラムされた、難易度の高いEXILEだった。

私は確実に、わたし史上最強、理想の推しに出会っている。
もう黙っておくことはできない。

🗣  カミングアウト、推し変  🗯

発信してもいっかー、と思ってからのスピード感はご存知、すざまじいものだった。半年間でFANTASTICSのファン、FANTAROちゃんがたくさん私をフォローしてくれた。ひとりで寂しく泣いていた私はもういないのである。

私は先日あるフォロワーさんに、世界くんに気付くのに時間がかかってしまったことに対し「遅くなってごめん、私が来たからもう大丈夫」と言っていたらしく、世界くん界隈に彗星のように突如現れたオールマイトだ、と褒められた。
良すぎる。
これからもファンダムのフロアを揺らすDJとしてグルーヴを作れるオタクでいたいと思います。
読んでいただき本当にありがとう。

先日のバースデイカウントダウン絵の連ツイを貼っておしまいにしたいと思います。
またねー。



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